FF9異聞/シーン10
「ヘップション!」
操縦室は、割れた窓から吹き込む風が冷たい。
肌寒いのは、実際の気温の低さのためだけではあるまいが。
思いながら、バクーがずずっと洟をすすった時だった。
ひやりと、首筋に刃が触れた。
今の今まで、全く気配を感じなかったのにだ。一瞬で周囲の気温がさらに下がったような錯覚に、皮膚がびりびりと痛んだ。
首筋に対して垂直にあてがわれた刃は、ぴたりと止まって震えさえしない。
「……」
背後の気配が、笑いを含んだ声でこう言った。
「よおバクー。オレに何が出来ないって?」
耳に馴染んだ少年の声に、バクーは一瞬険しくなりかけた表情を緩め、へ、と笑った。
「さて、何の話だったか。来るのが遅すぎて、忘れちまったぜ」
「そりゃあ、待たせて悪かった」
音も無く、刃が首筋から離れて、バクーはジタンを振り返った。
「バクー。すまないけど、あの姫を助けるのはやっぱりオレの役目だ」
青い瞳が、きらりと小さく光を持って、真っ直ぐにバクーを射る。さっきまでのぎらぎらした無方向さが嘘のように、その光は一点を見つめていた。
バクーは、眉を上げてその視線を受け止めると、にやりと笑った。
「ふん、言うと思ったぜ。あの姫は、テメエ好みの別嬪だったからなあ。どうせ三文芝居でも期待してやがるんだろ」
「ま、そんなとこかな」
否定しきれない指摘に、ジタンが苦い笑いを浮かべる。
「がはは、とぼけてんじゃねえや。…で?どっちと交代で行く気だ?ブランクか、マーカスか?」
バクーに突き付けていた短剣を、鞘に仕舞わないまま弄びながら、ジタンの口元に刻まれていた笑みがにやりと深くなった。
「両方だ。ブランクもマーカスも置いていく」
それは、1人で2人分の仕事を請け負うと言うことだろうか。
バクーが、呆れたように肩を竦める。
「死ぬ気か?」
「まさか。あのアレクサンドリアのおっさんも連れてく。ありゃ、ここから脱出しようったって言うこと聞くようなタマじゃないぜ。姫を助けに連れてった方が、なんぼかまともに働くさ。ブランクとマーカスが残れば」
言葉を切ったジタンの顔からすっと笑いが消え、真剣な眼差しに変わる。
「こっちが、大分楽になるだろ?」
その言葉に、バクーはふんと鼻を鳴らした。
――見透かしたようなこと言いやがって。
実際、ジタンの言う通りだ。マーカスとブランクを助けに出せば、姫はまず助かるだろう。ただし、こちらの状況は間違いなく厳しくなる。バクーはそう読んでいた。しかし悲観的なことをグダグダ言っても始まらない。目の前にある材料は限られている。最良と思える判断をして、全力を尽くす。どうせそれ以外に出来る事はない。そんなことは子供でもわかる話。
だから、何も言わなかっただけだ。
だが今は、バクーは容赦なく指摘した。
「…だが、これはシーソーだぜ。分かってんだろうな」
片側が上がれば、もう片側が下がる。それが道理。
「しかもさっき一回負けた相手に、その肩で…」
「この」
ぴっ、と、短剣の先を向けられて、バクーは言葉を止めた。
薄暗がりの中でランプの明かりを受けて光る刃は、ジタンの手の中でくるりと翻って、ジタン自身の左肩にとんとあてられた。
「かすり傷がどうしたって?」
笑いを含んだ声。
「同じドジは2度踏まねえよ。次は…」
舞台で鍛えられた快活なそれは、けして大声ではないのに、快いくらい潔く耳に響いた。
「必ず、助ける」
ぴくりとも揺らがない、青い瞳。
バクーは腕を組みなおし、窓へと向き直った。
「…好きにしろ」
その言葉にジタンはにいっと嬉しげな笑みを浮かべる。肩に乗っていた刃が、すたんと鞘におさまった。
そんなジタンを横目で見遣りながら、バクーはからかうように言った。
「次会う時は、アジトでな。迷子になるなよ」
「そっちこそ、もたついてあんまり待たせんなよ」
しらっとした返事に、バクーはその犬面からニタリと牙をむき出した。
「へっ、一度抜けたことのある森で、誰がもたつくかよ」
「へえ」
その台詞に、ジタンが驚いたように声を挙げた。
「道理で、この森のモンスターに詳しいと思ったぜ。なら、こっちの心配は要らねえな」
「心配だあ!?10年早えってんだ、とっとと行っちまえ!」
へへっ、などと笑いながら、ジタンはバクーの蹴りをひょいと避け、階段へと向かう。
その尻尾が階段へと消える前に、バクーは呼びかけた。
「おいジタン、掟は守れよ」
「分かってるよ」
返事の後に続いた軽やかな足音が聞こえなくなると、バクーは呆れたようにふんと鼻で笑った。
「聞いた通りだ。後は、よろしく頼まあ」
その台詞に、操縦室の真上の見張り台へ続く階段から、1人の人物が降りてくる。
「…了解」
短い返答。その人物は、赤い髪の生え際辺りに額当てをぎりっと結わえ直しながら、ジタンが降りていった階段へと姿を消す。
森を睨み、風の気配に耳を凝らしながら、バクーはにたりと笑った。
「全く、調子が戻った途端に、生意気なことをぬかしやがるぜ…」
だが、それでこそいつものあいつだ。
だからこそ、任せられるのだ。
出来ることならいっそ、目の前にいるふざけた尻尾付きの背中を、ばっさりと叩き切ってやりたい。劇場艇プリマビスタの廊下を歩きながら、スタイナーはそんな衝動を懸命に堪えていた。
このジタンとか言う盗賊に対して、言ってやりたい文句は山程ある。
劇場艇の墜落に巻き込んだり、モンスターにさらわれたり、ガーネット姫の御身を立て続けに危険にさらしているのも、事の発端は全て。
――こいつが姫をさらおうなどと企まねば、このようなことにはならなかったのである〜!!
