ディストリビューター故障
2001年1月24、25日の出張で群馬県伊勢崎市に行ったときのことでした。
前日(1/24)は朝からぶっとおしで翌朝まで仕事をしていたんで宿に泊まることもできず、
助手席のESシートをフルフラットにしてジャパンの中で休んでいました。
お客さんには「翌日は午後に来ます」といってあったので、
ジャパンで寝たり24hの本屋で立ち読みして時間をつぶしていました。
ちょっと移動しようとしたら朝の通勤渋滞にズッポリはまってしまいました。
「時間はあるからいいか」と思っていたら
ビビビビビッ!
何やら変な音がしてアイドリングが不調になりエンストしちゃいました。
ドキッとしましたがセルを回すとちゃんとかかります。
でも、しばらくするとまたエンスト・・・・。
「まずいな」 去年のオーバーヒート事件が頭をよぎります。
「関越道方面はMAX3号には鬼門か?」
などと思いながらとりあえずお客さんの会社へ向かいました。
途中の打ちっぱなしゴルフ練習場の駐車場に何とか停めて点検です。
この時にはすでにアイドリングしなくなっていてアクセルから足を離せません。
ボンネットを開けて注意して音を聞いていると、どうやらデスビのあたりから音がするようです。
デスビキャップを外してセルを回しながらローターを点検するとガタがあるようです。
「これか?」
ちょっと悩みましたがデスビを外してみました。
(点火時期がおかしくならないように位置関係を記録しないとエンジンかからないぞ)
っとエンジン側のデスビシャフトの位置の記録をしてから、デスビを外しました。
「エンジン側のシャフトじゃないだろうな?」とセルを回して(!)チェックしましたが、
こちらは大丈夫なようです。
外したデスビを点検してみると「シャフトがガタついている!」
こんなところじゃデスビなんて手に入るハズもなく、途方に暮れかけた時です。
「一緒に帰ろうよ。」
どこからともなく声がした気がしました。
「よし!やるぞ!」
次の瞬間デスビを分解しはじめていました。
点火時期固定のためにデスビについているボルトを外していると
ボキ! いやな手ごたえと共にボルトがぽっきりいってました。
それでも「何とかなる!」自分に言い聞かせながら分解を進めます。
パキッ!今度はシャフト先端のエンジン側シャフトと連結する部分の樹脂が割れてしまいました。
「クソッ!」一瞬断念しそうになりながらも分解は続きます。
分解しきってから点検するとデスビシャフトが潤滑不足でガタが出てしまったようでした。
ガタのせいで点火時期がバタついてエンストするのでした。
バラんバラんになったデスビです。
エンジンオイル点検用のレベルゲージを抜いてシャフトにオイルをポタポタたらしてから
シャフトを回してみるとスムーズに回ります。
「よし!何とかなりそうだ」
バラしたデスビを組み立てました。
デスビシャフトがちゃんと回ればいいんで、割れた樹脂部分はそのままで組みました。
折れたボルトは点火時期さえ狂わなければいいので、束線バンドでがっちり締めました。
点火時期が元の通りになるようにプレート部分の汚れを目印にして組みます。
何とか組みあがったデスビ。
折れたボルト穴の反対側からネジをねじ込んで束線バンドで締め上げました。
シャフト先端の樹脂も割れたままです。
デスビシャフトは分解前とは全く違ってスムーズに回ります。
「よし!これならイケるぞ!」
早速エンジンに組み込もうとした時です。
!!!シャフトの位置が変わっている!!!
そうです、エンジン側シャフト点検でセルを回してしまっていたんです。
ここでも「何とかしてやるぞ」とセルを少しずつ回しました。
第1ピストンの上死点を出すためです。
フロントプーリーに刻まれた点火時期マークの0度が指針に合うように何度も何度も繰り返します。
「27番のレンチなんて持ってきてないし一人でやるのはしんどいな」
と思いながらも何とか上死点が出せました。
(でもこのやり方って圧縮上死点か給排気時の上死点かはわからないかも)
次にデスビ側シャフトの位置を調整します。
1番上死点だからデスビロータがプラグコード1番に向くようにすればOKなハズ?
そうしてデスビをエンジンに組み込みました。
デスビキャップと点火コードはエンジン側に付けたままだったので、
デスビにカチンって留めるだけです。
ドキドキしながらシュタタタタッ!とリダクションセルを回すと・・・。
ぐわおおん!
エンジンは快調にファストアイドルしています。
暖機が進んで通常のアイドリング回転まで下がってもエンストする気配は全くありません。
「ふう〜、何とかなったな」
喫煙者なら一服つくところなのでしょうが
私は吸わないので、眠気覚ましの缶コーヒーでした。
「さて行くか」
すでにお客さんのところへ行く時間になっていました。
仕事が終って自宅までの150kmあまりの道のりも問題なくMAX3号は走りました。
「一緒に帰れるね」
また声が聞こえた気がしました。
おしまい。