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鍼灸治療院 森の気

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 それぞれの疾患に対する術者の考察

治療室


鍼灸治療院 森の気


千葉県南房総市千倉町川戸238

0470−44ー2999

morinoki.rose@orange.zero.jp



診療時間 9:00〜17:00

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 森の気の電話番号0470−44−2999



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■花粉症
  • 2月になり「嫌な季節がやって来るな」と思っている人はどれほどいるのでしょうか。一説によると日本国民の15%以上が花粉症であるとも言われ、そのほとんどはスギ花粉によるものだとされています。くしゃみは止まらないし、鼻水は流れっぱなしだし、目はかゆいは、夜も眠れないは。死にはしないとはわかっていても、放っておけるような代物ではないですね。

  • 昔に比べると薬の質も上がっているのでしょうか、最近はあまり言われなくなりましたが、抗ヒスタミン剤(花粉症の薬)には眠くなる作用がありました。そのため、服用後の車の運転は控えるようにとの注意書きがありました。そうは言われても、運送屋さんやタクシーの運転手さんを始め、運転を余儀なくされる方はそうも言っていられませんよね。

  • 実は私も重度の花粉症で、その昔は一日一箱ティッシュを使っていたほどでした。鼻の周りは皮がむけ赤くなり、それはみすぼらしい。くしゃみの連発で体は疲労困憊。くしゃみや鼻水、鼻づまりで連夜の睡眠不足。かなりしっかりとマスクをしても花粉は入りこんでくるし、薬を飲めば鼻が乾いてカリカリだし、更に眠気はおそって来るし。20年前の私はこんなでした。

  • 現在はというと、マスクも薬もなしにほとんど無症状です。時に鼻をかむ事、くしゃみをする事もありますが、当時のそれに比べれば数のうちに入りません。何をしているのかというと、スギの葉茶でもヨーグルトでも霊芝でもありません、たった一本の鍼なんです。

  • 使うツボは印堂(いんどう)というツボです。両眉毛の内端を結んだ線の中心部、眉間にあるツボです。このツボに鍼を進めるとズンと重みを感ずるところがあります、ここに鍼をしばらく留めます。時には鍼を刺したまま用事をしている事も珍しくありません。つい忘れて半日そのまま、なんて事もありました。これをシーズン前に何度か、そしてシーズン中に何度か施す事でこの時期をやり過ごす事が出来るんです。

  • 以前我が家の猫が花粉症になった時の事、この印堂に鍼をしたのですがさすがにこれは拒否されました。そこで、背中にある大椎というツボに鍼をしてみました。始めは全く効果を発揮しなかったのですが、3回目、4回目とだんだん効いてきました。一度症状が治まってしまうとその後は何事も無かったかのよう、シーズンを終えるまで無症状で過ごしていました。鍼は人だけではなく動物達にも効くんです、すごいですね。


■メニエル病
  • めまいにはグルグル回るような感覚のものと、フラフラと意識が遠のくようなものがあります。東洋医学では前者のようなめまいを眩(げん)と呼び、後者のようなめまいを暈(うん)と呼びます。しかし、この両者を厳密に分ける事はなく、めまいの事は一般的に眩暈(げんうん)と呼びます。

  • いつもイライラしていて目は充血して赤ら顔、見るからに血圧の高そうなおじさんを想像していただきたい。一方に細身で色白、冷え症でか弱い感じの女性を思い浮かべていただきたい。東洋医学では前者のような体質の人を実証(じっしょう)、後者のような体質の人を虚証(きょしょう)と呼びます。実証のおじさんが起こしそうなめまいはグルグル(眩)、虚証の女性が起こしそうなめまいはフラフラ(暈)って感じがしませんか。目の血走ったおじさんが、目の前が暗くなりフラフラと倒れてしまう姿は想像できないですよね。

  • ここで間違っていただきたくないの事が一つ。いわゆる草食系男子のようなフラフラとしためまいを起こしそうなタイプの人もいますし、赤ら顔の卒中体質の女性もいるという事です。

  • 実証の患者さんには鍼や灸により瀉法を施します。瀉法とは有り余るもの(イライラなど)を取り去る方法です。一方虚証の患者さんには鍼や灸による補法を施します。補法とは足りないもの(気など)を補ってあげる方法の事です。


■耳鳴り ■難聴
  • イメージとして現代医学は万能であり、有効な手段であり。確かにこの世から現代医学が無くなったとしたら、おそらく現在の平均寿命が3分の2あるいはそれ以下にまで下がってしまうかもしれません。しかし、イメージとは裏腹に、身近なものでもこれといった手立てがない疾患も多々あります。