にもかかわらず、この盗賊はスタイナーのところへ来るなり、
「ガーネット姫を助けに行くけど、大人しくするなら連れてってやってもいいぜ」
と、ぬけぬけとのたまったのである。
しかも、
「盗人と共に行動するくらいなら、自分1人で姫を救い出すのである!」
と強固に断ろうとしたスタイナーに対して、
「へえ?おっさん、この暗闇であの化け物の通った跡を見分けられるのかい?森は広いんだ、闇雲に歩き回ったって、救い出す前に姫は御陀仏だぜ」
などとぬかし、挙句の果てには
「今あんたがすべきことはなんだ?大事な姫を見殺しにしてでも、つまらん意地を張ることなのかい?」
と、呆れたように言い放ったのである。
――ええい、そんなことは貴様に言われるまでもなく分かっておる!!
腹が立つのは、困ったことに反論の余地がないからだ。
――こ、これも、姫さまを救い出すまでの辛抱である〜っ!
仕方ない。この盗賊は、自分ならあの化け物の通った跡を見分けることが出来るという。ガーネット姫がさらわれたのはこの盗賊に原因があるのだから、その責任を取ってガーネット姫の救出に協力するのも当たり前なのだ。
スタイナーは、必死に自分にそう言い聞かせて、大剣を抜きたがる手をぎりっと握り締めた。
――この盗人がどれほど役に立つかは分からないが、もし姫さまを助け出すのを邪魔するようなことがあれば、即座に叩き斬ってやるのである!!
そう考えながら、スタイナーはふと、先ほどのモンスターとの戦闘を思い出していた。
この盗人がどれほどの実力を持っているのか。正直、あの戦闘だけでは計りかねた。動きは素早かったし、判断力もあるとは思うが、あっさり『腕は立つ方だ』と評価するのも癪に障る。
しかし、『そこそこの腕だろう』で済ませてしまうわけにもいかない。モンスターとの戦闘の最中、ほんの一瞬ではあったが、この盗賊は常人では考えられない力を発揮したからだ。
しかもその際、この盗賊は全身から赤い光を放っていた。
――以前一度だけ見たことがあるから分かるが…あれは、間違いなく「トランス」だった…。
「トランス」とは、危機に瀕して、通常の数倍の力を発揮する能力のことだ。その能力を持っている者は、アレクサンドリア王国中探して5人もいれば多い方だと言われているほど、ほんの一握りの者しか持っていない能力である。しかも、その能力の持ち主は、通常でも非常に高い戦闘能力を備えている事が多い。
つまりトランスが使える以上、只者だと思わない方がいいと言うことだ。
――いざという時に備えて、この盗人の実力を見極めておく必要があるな…。
スタイナーは目の前でひょろひょろと動く尻尾を睨みながら、一人頷いた。
「おっさん、さっきから何ぶつぶつ言ってんだよ?」
「な、なんでもないのである!」
唐突に振りかえったジタンに、スタイナーは慌てて首を振った。
――こ、この男の前ではけして隙は見せんぞ!
スタイナーは、鎧の下でぎりりと肩を怒らせて身構える。
しかしそんなスタイナーの様子に気付いた様子もなく、ジタンは
「あ、そ。オレはまた、どこか痒いのでも我慢してるのかと思ったよ。その鎧じゃあろくに背中も掻けなさそうなんだもんなあ」
と呟いて、目の前の扉をノックした。
――貴様を叩き斬りたいのを我慢しておるのだ!!
思わず怒鳴りたくなった台詞を、ぐっと飲み込むスタイナー。
――ひ、姫さまを助け出すまでは…っ。
ここに来るまで、何十篇となく繰り返した言葉を、頭の中で唱える。
――自分の今の使命は、一刻も早く姫さまをモンスターの魔の手から助け出し、無事アレクサンドリア城へお連れすること。そのために最善を尽くすのである!
