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雑音に敏感であることの美徳


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3月24日
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■逆輸入

ここ数年の[和]ブームは長い。
海外の漢字キャップは今どうなのか知らないけれど、若い人が好んでアンティークの和服を着たり、洋服に反物を一部使用したりするのがずっと続いている。

なにを隠そう自分も、日本画の美術展を観に行って絵はがきを買う時、昔は「こんなの出したらおばあちゃん扱いだ」とハナから投函しない気で選んでいたのに、最近は「メッセージカードに使えるかも」なんて思いながら手に取っていたりする。

80年代初頭にも「ネオ・ジャパネスク」とかいって、明菜ちゃんが着物をぶった切ったりしていたけれど(※1)、今の空気はもっと[和]の本来の姿、“新解釈”ではなく“回帰”という感じがする。

そんな時流の黒潮が、太平洋を巡って再び日本列島にぶつかる事がある。地下足袋や漢字キャップに飽き足らない本格志向の西欧の若者が、次に注目するのはきっと「髷(まげ)」。日本人はなぜ、明治維新で形ばかりの西洋化の為に、あの優れた伝統スタイルを捨ててしまったのか。

 「“さかやき”(※2)といって頭頂部を若い頃から剃ってしまうのは、日本男性が年齢を重ねた時の姿を思えば大変合理的だ」、と昔から頭頂部がさびしい私の父は言っている。

モヒカンの逆っていうのもロンドン子に馴染みやすいはず。現に植毛のCMでもモヒカンからちょんまげにイメージチェンジする若者の姿が。ヘアアクセ等に工夫を凝らしてもお
しゃれだと思う。


(2004-03-24/B)


(※1) 中森明菜。『DESIRE』(1986年)の頃。
(※2)  【月代(さかやき)=別名つきしろ】成人男子が前額から頭の中央にかけて頭髪をそり落としたことをいう。冠や烏帽子から生え際が見えないように剃った、という説や、兜を付けた時のぼせを防ぐために剃った、など説は様々。とかく髪のこととなると、いろんな理由付けが欲しくなるものだ。
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髷ブーム到来のあかつきには、キムタクにかわって高見盛が「抱かれたい男No.1」としてananの表紙を飾るに違いない。「男のモテ髷500」なんてムックも出ちゃうかもれない。(C)




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