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カイチョウの夏2006

名古屋〜京都ライブ観覧の旅

2006年7月11日
通りすがりに選り好む。



今日は移動の日。

まずは東海道本線快速で名古屋から大垣へ。
電車は途中、岐阜に停車して、そこから各駅になった。


   ●


岐阜。

晶くんの世界を育くんだ土地。

なるほど。
この見慣れない風景のあちらこちらに晶くんが持つ記憶の風景が
・・・・・
車内からでは分かるはずもない。
実際うろついてもきっと良く分からないだろう。

どんなに眺めてみてもきっと一生理解できないのだ。
自分の持つ風景が人には大した意味をなさないように。

悲しいことじゃない。

まあちょっぴり寂しいことではあるけれど。

晶くんの風景を理解できないことや、それを共有できないことは、
自分にとって、晶くんが謎に満ちた存在である証なのだ。
それは開かずの扉の隙間からこぼれてくる「光」のようなもの。
謎なら謎のままでいい。

今はただの通りすがり。
この眺めを静かに焼き付ける。


   ●


さて、東海道本線快速は大垣駅に到着。東海道本線に乗換える。
米原行きの電車はどれだろう? 
そろそろ発車時刻のはずだが該当する電車が見当たらない。

『青い矢印にそってお進みください』

良く見ると足元に大きな青い矢印がいくつも書かれてあって、
事務所の建物があって見えない奥の方へと続いている。

・・・あれか?!

発車ベルが鳴り出した。


実況: 「いきなり全速力らしき勢いで走り始めました! ものすごい形相になってますが大丈夫なんでしょうか?」

解説: 「あぁ〜これはピンチに動揺したまま突進してますねぇ! 非常に危険ですよ! 生粋の文化部出身で、日頃全く運動しませんからね。おまけに旅慣れてないもんだから荷物がね! 無駄に多いんですよ!」

実況: 「あ〜っと! 荷物に引っ掛かって足がもつれた!! 立て直そうとするが上手く行かない! そのまま転がり込んでいく!・・・・・・セ〜〜〜フ!!!」

(発車する電車を見送るふたり)

実況: 「車中で呼吸困難になっているようですが、非常に安堵した表情を見せています。いやぁ〜危ないところでしたねえ〜。」

解説: 「そうですねえ〜今回は経験豊富な職員の判断で救われましたね! なにしろ発車ベルはとっくに鳴り終わってましたから・・・」


知らない路線の乗換えは実にスリリングだ。
駅員さん、車掌さん、有難う。駆け込み乗車をおゆるしください。
というかあんな足元の青い矢印だけじゃ良く分からん。
もっと分かりやすい表示を希望する。


つづいて米原で新快速電車、姫路行きに乗り換え。
ホーム向かい側だったのですんなりと。拍子抜け。
あとは京都までこれ一本。居眠りしそう・・・


   ●


名古屋駅を出てから2時間15分。ようやく京都駅に到着。

改札を抜けると、ナゴヤよりさらに暑苦しい空気がどっと押し寄せてきた。
あっという間に物体Xと化す。
いや、これは荷物が重すぎるのだ・・・宿で預かってもらおう。
宿は閑静な住宅街の中。気の利いた主人がすぐチェックインさせてくれた。
アイスコーヒーと自家製プリンを頂いて、やっと人間に戻れた。

通された部屋にはベッドが4つ。

・・・・・

・・・・・

多過ぎる・・・

効き過ぎるエアコンを切って窓を開けた。
程良くぬるんだ空気に触れる。外は夕暮れ。

ちょっとそこまで散歩に出かけた。すぐに汗ばむ・・・やはり蒸し暑い。
駅前から続く大きな道路には車がひっきりなしに行き交っている。
飲食店やコンビニ以外はもうシャッターが降りていた。とても駅前とは思えない静けさだ。

心地良い。

水路をゆったり泳ぐ緋鯉。良く見れば周囲には黒っぽい魚がうじゃうじゃいる。
路地に入ると、蓮はすでに眠りについていた。
カサブランカは咲きかけていた。いくつもいくつも。

街灯の光がそろそろ目に着くようになってきた。
散歩は終わりだ。

戻った部屋にはベッドが4つ・・・

・・・・・

・・・・・

やっぱり多過ぎる・・・




つづく。
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