そう、全ては、ガーネット姫のため。
そして、今一刻も早く縁を切りたい盗賊の巣窟で、1人の人物を訪問しているのも、ガーネット姫を助け出すためだった。
傾いた扉を押し開けて入った船室の中。目的の人物は、たった今目が覚めたばかりらしく、ぱちぱちとその大きな瞳をしばたかせた。袖で顔を拭いながら、ベッドの上で訪問者達を見上げる。
その仕草も、スタイナーと比べて身長では半分と少し、体重では4分の1ほどしかない小さな体も、間違いなく幼い子供のそれ。その人物とは、不幸にも劇場艇の墜落に巻き込まれてしまった、ビビという子供だった。
そのあまりのあどけなさに、スタイナーは自分が何だかひどく無情なことをしようとしているような気がしてきて、つい怯んでしまう。
――い、いやこれも、姫さまを助けるためである!
ぶんぶん首を振って躊躇いを振り払おうとしているスタイナー。ところがジタンの方は、何のためらいもなくすたすたとベッドへと歩み寄って、ビビの前でかがみこみ、その金の瞳を覗き込んだ。
「よおビビ、怪我の具合はどうだ?」
「あ、もう動いても全然痛くないから、大丈夫…」
などと会話を交わして、ジタンはあっさりと本題に入る。
「そうか、よかった。あのな、実はおまえに頼みがあるんだ」
「な、何…?」
不思議そうに首を傾げているその人物に、ジタンはにっと笑いかけ、ごくごく軽い口調で、実に単刀直入に切り出した。
「ちょっとさ、オレと一緒に来て、ガーネット姫を助けるのを手伝ってくれないか?」
「ええっ!?」
「貴様には躊躇いと言うものはないのか!?」
まるで散歩にでも誘うようなその言葉に、スタイナーは思わずビビの驚きの声とほぼ同時に叫んでしまう。
すると、ジタンがうるさげにスタイナーを振り返った。
「なんだよ、この話するためにここにきたんだぞ。おっさんだって賛成したじゃねーか、今更何言ってんだよ」
「い、いやしかし!そういうことはもっとこう、真面目な、礼節を持った態度で話を切り出すべきではないのかと言っているのである!!」
確かに、ジタンの言う通り、スタイナー達はビビにガーネット救出のため協力してくれるよう頼みに来たのだ。しかしそれは、無関係の者を戦いに駆り出し、危険にさらすと言うことでもある。「棚の上のものを取ってくれ」と頼むのとは訳が違うのだ。
――なのにその「ちょっと来て」と言うのは一体何だ!
しかし、ジタンはしゃあしゃあと言ってのけた。
「真面目に話してるじゃないか」
「どこがだ!」
「いいからちょっと黙っててくれよ。オレなりの礼節ってもんがあるんだから…それでさ、ビビ、このうるさいおっさんも一緒なんだけど、どう?」
怒鳴るスタイナーに向かって犬でも追い払うように手を振って、ジタンはビビに向き直ってしまう。
――こ、こんな男と行動を共にせねばならんとは〜っ!!
思わず剣の柄に向かって伸びかけた手を懸命に抑えながら、顔を真っ赤にしてぎりぎりと歯軋りする。
――始めから分かっていたことではあるが、やはりこんな盗人を当てにするべきではないのだ!
道案内だけは止むを得ない。だが、モンスターから姫を救出する際には、けしてこの盗賊の手は借りるまい。
――そのためにも、何としてもこのビビ殿の協力を仰ぐ必要がある!
スタイナーは思いながら、ベッドの上にちょこんと腰掛けているビビに向き直った。
しかし当のビビは、怯えたように身を竦め、不安げにその目を瞬かせてジタンを見上げている。
「あ、あの…それって、あのお化けをやっつけに行くってことだよね…」
「ああ」
ジタンが頷くと、ビビの瞳が戸惑うように大きく泳いだ。
無理もないことだろうとスタイナーは思う。さっきあのモンスターに恐ろしい目に遭わされたばかりなのだ。もう一度あのモンスターと対峙せねばならないとなれば、この年端もいかぬ身で恐怖心を抑えこむのは難しかろうと考えたのだ。
しかし、ビビの次の言葉は、スタイナーのそんな考えを裏切るものだった。
「そんな、ボクなんかついていっても、きっと何の役にも立たないよ…」
