|ベルナーオーバーラントの地図| ![]() 氷河で削られたU字谷「ラウターブルンネン」 |
![]() 3、トゥリュンメムバッハの滝 |
■ ラウターブルンネン (Lauterbrunnen) 渓谷の分かれ道 ツヴァイリュッチーネン (Zweilutschinen) を直進すると、見事なU字谷のある、ラウターブルンネン (Lauterbrunnen) へ行ける。この村は数億年前に、氷河によって削られたU字谷のちょうど底にあって、両側はほとんど垂直に近い。右の崖上から流れ出す滝は、ヨーロッパ第2の落差300mを持つ 「シュタウプバッハの滝」 である。あまりの高さに滝は途中からシャワーになって落ちてくる。【写真1】 この滝とラウターブルンネンの教会をバックにした大きなポスターを自宅に飾っており、「いつかはこの場所に行きたい・・」 との願いが現実となって思わず胸が熱くなる。二人で 「この角度かな~?」 などと話しながら、その撮影場所を探したが、なかなかその場所にたどり着けなかった。プロ カメラマンが惜しみなく足を使いビューポイントを見つけ出していることに改めて頭が下がる。【写真2】 ■ トゥリュンメムバッハの滝 (Trummelbach Falle) ラウターブルンネンの谷をどんどんと奥へ進んでみる。右手に観光ヘリコプターの乗り場が見え、さらにその先の左に、「トゥリュンメムバッハの滝」 (Trummelbach Falle) があった。アイガー、ヒンメ、ユングフラウの3山の氷河の水が集まり、この場所で一気に流れ落ちる珍しい洞窟の滝で、毎秒20トンもの水が削られた岩間を、轟音を響かせて落ちている。こんな滝を見たのは初めて、その様相は物凄く、かみさんもこれにはすっかり驚いて 「怖~い!コワ~い!」 の連発で、思わず苦笑してしまう。【写真3】 さらにU字谷を進むと、ミューレン経由シルトホルン行きのロープウエイ乗り場、シュテッヒェルベルク (Stechelberg) 駅に到着した。 駅前にある大きな無料駐車場に車を停め、右の崖上から落ちる 「ミューレンバッハの滝」 を見ながら、ロープウエイは急角度で上昇する。かみさんが思わず 「わ~素敵!」 と声をあげたほど下から見上げていた滝が徐々に変化するのが面白い。途中のギンメヴァルト (Gimmelwald) で乗換えて、およそ8分ほどでミューレンに到着した。 ■ ミューレン (Murren) ラウターブルンネンのU字谷の、右の崖上800mにある人口わずか450人の小さな村がミューレンである。ツェルマットと同様に、ここでもガソリン車を締め出しているため、とても静かで独特の雰囲気がある。この場所がベルナーオーバーラントの中でも、一番西寄りとなり、3山がまとめて望める絶好のロケーションとなるため、多くの観光客が訪れる。【写真4】 |
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![]() 4、シュテッヒェルベルク (Stechelberg) 駅 |
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![]() 5、ミューレンの村 標高1,638m |
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![]() 6、シルトホルン展望台と 「ピッツ・グロリア」 ![]() 7、シルトホルン頂上展望台/2971m (左から2番目が僕 、右側 2人が英国のご夫婦) |
■ シルトホルン (Schilthorn) ミューレンからさらにロープウエイで、ビルク (Birg) と呼ばれる中間駅で乗り換え、標高2970mのシルトホルン展望台へ到着する。このロープウエイから見下ろす広々とした谷間は、緑のじゅうたんが広がり、その間にある綺麗なハイキングコース 「ノースフェイス花の散歩道」 が見える。 かみさんが思わず 「まぁ~素敵!」 と声をあげた。もうそこはハイジのような?世界に見えた。 頂上の広い展望台に到着すると、3山以外のブライトホルン (Breithorn) から、ブリュームリスアルプ (Blumlisalp) 連山などが、360度の大パノラマとして展開する。ここは1969年に公開された映画、ジェームスボンドの 「女王陛下の007」 のロケ地として一躍有名となった場所で、30年以上も経った今でも、売店にはそれらのグッズが数多く売られていた。【写真6】 隣にいた英国から来ていたご夫婦が、親切にも我々に双眼鏡を貸してくれた。 「シャレーに長期滞在をしながらスイスの各地を回っている・・」 との話に、「僕達達も将来の夢なんです・・」 と伝える。旅人同志は、国籍を越えた連帯感が生まれ、心温まる思いである。【写真7】 |
