論理哲学論考 1-7 5.1-5.6 5.61-5.64
      
5.64 ここで、ひとは、独我論は厳密に貫徹されれば純粋な実在論に一致することを見て取る。独我論の自我は広がりのない点にまで縮み、それと並べられていた実在が残る。
5.641 だから、実際、その意味では哲学で自我が非心理学的に話題にされ得るような、そんな意味は存在する。
自我は「世界は私の世界である」ことを通じて哲学のうちに入る。
哲学的自我は人間ではなく、人間の身体でもなければ心理学が扱う人間の魂でもなく、形而上学的主観、世界の―― 一部分ではなく――境界だ。