そんな控えめなビビの言葉に、スタイナーは感動さえ覚えた。「謙遜」の「け」の字も知らないようなこの盗賊とは、何と言う違いだろう。自分の身が危険にさらされることよりも、自分の能力が及ばないかもしれないことを案じているとは。さっきからジタンの傍若無人さにうんざりさせられていた反動でもって、スタイナーの目にはビビの態度が必要以上に好ましく映ったらしい。
スタイナーが感涙していると、ビビが俯いて呟いた。
「さっきも黒魔法ちゃんと使えなかったし…きっと足手まと…」
「そんなことはないのである!」
スタイナーは感極まって、思わずジタンを押しのけて身を乗り出し、その小さな両手を握り締めた。
「先ほどの戦闘でも、ビビ殿の黒魔法はあのモンスターに非常に有効でありました!自分の剣技とビビ殿の黒魔法があれば、きっと姫さまを救い出すことが出来ましょうぞ!」
「え、でも、あの」
がちがちの鎧男に懇願されて、戸惑うビビ。
スタイナーはそんな様子にもお構いなしで言葉を続ける。
「どうかお願いいたす、これも姫さまの、いやアレクサンドリア王国のためと思って、是非ビビ殿のお力をお貸しいただきたい!」
鼻息荒くそう言い募ったところで、ジタンが苦笑交じりに割って入り、おろおろするビビからスタイナーを引き剥がした。
「ったく落ちつけおっさん、礼節はどこいったんだよ」
襟首を掴んでひょいとスタイナーを押しやると、ジタンは再びビビの前に陣取った。
「でもまあ、これだけ当てにされちゃ、応えなかったら男が廃るってもんだぜ、なあビビ?」
「う、うん…」
スタイナーの勢いとジタンの笑顔に押されたように、ビビはか細い声で頷きはしたものの、まだ踏ん切りがつかない様子だ。
ジタンはそんなビビに向かって、再び背後からジタンを押しのけようとしていたスタイナーを指し示して言った。
「怖いことなんかない、いざとなったらこのうるさいおっさんを盾にしちまえばいいのさ」
「え、ええ!?そ、そんなことできないよっ」
そのしゃらっと吐き出された言葉に、ビビはぎょっとしたように首を振り、スタイナーはくわっと歯をむき出してジタンに掴みかかる。
「貴様、人を何だと思っておるのだ!!」
するとジタンは、ちろりとスタイナーを見上げる。
「なんだよ、あんたの大事な『姫さま』を助け出すための、大切な協力者だぜ?そのビビが危ない目に遭っても放っとくってのかい?」
冷たい奴だな、とでも言わんばかりの口調に、スタイナーは思わず掴み上げていた襟首を放し、拳を振り上げて力説する。
「じ、自分はそんな薄情な真似はせん!ご協力いただく以上、この剣にかけて、ビビ殿をお守り申し上げるのである!」
高らかにスタイナーが宣言するのを聞き届けて、ジタンはビビへ「ほらな」とばかりに視線を投げかけた。
そして、いっそ楽しげにさえ見えるような笑顔で、ビビに語りかける。
「今ごろ、お姫さまがおまえを待ってる。早く、助けてやろうぜ」
自分を見上げる、金の瞳をまっすぐに受け止めて、
「行こう、ビビ。オレがついてるから」
ジタンは、ぱちんと片目をつぶってみせた。
ビビが一瞬、ぱっと瞳を見開いた。そのまましばし、ぽかんとしたようにジタンを見つめている。
そんなビビを、ジタンも優しく見つめていた。
――な、何なのであろう???この空気は…。
スタイナーは、二人の間に交わされる視線の意味を知らない。ただ、何となく割りこみがたい雰囲気を感じて、仕方なく大人しくビビの応えを待つ。
やがてビビは、それまで怯えるように竦めていた肩をゆっくりと解き、手袋の両手をきりっと握り締めて、ベッドから立ちあがった。
「…うん。頑張ってみる」
「よし!」
ジタンは大きく頷くと、扉に向かって歩き始めた。
スタイナーは、しばし取り残されたような気分に呆然とその光景を眺めていた。しかしジタンの後を追うビビを見てはっと我に返り、慌てて深く頭を下げる。
「ビビ殿、ご協力深く感謝する」
するとビビは、ふるふると首を振り、ためらいがちな声で言った。
「ボク、足手まといにならないよう頑張るよ。よろしくね、おじちゃん」
スタイナーは再び感涙する。
何しろ今晩は、城で巡回を行っていた時からこれまでずっと、腹の立つことだらけだったのである。ここへ来てようやく世の中も捨てたものではないと思える人物に出会うことが出来た。
――あの盗人を見捨てる羽目に陥っても、決してビビ殿だけは犠牲にすまい!
