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ナノ・ユート


 1

 風が強い。
 峡谷の底から吹き上がってきた突風にカウボーイハットをさらわれそうになって、スティーブは慌てて押さえた。
「スティーブさん、こちらです」
 ウィリアムに案内され、現場に来たスティーブは周囲を見回して、ふむ、と考え込んだ。
 川縁の断崖。中空に突き出した岩。乾いた岩場には無論足跡など残っていないが、砂地の部分には馬の蹄鉄の跡が残っている。
 三人の遺体はない。既に運び去られたらしいが、そこかしこに残っている血痕がそこに誰かが倒れていたことを示している。
 考え込んでいるスティーブに、ウィリアムが状況を事細かに伝えていく。
「こっちにボブ、ここにチャーリーが、で、こっちにはマイクが倒れてたんでさぁ。それぞれ、こんな感じで」
 どういう形で倒れていたのか、自ら演じてくれる。
 なるほど、と呟くスティーブに気を良くしたウィリアムはさらに中空に突き出した岩の方へ手招いた。
「これこれ。こっちを見て下せえ、こいつを――」
 見れば、馬の蹄鉄の跡が岩に刻まれていた。蹄鉄で岩を強く削った跡だ。
「これは、落ちたな」
「でしょ?」
 スティーブは下を覗き込んだ。
 下を流れる川までは20mから30mくらいか。落ちたとして、助かったかどうかどうか微妙なところだ。
「……だが、落ちたのは馬だということしかわからんな、これでは。人が乗っていたとは限らん。――ん?」
 振り返ったスティーブは、足元に血痕を見つけて顔をしかめた。
 周囲を見回し、三人の遺体のあった場所を確認する。いずれからも離れている。強いて言うなら、マイクの遺体に近い。だが、マイクは額に一撃食らって死んだはずだ。二つ目の血痕が存在する理由がない。
「これは、誰のだ?」
「え? ……さぁ……」
 ウィリアムも今気づいたらしく、首を傾げる。
「……三人のものではない、別の一人……。“ANNA”か。だが、どういうことだ。マイクは“ANNA”にここまで接近しておきながら、額を撃たれている。……いや。待てよ。――おい、ウィリアム。マイクは頭を川側に向けて、仰向けになっていたんだな?」
「へい。ボブもそうです。チャーリーだけが、向こうっかわに頭を向けて死んでました」
「ふむ……こちらから撃たれたのなら、向こうへ倒れるはず。ボブもだ。つまり、撃った奴がいたのは向こう側……」
 スティーブの眼差しが、さっと自分たちの来た方向を見る。
「そうだ。チャーリーだけが向こうに頭を向け、トマホークを受けていた。つまり、チャーリーに止めを刺したのはトマホークを持っていた“ANNA”だ。だから、“ANNA”はここにいた。こいつは“ANNA”の血痕だ。だが、他の二人は別の奴にやられた。――この場には、5人目がいたということだ」
「なんかわかったんですか?」
 スティーブの呟きが全く理解できなかった態で、ウィリアムが聞いてくる。
 スティーブは厳しい表情で立ち上がった。辺りの風景をざっと一瞥する。
「ああ……厄介なことになった。三人をやったのはおそらく、厄介なほど凄腕の拳銃使いだ。インディアンじゃない、それも厄介だ。だが、そいつだけが、ここで起きたことの真実を知っている――それが一番厄介だ」
 不意に吹きつけてきた突風に、スティーブは目を眇めた。


 2

「お父さん、これ何?」
 まだ幼いジェラードの差し出した紙切れを、若き日の父・ヘンリーは論文を書いていた手を止め、受け取った。
 改めて紙切れを見たヘンリーは、目を細めてジェラードの頭を撫でた。
「これは地図だな。世界地図だ」
「せかいちず?」
「そうだ。神様が御造りになった世界の全てが、ここに載っている。ほら、ここ。この【アメリカ】が私達の住んでいる大陸なんだよ」
「ここ?」
 ジェラードは父親の指先を食い入るように見つめた。
「そう。でもね、私達のご先祖様は、こっち――」
 指先が大西洋を渡り、旧世界――ヨーロッパを指す。
「このヨーロッパにいたんだよ。それが、遥々この大西洋を渡り、新天地アメリカへやってきたんだ」
「どうして? どうしてよーろっぱを出て来たの? おうちが狭くなったから?」
 ヘンリーは軽く笑った。
「おうちが小さくなったか。それはいい。――そうだね、簡単に言うとそういうことかもしれないね。アメリカ人のご先祖様は、とっても新しい考え方の人たちだったんだ。ところが、古い考え方の人たちがいっぱいのヨーロッパではいじめられる。だから、おうちを出てアメリカにやってきたんだよ。ここにみんなが仲良く暮らせる新しい国を作るためにね」
