論理哲学論考 1-7 6.1-6.5
      
6.2 数学はひとつの論理的方法だ。
数学の文一般は等式であり、したがって、見かけの文だ。
6.21 数学の文は何の思考も表現しはしない。 〔6.211
6.22 論理の文全般がトートロジーの形をとって示す世界の論理を、数学は等式全般で示す。
6.23 ふたつの表現が等号で結びつけれらるとき、それは、それらが互いに置換可能なことを意味する。だが、それが成り立つかどうかは、両表現そのものに自ずと顕現するはずだ。
ふたつの表現が互いに置換可能なことは、それらの論理的形式を特徴づける。 〔6.231-6.234
6.24 当の諸等式を得るための数学の方法は、代入法だ。
というのは、等式全般はふたつの表現の置換可能性を表現しており、我々は幾つかの等式から、それらに随って諸表現を別の諸表現に置き換えることで、新たな諸等式へと進むからだ。 〔6.241