己の腹の高さでひょこひょこ揺れるとんがり帽子を見ながら、スタイナーは「姫さまを救う」と言う使命に迫るほどの優先順位で、固く心に誓ったのであった。
――さて、これでプリマビスタも見納めだろうな…。
あらかじめ用意してあった装備をスタイナーと手分けして持ち、3人で出口に向かいながら歩く廊下。
煤けた壁、ゆがんだ柱。廊下の天井を走る伝声管は、大半が折れるか歪むかして、もうその役目を果たさなくなっている。感傷にふけるには、ひどい有様だ。
しかし、数年の付き合いのある船だ。すっかり変わり果てた様子でも、慣れ親しんだ景色に愛着はある。プリマビスタがもう飛べないことに対して、残念な気持ちも気の毒に思う気持ちもある。
この劇場艇とまさかこんな形で別れることになろうとは全く考えなかった。
と言いたいところだったが、実はそうでもない。何しろ、持ち主がこんな堅気じゃない団体なものだから。
盗賊団タンタラス、これまで危ない橋はいくらも渡ってきた連中だ。今のような状況に陥るなんてのはいつものこと。
――そりゃ正直、いつもよりちょっとばかりヤバげではあるけどね。
でもまあ、大した事じゃない。この船だって、劇場艇としての本来の役目でないところでも、いろいろ活躍してきた船である。いつかはこんなこともあるかもしれないとは思っていた。
おかげで、この船では緊急時用の装備に事欠かない。火事で焼けてしまったものもあるが、主に炎上したのは舞台の周辺だから、犠牲になったのは多くが舞台装置や衣装などだ。
『心配だあ!?10年早え』
――まったくだ。
これはいつものことなのだから。苦笑混じりにジタンは思う。
だから今は、自分のやりたいことをまっすぐ見つめればいい。何が何でもやりたいことがあるなら。
『やりたいことがあるのだ』と主張して、納得させればいい。
考えながら歩いていたジタンは、外へと通じる扉が目に入ると、ぴたりと立ち止まった。後ろについてきていたビビとスタイナーを振りかえり、仕草だけで声を立てないようにと合図する。
「2人とも、しばらくここで待っててくれ」
低く囁くと、ビビの方は不思議そうにしながらもすぐに頷いてくれた。しかし、スタイナーの方は何やら気に食わない様子で言い募ろうする。
その大口をさっと右手でふさぐ。
「頼む、ちょっとだけだからよ」
ジタンの口から自分に対して「頼む」なんて言葉が出てくるとは思わなかったのだろう。スタイナーが、ギョッと目を剥いた。そうしてしばし阿呆のようにジタンを見つめていたが、やがて無言で頷く。納得した訳ではないようだが、とりあえず様子を見る事にしたのだろう。
2人をその場に残し、荷物を静かに床に置くと、ジタンは扉へ向かって歩み寄った。墜落の衝撃でたわんだ床が、ぎしぎしと音を立てる。
扉の前に立つとジタンは、手袋のカフスをきっちりとはめ直し、そっと右手を短剣の柄にかける。そして、立ち位置を定め、一つ深呼吸をすると、左手でドアノブを軽く握り締めた。
素早くドアノブを捻り、さっと引き開けた瞬間。
ひゅんと風を切って、扉の向こうから鉄剣の一閃がジタンに襲いかかった。
体勢を整えていたジタンは、万全の構えでその鉄剣を受け止める。
「ぬ!?な、何事であるか」
廊下に響いた金属音に、離れたところで待っていたスタイナーが思わず身構え、ビビはジタンに襲いかかった人物を見とめて驚きの声を上げる。
赤い髪、縫い目の傷跡の顔、額当てをした人物。
「ブ、ブランクのお兄ちゃん!?」
昼間の会議室での奇襲とほぼ同じ体勢で打ち合ったジタンとブランクだったが、今度は二人の動きは止まらなかった。
一瞬、額当ての下で光る眼と青く輝く眼が睨み合った。金属音が消えない内に、ジタンは後方へ飛びのき、ブランクは扉から廊下の中央へと走り込む。そして、同時に体勢を整え直すや、すぐさま2合目を打ち合った。続けざまに3合目、4合目の剣戟が鳴り響き、薄暗い廊下で青白い火花が散る。
1合目を聞いた瞬間に思わず大剣に手をかけたスタイナーであるが、2人のあまりの素早さに割りこむ余地を見出せずに傍観している。
――あ、あの男は盗人の仲間だったはずだが…一体どう言うことだ?
どの一撃も急所に狙いを定めた位置、充分に体重の乗った音。互いに互いの隙を的確についている。にもかかわらず、けして防御にも気を抜かない。打ち払い、身をかわしてすぐさま次の攻撃に臨む。
けして馴れ合いのそれではない戦いだった。
ビビはと言えば、突然目の前で始まった戦いに呆気に取られながらも、響く剣戟の音に聞き覚えがあることに気がついていた。
――これ…お芝居の立ちまわりの時と同じ音だ…!