 感心しきりの息子を、ヘンリーは優しい眼差しで見つめながら続けた。
「だから、忘れちゃいけないよ、ジェラード。君の中には二つの大事なものを持った、誇り高いご先祖様の血が流れているんだ」
「ふたつのもの?」
「そうだ。一つは大きな波も酷い嵐も怖れず、何がいるかもわからない新しい世界へ踏み出した勇気。そして、みんな仲良く、誰もが威張ったりしなくていい国を造ろうとした優しさ。その二つだ。それを、私たちは『フロンティア・スピリット』と呼び、誇りにしているんだ」
「ふろんてぃあ・すぴりっと……」
 ぼんやりと呟くジェラードを、ヘンリーは膝の上に抱き上げた。
「ああ。『フロンティア・スピリット』だ。でも、それを持っているのは本当は、私達だけじゃないんだ。今もヨーロッパに住んでいる人も、遠くアジアの国に住んでいる人も、そして――」
 ふとヘンリーの目が、書きかけの論文に落ちる。
「……私達のご先祖様がここに来る前から、アメリカの大地に住んでいた人達も持っているんだよ。難しいことや困ったことから逃げないで、立ち向かう人はみんな持っている。それが『フロンティア・スピリット』だ。だから、ジェラード? お前も難しいことや困ったことから逃げてはいけないよ? それはご先祖様を悲しませることだし、とっても恥ずかしいことだからね」
「うん、お父さん。僕、逃げないよ!」
 元気に応えるジェラードに、ヘンリーは無上の喜びを満面に浮かべた。


 ぼやけた視界の焦点が合うまで、しばらくかかった。
(……今のは……夢か。ち、なにがフロンティア・スピリット……)
 父が考えていたほど、この国は立派ではない。そう気づいてどれだけの年月が流れたことだろうか。先祖の誇りなど、どこ吹く風だ。
(それはそうと……ここはどこだ?)
 ゆっくりと身体を起こしたジェラードは、辺りを窺った。
 どうやらどこかの小屋の中らしい。枯れ草と枝で作られた低い天井と壁、そこに掛けられた皮袋や鍬、鋤、弓、矢筒、トマホーク……。
(……トマホーク? じゃ、ここはインディアンの……? しかし、なぜ……? なんで俺はこんなところに)
 注意深く周囲に目を配りながら記憶を探る。
「大丈夫か」
「なにっ……うおっ!」
 いきなり背後から肩に手を置かれ、焦って振り向いたジェラードは、右腕で炸裂した激痛に思わず苦鳴をあげた。
 痛む腕を腹に抱え込み、痛みを噛み殺す。この痛みは骨からきているようだ。打撲の痛みではない。
「あまり動かすな。骨が折れてるかもしれんのだ」
 優しげな声に顔を上げたジェラードは、微笑む娘を認めて顔をしかめた。それがインディアンの娘だということはわかったが、なぜ妙に親しげなのか、わからなかった。
 そういえば、娘も右腕を白い三角巾で吊っている。
「ぐ、く…………何だ、お前は……」
「私はナノ・ユートのアンナ。保安官に追い詰められていたところをお前に助けてもらった。忘れたのか?」
 娘は左手でジェラードの背中をさすりながら、心配そうに眉根を寄せる。
「あぁ……アンナね……」
 生返事を返し、アンナの微笑みを眺めながら記憶の糸をたぐっていたジェラードは、突然眼を剥いた。
「……あ……ああっ! そうだ! お前! お前のせいで……! おおぐあああっ……!」
 思わず指を突きつけた途端、再び右腕で激痛が弾けた。またも身体を丸め、腕を抱え込んで悶絶する。
 アンナは苦悶するその背中を労って撫でさすりながら、優しく語りかけてきた。
「横になった方がいい。今はゆっくり養生して腕と傷を直すことが大事だ」
「ここは……ここは、どこだ」
 ジェラードは聞きながら、自分の体を見下ろした。
 上半身は裸で、体中包帯を巻かれ、右腕には副木まで当てられている。まさに満身創痍だった。
 返答はアンナの背後から飛んできた。
「――ここは私の氏族の集落で、私の家(ティピー)だ」
 ティピーとは草と枝とバッファローの革で作られたインディアンの家だ。確かに言われてみれば、この光景はそうだった。
 声のした方に顔をねじ向けると、どこか超然とした雰囲気のある痩せた老人が、穏やかな微笑みをたたえて座っていた。
「わしはナノ・ユートの――君達の言葉で言うところのレッドフォックス。孫のアンナが世話になったようだの。礼を言うぞ。お主の怪我は治るまでにしばらくかかる。当分、ここで養生してゆくといい」
「いや、ありがたいが遠慮する。……う」
 立ち上がると少しよろめいた。
