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鍼灸治療院 森の気

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 それぞれの疾患に対する術者の考察

治療室


鍼灸治療院 森の気


千葉県南房総市千倉町川戸238

0470-44ー2999

morinoki.rose@orange.zero.jp



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休診    日曜 祭日


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 森の気の電話番号0470-44-2999



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◆急性腎炎 慢性腎炎
  • 一言で腎炎と言っても、発生部位や急性、慢性により細かに分類されています。一般的に「何々炎」と言うと細菌への感染症が原因の多くを占め、抗生物質などが治療薬として投与されます。ところが、この腎炎に関してはこの限りではなく、低たんぱく食、減塩、水分制限、安静などが主な治療となります。つまりこれといった医学的治療法が無いといって良いでしょう。

    「現代医学にこれといった治療法が無いというのなら、東洋医学の出番」と言いたいところですが、やはりそれはそれ、共にそれぞれの良いところを取り入れ併用するのが最良と思われます。

    かかと(足底部)の中央に失眠(しつみん)という名のツボがあります。その名の通り不眠症改善のツボとしては有名なのですが、それと共に浮腫(むくみ)改善のツボとしてその力を発揮します。このツボに30、50、時に100回と灸を重ねて、腎炎に伴うむくみ、あるいはそれによる高血圧などを治療をします。

    また、腎臓には足の小陰腎経という経絡(気の通り道)が対応しています。この経絡に所属するツボ、あるいは泌尿器系の疾患にかかわりの深い中曲(ちゅうきょく)というツボなども用いられます。中曲の位置は性器から数センチへその方向へ進んだ所にあります。女性はもちろん、男性でもあまり触られたくない部分ですね。もし、こういったツボを用いるのであれば、やはり充分なインフォームドコンセントが必要になりますね。


◆膀胱炎 尿道炎
  • 腎炎は患部に細菌が直接感染して発症するわけではないのに対して、膀胱炎や尿道炎は直接細菌の感染が、特に大腸菌の感染がその原因となります。特に、性器の構造や尿道の短い女性は膀胱炎を起こしやすい傾向にあります。
  • 内くるぶしから膝に向かって数センチ登ったところに三陰交(さんいんこう)という名のツボがあります。外くるぶしから膝に向かって数センチ登ったところに懸鐘(けんしょう)という名のツボがあります。これらはアキレス腱を挟んで同じ高さにあります。位置は示しませんが、陽池(ようち)と大陵(だいりょう)、内関(ないかん)と外関(がいかん)など、足や腕には内外で対峙する位置にツボが存在する場所がいくつもあります。

  • これら対峙するツボに対し同時に鍼、あるいは灸を施す、これを打ち抜きの鍼、あるいは打ち抜きの灸などと呼びます。膀胱炎や尿道炎に対し前出の三陰交と懸鐘の打ち抜きの鍼や灸を用います。また、腎炎のところにも登場した中曲などのツボも有効なのですが、やはり治療前には腎炎の治療と同じように充分なインフォームドコンセントが必要ですね。

  • そうは書きましたが、腎炎とは違い膀胱炎や尿道炎には抗生物質が有効に作用します。灸や鍼をするよりは、薬での治療の方が現実的ですね。薬を飲んで早ければ3日ほど、1週間もあれば完治するはずです。薬を飲みたくないという人にはその限りではありませんがね。


◆インポテンツ
  • 日本の漢方医学ではではインポテンツの事を陰萎(いんい)と呼び、中医学においては陽委(ようい)と呼びます。陰と陽は両極に位置するもので、全く逆の性質を持っています。日本では陰が萎えると書いてインポテンツを現し、中国では陽が萎えると書いて現しています。どこでこのような食い違いが起こったのでしょうか、理由は定かではありません。

    糖尿病やバセドウ病などの原因疾患があるものはそれらの改善を第一とします。あるいは加齢によるもの、統合失調症などの精神疾患などによるものは鍼灸の適応外となります。精神的、肉体的過労が原因で起こるものが鍼灸の適応となります。

    腰部、仙骨部、下腹部などの患部を意識したツボの利用も一つの方法ですが、鍼灸の適応となるインポテンツは神経症の一つの枝葉とも考えられます。心の安定を第一と考え、肩甲骨間や頭部のツボも併用するのが良い結果を生むと考えます。しかし、近年では有効な治療薬の開発により、鍼灸臨床の場において陰委の患者さんを見掛ける機会は減りました。


前立腺肥大
  • 前立腺肥大は老化によって起こる現象です。前立腺は精液の一部を作り出す機関とされています。つまり、老化と共に必要の薄れる臓器なんですね。お払い箱になった前立腺はその後委縮するか肥大するかの末路をたどります。一昔前までは委縮する傾向が強かったのですが、ここへ来て多くは肥大する傾向が強まっています。肥大した前立腺は尿道を圧迫、これが排尿障害を招くというわけです。

    前立腺肥大という概念はエコーやMRIの無かった一昔前まで存在しませんでした。つまり、東洋医学において前立腺肥大の治療は存在しませんでした。ではどのようにこの病気は捉えられていたのでしょうか。排尿の問題、あるいは尿閉を東洋医学では癃閉(りゅうへい)と呼びます、当時前立腺肥大は癃閉として捉えられていたと考えられます。

    古くから東洋医学においては排尿やそれに伴う機関、あるいは生殖器などは足の太陽膀胱経と足の少陰腎経という経絡(気の通り道)による支配を受けると考えられていました。癃閉に対する治療はこれら2つの経絡に所属するツボ、又は腰臀部や仙骨部、下腹部や下肢部のこれらに関連するツボが用いられます。


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