これから魔の森へ出ようというこの時に、芝居用の武器など持ち歩いているわけもない。今2人が使っているのは、間違いなく本物だ。パックは「本身の刃のような音だ」と言っていたが、「ような」どころかこの2人はまさしく本身の刃で立ちまわりを行っていたのだ。
しばらくは激しく打ち合いながらもほぼ膠着状態だったが、やがて変化が訪れた。ジタンが大きく振りかぶった一撃を避けられて、空振りで大きく体勢を崩したのだ。そこを逃さず、ブランクがジタンの左足をさっと薙ぎ払う。
ジタンはがくりと体を崩し、反射的に左腕を床についた。
「ってぇ!!」
その衝撃が肩の傷に障ったのか、ジタンがうめいた。
その声に、ビビがびくりと身を竦める。
そこへ、ブランクの鉄剣が容赦なく振り降ろされた。
体勢が悪い。受けきれない。
「ジタ…っ!!」
ビビは思わず目を覆った。
しかし、予感した斬撃の音は、いつまでたっても聞こえてこなかった。
しんと静まり返った周囲に、ビビは恐る恐る目を開ける。
ブランクの刃は、ジタンの額の真中に命中する直前で止まっていた。
「ちっ…」
「へへ…」
舌打ちしたのは、ブランク。にやりといたずらっぽく笑ったのは、ジタン。
「ったく、また引き分けかよ」
そうぼやいて、ブランクはジタンの短剣を忌々しげに睨んだ。
その切っ先は、ブランクの心臓をえぐれる位置にぴたりとあてがわれていた。
そして、2人は同時に剣を引く。
「あーあ、踏み込みがもうちょっと甘けりゃオレの勝ちだったんだけどなあ」
ジタンは笑いながら、ひらひらと左手を振ってみせた。たった今激痛にうめいた様子は、既に微塵もない。
ブランクは苦い顔をして、額当ての下からそんなジタンの様子をじろりと睨む。
「ったく、完全に騙された。体勢崩したところから演技だったな?」
「その通り」
ジタンのやに下がった顔に、ブランクは一つため息をついた。
「ちょっとの間に、随分頭冷えたみてえじゃねえか」
その言葉に、ジタンはついさっきまでの自分の取り乱し様を思い出したのか、ばつ悪げにこめかみの辺りを掻いた。
「まあ、おかげさんで。どうしてもやりたいことを見つけちまってね」
ブランクは、じっとジタンを見据えて言う。
「そりゃ、あの姫のことか?」
「ん、まあな」
そんなあいまいな答えに、ブランクは鋭く切り込む。
「気になるのは、ちょっと前までのおまえに、似てるからか」
ぴたりと、ジタンの顔から表情が消える。
「バクーが言ってたぜ。目つきが特にそっくりだって」
「…参ったね…」
ジタンは呟いた。
――『別嬪だったからなあ』なんて、とぼけてやがったのか。
ガーネット姫とバクーがまともに会話したのは、幕間演奏の間のほんの数分だけだったというのに。その短時間で、勘付いたと言うことだ。
自覚したのは、ほんのついさっきだったというのに。
「こっちが見透かしたつもりでも、敵わねえんだもんなあ」
「永久に敵いやしねえさ、最強のぬらりひょんなんだから」
ブランクの台詞に、ジタンは「全くだ」とばかり、肩を竦めた。
「ま、ともあれ、受け取れ」
ブランクはそう言って、丸めた羊皮紙をジタンへと投げ渡した。
「今回は、名演技に免じて譲ってやる」
見るとそれは、ジタンが先ほどバクーから見せられた、大陸地図だった。ブランクが、姫救出を命じられた際にバクーから授けられたものだ。それをジタンが受け取ることは、正式にブランクからジタンへと、姫救出の役目が移った証でもあった。
『掟は守れよ』とは、こういうことだった。自分のやりたいことがあるなら、周りを納得させろ。方法は、説得でも賭けでも何でもいい。それが出来れば、タンタラスはけしてそれを邪魔しない。それはむしろ掟と言うより、当然の礼儀と呼ぶべきものかもしれなかった。
この場合の方法は、証明だ。自分に、姫を助け出すだけの力量があると言うことの。
そんなやりとりもまた、タンタラスではいつものことだった。
ブランクは、地図を握り締めているジタンを見据えて、低く言った。
「ジタン。きっちり、助けてやれよ」
「…ああ」
頷いて、ジタンはそれを懐へとしまいこんだ。
そこへ、ブランクが右の方へと視線を走らせて呟く。
「しっかし…」
その怪訝な口調に、ジタンはその視線の先を追う。
「ん?何だ?」
「いや…おっさんはともかく、あのガキまで連れてくとは思わなかったな」
「ああ、ビビのことか」
ブランクの視線の先では、戸惑いつつもジタンを待っているビビとスタイナーがいる。一応2人の様子から、何となく事情は察したようではある。しかし、ビビの方はまだ不安げに両手をもみ合わせて、ジタンとブランクを見つめていた。
「いくら黒魔法が使えるったって、ありゃあ…」
その頼りない仕草に、思わず心配げに呟くブランク。
ジタンは、そんなビビへと笑いかけてやる。
その笑顔を見て、ビビはやっとほっとしたように、両手を落ちつけた。
その瞬間ジタンの顔を照れくさそうな微笑みが過って、ブランクは目を見張った。
