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雑音に敏感であることの美徳


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1月25日
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 2005

■話し方教室

「ありえない」

というコトバをよく耳にする。

電車の中でおそらく30代後半の、年のわりには少し派手目な女性が「ありえないから」を連発していた。

彼女は満員電車の中、ボリュームを落とすことなく30歳になるかならないかの頃の武勇伝を20代後半〜30代前半の連れの女性に自慢気に話していた。

電車でチンピラ風の兄ちゃんが眠ってよりかかって来たのにムカついたから脱いでいたコートを着る時にワザとあたるようにした結果ケンカになり、駅員にとりなされた、など。

その際に「ミニスカートはいてたんだけど」など、事件とはまったく関係ない情報まで盛り込まれていた。それはどうでも良いかに見せかけて時代と若さを象徴&強調する小道具としては必須なのだろう。たぶん。

私の統計上、バブル期を経験した人はあの華やかな時代を語る時、まるでシャンデリアを見上げるように、逆光を背に好きな人を見つめる時のように、まぶしそうに語る癖がある気がする。

私にも若めの友達(といっても22歳の大学生が最年少)がいるが、あんな風に自慢気に過去の話をしたりはしていないだろうか。ちょっぴり不安になる。またそこでイマ風のワードを盛り込んで“私だってまだイケてる(←これも古い)のよ!”感を出すのはますます不憫だ。

女性は服装や化粧で年齢よりも若く見せることは可能かもしれないが、話し方にはその人の経験と知性が垣間見えてしまう。恐ろしい。明日は我が身と戒めて、年下の人々に不憫と哀れまれないオトナしゃべりを確立していこうと思う。

(2005-01-25/C)



 2004





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