 胃が空のせいか、体力が落ちているのか、それとも傷が膿んで熱が出ているのか。
 慌ててアンナが手を差し伸べ、脇から身体を支えてくれた。
「だめだ、お前はあの崖から落ちて以来、丸一日眠っていたんだぞ。急には動かない方がいい」
「……いや、俺は保安官を殺したお尋ね者だ。ここにいては、お前達に迷惑をかける」
「でも、あれは……」
「ああ、確かに正当防衛だ。撃鉄も向こうが先に上げた……だが、お前がそれを法廷で証言できるか? いや、そもそもインディアンの証言など、法廷で何の力も持たない。それに――」
 ジェラードは一旦言葉を切った。そして言葉を継ぐべきか、一瞬逡巡した。
「……俺はインディアンが嫌いなんだ」
 瞬間、アンナの表情が凍りついた。
「そんな、でも……だって……」
「面白い男だの、お主は」
 呆然としているアンナに代わって口を挟んだレッドフォックスは、顎を撫でながら低い声で笑った。
「面白い? ……俺のどこが――」
 その時、外から男の太い声が届いた。
「――レッドフォックス、ジョセフです。今戻りました」
「おお、ジョセフか。ご苦労。入っていいぞ」
 静寂を破り、ティピーへ入って来た声の主は、ずんぐりしたユートの男だった。赤く焼けた肌の四角い大きな顔に、優しそうな細い眼が印象的だ。
「兄さん! どうだった?」
 アンナはジョセフに向かって身を乗り出すようにして聞いた。
「まだこの辺りに白人は来ていないようだ。――おお、ジェラード、起きたのか?」
 ジョセフが自分の名を呼んだことに、ジェラードは訝しげに眉をひそめた。
「なぜ俺の名を?」
「アンナから聞いた。俺はジョセフ。白人達はジェントルブルと呼んでいるが」
 腰を下ろしながら差し出された左手に戸惑う。白人式の挨拶だ。右腕の痛みに顔をしかめながらも左手で握り返す。
「妹の命を助けてくれたそうだな。しかも二回も。心から礼を言う」
 ジェラードの傍で膝立ちになっているアンナが、照れ臭そうにほつれ毛をかきあげた。
「いや、どちらも偶然だ。礼を言われるほどのことじゃない。――ところで俺の服を返してくれないか」
 その場にいた誰もが顔をしかめた。
「おいおい、その傷でどこへ行くというのだ。ここで養生しないと……この辺りではわずかな怪我でも命取りになることがある」
 ジョセフの言葉にも、ジェラードは固い表情を崩さない。
「行き先はとりあえずどこでもいい。とにかくここにはいられない、いたくない」
「なぜだ? 俺達は初対面だと思うが。……あ、アンナが何か失礼をしたか?」
「兄さん、なんでそうなるのよっ!」
 アンナがジョセフの肩を叩いて、ふっと空気が軽くなる。
 アンナは悲しげな眼差しでジェラードに迫った。
「そういえば、最初会ったときから変だったな。多くの白人達と同じように……お前も私達が野蛮だと思っているのか?」
「いや、そんなことは……ない……」
 消えそうな声で言葉尻を濁したジェラードに、アンナは思わず身を乗り出した。
「じゃあ、どんな理由なんだ? 嫌なことがあるんだったら、言ってくれ。ジェラードがここにいる間だけでもそれをやめる。たとえどんな大事なことでも。だから、せめて傷が癒えるまでは世話をさせてほしい。頼む、お願いだ」
 真摯な光にあふれる黒い瞳――しばらく見つめ返していたジェラードは、しかし黙って首を振った。
「そいつは………………言えねぇ。言ったところで仕方のないことだ」
「言ってくれなきゃ、わからないよ! お願いだ、言ってくれ! どんな酷いことでも、言われないよりは言ってくれた方が――」
「もうよい、アンナ」
 ジェラードの襟首をつかみかねない勢いのアンナを、レッドフォックスが制した。
「誰しも秘密はある。言いたくないならそれでも構わぬよ。じゃが、その怪我ではこれ以上の旅は無理だ。ろくに馬を走らせることも出来まい。冷静に考えなされ。しばらくここにとどまって養生したほうがよい」
「俺からも頼む。保安官なら心配するな。アンナの命の恩人をむざむざ渡しはせんよ。ここでゆっくりその怪我を治してゆけ」
「……わかった」
 ため息をついたジェラードは、諦めて首を振った。確かに冷静に考えれば、酋長の言う通り、右腕が折れたまま旅を続けるのは無理だ。
「デンバーへ行くのは延期しよう」
「デンバー?」
 ジョセフは怪訝そうに眉根を寄せて笑った。
「おいおい、何を言ってる。デンバーから来たんじゃないのか?」
 今度はジェラードが眉間にしわを寄せる。
「ああん? そっちこそ何を言ってる。俺はデンバーへ行こうとしてだな……」
 アンナも不思議そうに首をかしげた。