――こいつがこんなカオするなんて、珍しい…。
その笑顔からは、普段ジタンがいつでもその目にたたえている、人をおちょくるような茶目っ気も、何かいたずらでも企んでいそうな毒気も、すっぽりと抜け落ちていた。
ブランクが訝しげに凝視しているのにも気付かぬまま、ジタンは低い声で呟いた。
「あいつが持ってるのは、黒魔法だけじゃない。…もっと面白いタネも持ってる」
「…『タネ』?」
「ま、何が生えるかはお楽しみってとこだけどな…それに」
にやりと、ジタンの顔にいつもどおりのからかうような笑みが浮かんで、ブランクは怪訝に眉をひそめる。
「あいつを『あんな様子』のままで放っとくのは、おまえだって嫌なんだろ?」
「…刺すぞ」
「待った待った」
ぎらりと鉄剣を向けられて、ジタンは慌てて両手を挙げた。
「ま、やりたいことは山程あるし…そろそろ行くわ」
ジタンは言いながら、剥き身のままにしていた短剣をひょいと掲げてみせた。
ガーネット姫を助けに、行く。
タンタラス本隊とは、完全に別行動になると言うことだ。ここで別れれば、魔の森を抜けるまで、互いの生死はほぼ分からない。
それでも、ジタンはあくまで明るい語調を崩さない。
長い付き合いだ。ジタンの性質をよく知っているブランクは、その笑顔の意味もよく分かっていた。
「…ああ。行って来い」
短く呟いて、ジタンが掲げた短剣に、己の鉄剣を軽くぶつけた。
二つの刃が、すたんと軽い音を立てて鞘に収まる。
「じゃ、次会う時は、アジトでな」
ジタンは、自分がバクーに言われたのと全く同じ台詞を、全く同じ調子でブランクに告げる。
そうしてジタンは、ビビとスタイナーを連れ、プリマビスタを出ていった。
自分がやりたいことを、成し遂げるために。
ジタン達の後姿が見えなくなって、ややの間があってから。
見送っていたブランクに、二つの話し声が近づいてきた。
「連れてくって言わないからもしかしてと思ってたずらが、やっぱりボスの奴、端っからあのおっさんを連れてく気なかったんずらね〜」
「まあ、適材適所って奴っスよ」
「マーカス、おまえはそれでいいんズラか?」
「ブランクの兄貴が勝てなかったのに、自分に勝てるわけないっスよ。それに、あんまり真面目に当て馬役やるのも性に合わないっスから」
「ったく、つまらん奴ずらね〜」
そんなことを話しながら、廊下の向こうからやってくるマーカスとシナに、ブランクは声をかけた。
「シナ。賭けの方はどうすんだ?」
「次に持ち越しに決まってるずら!皆散り散りで払い戻せないし、こんなんじゃ掛け金総取りもできんずらよ」
賭けの胴元を請け負っているシナは不満そうである。預かっている掛け金がいつまでたっても片付かないためだ。
「でもあっさり勝負がついたらついたで、シナさん『つまらん』って怒るじゃないっスか」
「世の中ホドホドってものがあるずらっ!」
ぼやきながら、シナはすたすた壁に近寄り、生き残っていた伝声管のふたをあけた。
ぶっきらぼうな声で、その向こうにいる者を呼ぶ。
「あ、楽団の連中、そこに揃ってるずら?今すぐ演奏を頼みたいんずらよ」
「ええっ!?演奏なんかしたら、モンスター達の注意を引いちまうんじゃねえのかい!?」
楽団員が上げたそんな驚きの声が、不明瞭ながら聞こえてくる。
そんな言葉に、シナは髭面に心底うんざりしたような表情を浮かべてぼやく。
「引くんずら。指揮は代理でもいいずらよ」
途端に、伝声管の向こうで何やら喚く声がした。
その声を聞いて、シナはあからさまに顔をしかめた。
「は?アンタ指揮棒振る気ずらか?モンスターを呼ぶんずらよ?ただでさえ大怪我人なんだから、止めといた方が…ああ分かった分かった勝手にしろずら。皆、演奏準備の方頼むずら、そのわがままな爺も据え忘れない方が身の為ずらよ」
いかにも面倒くさそうに、シナはとっとと指示を切り上げて戻ってくる。
「ほれ、マーカスもブランクもそんなところに突っ立ってないで早くバリケード作りに行くずらよ」
ブランクはくつくつと笑いながら、そんなシナをたしなめるように言う。
「まあ、そんな苛立つな。ボスの派手好きは今に始まったことじゃねえだろ」
「んなことは百も承知ずらっ。ったく、どいつもこいつもジタンに甘いんずら〜!!」
とんかちを振りまわして喚くシナ。
それを見てマーカスがぼそりと感想を漏らす。
「そう言いながら、シナさん結局ボスに逆らわないんスよねぇ」
「なんか言ったずらか、マーカスっ!」
じろりと睨まれて、マーカスは知らんふりを決め込んだ。
シナが愚痴っぽいのはいつものことだ。
そして、バクーから酔狂としか言い様のない命令が下るのも。一応バクーは普段、常に的確な指示を下し、団員の信頼を勝ち得ている優秀なボスである、はず、なのだが。たまにあのすっとぼけた性格は、実は先天性のものなのではないのかと疑いたくなるくらいだ。
