鍼灸治療院 森の気
千葉県南房総市千倉町川戸238
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診療時間 9:00〜17:00
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■神経症(ノイローゼ)
- 不安神経症(不安障害)、強迫神経症(強迫性障害)、恐怖症、ヒステリー、パニック障害、抑鬱神経症、心気症、胃腸神経症・・・、一口に神経症といっても様々です。あるものに対する絶大な恐怖や不安に支配されてしまい、日常生活に支障をきたしているのが神経症です。その人の性格的要因に環境要因、ストレスなどが関与して発症するとされています。健康な人には恐怖や不安の対象にならないようなものに強い恐怖や不安を感じる、かなり乱暴な言い方なんですがそれって「勘違い」なんです。そうは言っても患者さんにしてみれば放っておけるような代物ではなく、その影響は私生活に支障をきたすほど絶大です。
病院での治療は薬物療法と精神療法(カウンセリング)が中心となります。薬物療法では抗不安薬と睡眠導入剤などが用いられます、しかしこれらの薬はあくまで対症療法であり、神経症そのものの回復にはつながりません。それでは精神療法はというと、今日カウンセリングを受けて明日回復というわけにはいきません、時間がかかるとともに、必ずそれで回復するともかぎりません。では、鍼や灸で神経症が回復するのか。鍼灸師の私が言うのもなんなのですが、答えはNoです。
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- 神経症の発症にはその性格が大きく関与します。鍼をしたから、灸をしたからといって、神経質な性格が急におっとりした性格にはなりませんよね。それでは、東洋医学は神経症に対して全く無力なのかというと、そうでもありません。性格を変える事はできませんが、気持ちを落ち着かせることは可能です。神経症の方の思考回路は主人の意思を無視して暴走しています。神経症の回復に肝心なのはこの暴走を止めてあげる事です。完全に止めるのは無理にしても、ほんの少しでも落ち着いた時間を作ってあげる事です。
鍼灸による効果の一つに鎮静効果があります、まずは乱れた心を落ち着かせてあげる事です。更に、鍼灸治療はその性格上患者さんと共有する時間が長くなります、その間に交わされる会話で患者さんをサポート出来たなら、これはまぎれもないカウンセリング効果以外の何物でもありません。神経症の患者さんは「藁をもつかむ」気持ちでしょう。薬物療法、精神療法だけではなく、第3の選択肢としてそこに東洋医学を加えてみて下さい。
■心身症 ■自律神経失調症
- 心理的要因から発症する肉体的な病変をまとめて心身症と呼んでいます。また、心理的要因から自律神経のバランスが崩れている状況を自律神経失調症と呼んでいます。心身症の症状は、整形外科的なものから呼吸器系、消化器系、婦人科系など様々な分野へと広がっています。胃潰瘍、十二指腸潰瘍、過敏性腸症候群、過呼吸、動悸・・・。臨床上神経症と心身症を分けてここには書きましたが、精神面に大きな障害をもたらしているのが神経症、肉体面に大きな障害をもたらしているのが心身症であり、その根本は同じものだと考えています。
根本は同じでも心身症には肉体的に症状があり、これらに対して鍼灸治療が有効となります。胃の調子が悪ければそれの調整、下痢であれば下痢止め、肩こりであればその軽減など、ある意味病院での治療以上に効果が期待できます。それと同時に、神経症同様の鎮静効果を狙った治療、それにカウンセリング効果も期待できます。神経症以上に心身症は鍼灸の適応度が高いと考えています。
■うつ病
- 東洋医学の大根本には東洋哲学の陰陽論が脈々と息づいています。「暗い、冷たい、低い、静・・・」など消極的なものの象徴として陰が、「明るい、熱い、高い、動・・・」など積極的なものの象徴として陽が用いられます。陰陽は時に対立し、時に統一しバランスを保っています。人体もこの陰陽のバランスにより成り立っており、このバランスの崩れた状態を病気と呼んでいます。
自らは考えたくないと思ったとしても、どうしてもそこから離れれらない、永遠とその事ばかりにこだわってしまう、これが神経症の人の思考回路です。自らの意思を無視して暴走しているようにも見えます。一方うつ病の人の思考回路はというと、悲観的、自責的、絶望的になり、暗く、沈んで、憂鬱となる。神経症の思考回路が陽的なのに対し、うつ病の思考回路は陰的で共に病的です。
神経症や心身症には鍼灸の鎮静作用を期待しましたが、うつ病にはこれとは対照的な興奮作用が期待できます。鍼や灸によって肉体に心に活力を与えます。更に神経症、心身症と同じように、このうつ病にも治療中の術者との会話はカウンセリング効果を生むと考えています。
■不眠症
- 不眠症をここではあえて分類しましたが、実際はうつ病に伴う不眠であったり、神経症に伴う不眠である事がほとんどです。
うつ病に伴う不眠は実際眠っていないので深刻であり、医師による治療を第一と考えます。神経症に伴う不眠の場合、多くは眠っていないと考えているだけで、実際はそれなりの睡眠を取っています。ただし、眠りが浅かったり、何度も起きてしまったりと、睡眠の質が悪いのは事実でしょう。
鍼や灸による治療の後眠くなる、これは決して珍しい話ではありません。治療を受けた人の何人かに一人はこんな訴えをします。治療後だけではなく、治療中に鍼を刺したまま眠ってしまう患者さんも珍しくはありません。こういった作用をうまく利用して不眠の治療とします。その名も失眠(しつみん)というツボがかかとに存在します、このツボは不眠の治療にはあまりにも有名なんです。
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