  • 花粉症、喘息、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患、対症療法としての治療法はありますが、根本のアレルギー体質を改善する薬はありません。インフルエンザに対するタミフル、確かにウィルスの増殖を食い止めはしますが、実際ウィルスをやっつけるのは自らの体に備わった免疫系です。インスリンの分泌が悪い膵臓を改善させる薬もありません。

  • 治療方法の上位に漢方薬が出てくる疾患を時々見かけます、これは現代医学にはこれといった治療法がない事を示しています。更年期障害などがそれですね。それとこの耳鳴りや難聴もそういった疾患の典型です。お決まりのようにこういった疾患には、患者さんの弱みにつけ込むようなサイトが氾濫しています。

  • 時に「鍼灸をもってすれば全ての耳鳴りや難聴が治る」と言い切ってしまうサイトもありますが、これは患者さんの弱みにつけ込むサイトと同じレベルの話です。鍼灸は万能ではありません、同じ腰痛でも治る人もあれば治らない人もあります。ここで問題なのは「耳鳴りや難聴が治る」と言い切ってしまう事なのです。

  • 何十年来の耳鳴りや難聴が一度の鍼や灸でピタリと治る、時にはそんな事もあるのでしょうが、ほとんど期待はできません。しかし、現代医学がさじを投げてしまったのならステージを変えるしかありません、東洋医学に頼ってみるのも一つの手です。何十年経過した耳鳴りが、医者がさじを投げた難聴が、それでも時に回復する事もあります。時に鍼灸は術者の想像を超えた効果を発揮する事もあるんです。


■咽頭炎 ■喉頭炎 ■扁桃炎
  • 咽頭に起こった炎症を咽頭炎、喉頭に起こった炎症を喉頭炎、扁桃に起こった炎症を扁桃炎と呼んでいますが、これらはどこに炎症が起こったかだけの違いであり、その原因はほとんど同じです。鍼灸の臨床上においてこれらは区別する事はなく、共に喉の痛みとして処置を施します。

  • 基本は風邪の治療であり、特に頸、肩、背にある風邪に効くツボを用います。そのうえで、これらの炎症に対しての処置を施す事になります。処置には手の陽明大腸経、あるいは手の太陰肺経といわれる経絡のツボを中心に用います。その中でも特に指先や手掌など先端に近い部分のツボを多く使います。

  • 手足の爪のすぐ脇にはそれぞれツボがあり、それらを特に井穴(せいけつ)と呼びます。井穴には得意な効能のあるものがいくつかあり、足の小指にある至陰(しいん)というツボは逆子の治療で有名です。手の親指の爪の脇には少商(しょうしょう)というツボが、手の中指の爪の脇には商陽(しょうよう)というツボがあります。共に上記のような喉周辺の炎症性疾患に用います。


■蓄膿症(副鼻腔炎)
  • 蓄膿症の治療は保存療法と手術療法に分けられます。保存療法の主流は薬物療法で、細菌感染に対する抗生物質と、膿や痰ををうすめ排出を促すとともに、繊毛細胞を活性化させる働きのある去痰剤が用いられます。薬物療法には即効性はなく、何ヶ月の単位で経過を観察しながら治療を進めます。

    一方の手術療法はこれまでの根治手術と内視鏡による手術に分けられます。内視鏡手術の普及により患者さんへの負担は大幅に減少しました。リスクが無いわけではありませんが、内視鏡での手術は入院日数を減らす、両側を一度の手術でできるなどのメリットもあります。しかしながら、手術と名がつくだけでもちょっと腰が引けてしまいます、手術をしないに越した事はありませんからね。

    鼻の中心から眉間を登り前髪の中へ少し入った所、ここに上星(じょうせい)という名のツボがあります。花粉症、鼻づまりはもちろん、この蓄膿症などの鼻の疾患とは切っても切れない関係にあるツボです。これを主として、眉間にある印堂(いんどう)、※上顎洞部にあたる承泣(しょうきゅう)、四白(しはく)、※前頭洞部にあたる陽白(ようはく)、あるいは背部にある大椎(だいつい)などというツボを駆使して蓄膿症の治療にあたります。

    ※副鼻腔炎の副鼻腔とは、上顎洞(じょうがくどう)、前頭洞(ぜんとうどう)、篩骨洞(しこつどう)、蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)という頭蓋骨にある穴の事をいったものです。

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