「デンバーは、私達が出会ったあの場所からかなり東の方だよ。……あ、西から来たのか?」
「いや、カンザス州だ。……ちょっと待てよ、じゃあ、ここはどこなんだ?」
「ここはロングス・ピーク山の西、ローン台地のユート居留地だ。デンバーならここから東へ……みちのりにして二百マイル位かな。要はこの山々の向こう側だよ」
「げえ、そんなに行き過ぎてたのか」
 落胆して腰を落とすジェラード。アンナは呆れた様子で小首を傾げた。
「ジェラード、お前、ほんとに気づかなかったのか? 信じられないなぁ。……あぁ、これが方向音痴ってやつか。へぇぇぇ、初めて見た」
「アンナ。失礼だぞ」
 ジョセフが掣肘を加える。アンナはぺろっと舌を出して口をつぐんだ。
「ごめん。――さて……と」
 やにわに立ち上がったアンナは、右腕を吊り下げた三角巾の上から新しい柄のケープをまとった。
「おじいちゃん、私、薬を貰ってくる。五日ほど留守にする」
「その腕で無理はよせ。私が行こう」
 立ち上がりかける兄を妹は慌てて制止した。
「ああ、いいからいいから。兄さんはさっきまで斥候に出かけてて疲れているんだから。ビッグオークのバンドまでなら危険も少ないし、右肩だって、もう九分通り治ってる。それに、少しお母さんとも話がしたいし」
「ビッグオークのところへ行くのか?」
 レッドフォックスは驚いた様子を見せた。
「あそこは馬でも丸一日はかかるだろう。何もあんな遠い所へ行かずとも、近くの町か村へ行けば……」
「だめだめ。最近、町では何も売ってくれないよ。ミーカーのあの宣言のせいでね」
「わしらでもか」
「白人達には、スーもユートもナバホも見分けがつかないもの。ましてやここの集落の者だけを特別に覚えてる白人なんていないよ」
 既に状況を達観しているのか、さばさばした表情でこだわりなさげに笑う。
「本当に一人で大丈夫か、アンナ」
「大丈夫だって、兄さん。――それからジェラード、帰って来るまでは安静にしてるんだよ。じゃ、行ってくるから」
 びしっと指で差して、軽くウィンクをする。それから相変わらず不安げな面持ちを崩さない兄の頭を抱き、頬を擦りつけて出て行った。
「さすが若いだけあって、元気なものだの」
 孫娘の後ろ姿が消えると、レッドフォックスはふと呟きを漏らした。
 ジョセフは首を巡らせた。
「どうしました? 急に」
「一晩中つきっきりで看病をした後に、遠駆けじゃぞ。体力ではそんじょそこらの男衆には負けんじゃろう。こりゃ近い将来、ナノ・ユート初めての女酋長が生まれるやもしれん」
「何ですと?」
「何だって?」
 ジョセフと、ぼんやりとやり取りを聞いていたジェラードの驚きの声が重なった。
「じゃあ、あいつ寝てないのか!」
「これはいかん、やはりここは私が……」
「よさぬか」
 腰を浮かせかけたジョセフは、祖父に怪訝な表情を向けた。ナノ・ユートをまとめる老酋長の表情はあくまで優しい。
「アンナはただ薬を貰いに行ったのではない。薬ならここのシャーマンでも作れる。薬は口実。本当は母親に会いに行ったのじゃろうよ。なんぞ重要な相談でもあるのだろう。ま、そういう年頃じゃ」
「はぁ……」
 それでもまだ納得できない様子ジョセフに、レッドフォックスは止めの一言を放った。
「それに、もし保安官殺害の件について聞白人が来た時、アンナはおらん方が都合が良いしな」
「なるほど。そういうことなら……――わかりました。では、私は戻ります」
 渋々立ち上がったジョセフは、自分の寝床へと引き上げていった。
「さて、と」
 続いてジェラードも立ち上がった。多少おぼつかなげな足取りで外へ出ようとする。
「どうなされたジェラード殿?」
 レッドフォックスが心配して腰を上げるのを制して、ジェラードはいつものしまりのない笑みを浮かべた。
「ああ、その、何だ……ちょっともよおしたもんで……」
 それとたばこで一服して、張り詰めた気分を緩めたかった。
「それなら、ここを出て右の方へずっと行くと共同のトイレがある。それを使いなされ」
「何?」
 インディアンの口から飛び出した聞き慣れた言葉に、ジェラードは戸惑った。
「共同トイレって言ったか?」
「うむ。ミーカー殿の命で設置したものでな。畑の肥やしを得るためにも必要なのだ。みんな最初こそ使うことに抵抗があったが、今では使わん者はおらん」
「はぁん……じゃあ、ま、使わせてもらうよ」
 妙に感心納得しながらジェラードはティピーから出ていった。


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