しかし、団員は誰もそれに逆らう気にはならない。これくらい、鼻歌混じりで成し遂げられないような柔な連中ではないのだ。その上仲間の出立を景気付ける為なんてことなら、反対する理由も無い。
全部ひっくるめて、これがタンタラスでは、いつものこと、なのだ。
そして、ジタン達が、ガーネット姫をさらったモンスターが逃げた崖に辿りつき、いざ降り始めようとした丁度その時だった。
プリマビスタの方角から、高らかにファンファーレが鳴り響いたのは。
「な、何事であるか!?」
スタイナーがぎょっとプリマビスタの方を振り向いた。
それとほぼ同時に、殺気をたたえて周辺に潜んでいた気配がいくつか、プリマビスタへ向けて走り出していくのを、ジタンは読み取っていた。
「……」
「い、一体貴様の仲間たちは何を考えているのだ!?」
詰め寄るスタイナーに、ジタンは事も無げに答える。
「いつものこと、さ。派手好きな仲間達なんでね。折角だからおっさんも少し口閉じて聞いとけよ」
さっぱり分からないという顔をするスタイナー。
ビビも、この鬱蒼とした森には不似合いなほどに景気のよい行進曲を、不思議そうな顔をして聞いている。その意味は分かっていないようだが、その異様さに漠然と不安を感じるのか、小さな声で呟いた。
「ブランクのお兄ちゃん達…大丈夫かなあ」
ジタンは、ビビの頭を軽く撫でて言い聞かせる。
「大丈夫さ。あいつら殺したって死なないような奴ばっかなんだから。さ、この曲が終わらない内に、この崖を降りちまおうぜ」
その台詞に、ビビは首を傾げる。
「曲が終わらない内に…?」
「そう。曲が終わらない内に」
ジタンは頷く。
それは、崖を降りるときがどうしても一番無防備になってしまうからだ。特に、口も鎧もガチャガチャとうるさいスタイナーは、やや不安材料だった。
プリマビスタに残った連中が、少しでもモンスターの注意を引きつけている内に、降りてしまわなくては。
ジタンは、2人をせかして縄を伝い、崖を降り始めた。
――行進曲、ね…。
ジタンは、内心で笑いをかみ殺した。
こんな風にプリマビスタと別れる事になるとは思わなかった、とは言わない。そしてまた、こんな風に仲間達から離れることになるとは思わなかった、とも、実は言えないのだ。
それと言うのも、これが初めてではないからだ。実は前に一度、どうしてもやりたいことがあって、こっそりと団を離れたことがある。
『こそこそ出てくから、こそこそ戻ってくる羽目になる!出てく時は、堂々と胸張って出てけ、そしたら行進曲着きで見送ってやらあ』
拳骨付きでそんなことを言われたその時、自分は「恥ずかしいから止めてくれ」とでも答えたのだったか。だからいつか、自分がまたこうしてやりたいことを見つけて、団から離れることもあるだろうとは思っていた。
――しかし、まさか本当に演奏付きの出立になるとは、流石に思わなかったけど。
でもまあ、タンタラスではこれが「いつものこと」だ。これが、ジタンがこれまで共にプリマビスタに乗り、行動し、危機を切りぬけて来た仲間達だ。
だからジタンは、仲間達の無事を疑うことなど、思いつきもしなかった。
こめんと
スタイナーは、やっぱベアトリクスとの絡みの時が一番楽しく書けます。ジタン相手だと怒ってばっかりでつまんない(笑)
タンタラス大好きです。ブランクは求婚したいくらい愛してます。かっこいいよおおおおお〜……ぱた(悩殺)。でも、かっこよく書くって、難しいね(遺言)
ところで。
小説書いててですね、気になるのですよ、身長体重。見上げた時のあごの角度とか、担いで運ばなきゃならない時の重さとかって、実感が無いと書きづらいのです。そこで、年齢による平均や、設定、自分の希望も含めて、山月は以下のような想定で話書いてます。体重の方は、FF9の世界の重力がこっちと同じなのかよという突っ込みもあるんですけどねえ。
ジタンは、167cm57kgってとこかな。成長期で一番ばらつく年頃なんで、かなり山月的希望が入ってます。筋肉はちゃんとあるほうがいいので、そこそこの体重、のつもり。
ビビは、120cm18kgくらい。大体9歳の平均で。山月は思わず10kgの米抱いて感触を確かめました(笑)
お姫158cm48kgくらいかな。50kg越しててもおかしくないと思う、グラマラスな体型してるし。
スタイナーは180cm85kg、鎧込みで130kgくらいか?
フライヤ185cm体重は…60kg…かなあ…?分かりにくいなー。
クイナ。175cm100kg。あの体型にむっちりお肉が詰まってるにしちゃあ軽い。でもあれでクイナ身軽なんだもんなあ。風船?ちなみに、脂肪は筋肉より密度が低くて軽いんだそうな。
エーコは105cmの14kgくらいが希望。ちと小さすぎかしら。
サラマンダー200cm95kgで。シュワルツネッガーと同じ位。
え?山月の身長体重?聞いちゃいけませんよそんなこと(聞いてねえよ誰も)ちなみにヒントとしては、山月は間食を躊躇わない性質で、ちょっとキリがよい数字だったりします(だから誰も聞いてねえっつの)