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![]() 8、メンリッヒェン (Mannlichen/2230m) からクライネ・シャデック方向 (正面手前の山はラウバーホルン/2472m) ■左端:アイガー/3970m 中左:ヒンメ /4099m 中右:ユングフラウ/4158m 右:グレッチホルン/3983m |
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■ ウェンゲン (Wengen) シルトホルン展望台から下山して、ラウターブルンネン (Lauterbrunnen) の駅裏にある大きな駐車場に車を預ける。ここからは WAB鉄道で、今日から宿泊するヴエンゲン (Wengen) までは登山電車を利用する。出発するとやがて急坂となり何度か大きくカーブしながらどんどんと登って行く。車窓から見るラウターブルンネンのU字谷が素晴らしい!。およそ25分ほどでヴエンゲン駅に到着した。【写真8・9】 この村も、ミューレンと同様に、ガソリン車の乗り入れが禁止され標高1274mの鳥の巣のような高台にある静かで明るい雰囲気の村である。今日から2泊するホテル・アイガー (Eiger) は、駅のすぐ前にあった。部屋の窓から見えるユングフラウ (Jungfrau) も、我々を暖かく迎えてくれる。【写真右小】 ■ メンリッヒェンからハイキング (Mannlichen) 翌朝、山の麓にあるロープウエイで、メンリッヒェン (標高2230m) へ一気に登った。ここからユングラウ・ヨッホ (Jungfroujoch/3454m) への始発駅があるクライネ・シャデック (Kleine Scheidegg) までラウバーホルンの左を回りながら、なだらかなハイキング・コース を歩く。正面にアイガーやヒンメを見上げ、左手に緑の牧草地に広がるグリンデルワルトを見下ろしながらのハイキングは、途中に広いお花畑や、山影には残雪まであって何回となく立ち止まって写真を撮りながら、およそ2時間ほどかけて到着した。【写真7】 ■ ユングラウ・ヨッホ クライネ・シャデックからユングラウ・ヨッホまでの登山鉄道の開通は、今からおよそ90年前にもなる。アイガーとヒンメの岩山を、16年間もかかってくり貫き、1912年に3454mのヨーロッパ最高地点 「ユングラウ・ヨッホ駅」 を開通させたのである。この山頂レストランがその名も有名な 「Top of Europe」 である。登山電車は途中からトンネルに突入し、アイガー岩山の中間駅で1度停車して、北壁にくり貫いた窓から下界を見せるが、それ以降は終点駅も含めて岩山トンネルの中で、何も見えない。 駅からさらにエレベーターで登り、標高3571mのスフィンクス展望台から、ヨーロッパ最大の「アレッチ氷河」 の源を見ることが出来る。この氷河は全長は23キロ、最大厚さは900mもあり、1日平均10~15cm動く、この氷河の一番奥にある 「エッギスホルン」 から見た時とは、ちょうど逆方向の眺めとなった。 「これが氷となり、その自重でゆっくりと滑って谷を削り、あの見事なU字谷の誕生となるんだよ・・」 と かみさんに解説する。きっとこの谷の下も、U字渓谷が形成されているだろうと思うと、大自然の壮大さに思わず引き込まれてしまうのである。【写真8】
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![]() 9、ラウターブルンネンのU字の谷 (シュタウプバッハの滝が見える) ![]() 10、ヴエンゲンの駅前通り 手前は電気自動車 ![]() 11、メンリッヒェンの上から ヴエンゲンを見下ろす。 ![]() 12、クライネ・シャデック展望台 後ろはアイガー/3970m |
![]() 13、スフィンクス展望台から見た「アレッチ氷河」
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