論理哲学論考 1-7 4.1-4.5
      
4.5 いまや最も一般的な文形式を挙げることが可能なようだ。つまり、何か或る記号言語の文全般の特徴を記述することが。どんな可能な意味もその記述が当てはまる何らかのシンボルによって表現され得る一方、その記述が当てはまるようなどんなシンボルも、その諸名称の意義〔die Bedeutungen〕が適当に選択されれば、何らかの意味を表現し得るように、だ。
その最も一般的な文形式の記述に際しては、ただその本質を成すことがらだけが記述されることを許されるのは明らかだ。――そうでなければ、それは最も一般的な文形式などではないだろう。
最も一般的な文形式が存在することは、その形式をひとが予見(つまり構成)し得なかったような文が存在するのは許されないことによって証明される。その文の一般的形式はこれだ: かくかくしかじかとなっている。
4.51 私に総ての基本的文が与えられているとする。そこで単純にこう問い得る: どんな文を私はそれらからつくることができるのか。ところが、総ての文がそうであり、それらはそうして限定されている。
4.52 あらゆる基本的文の総体から(そして、もちろん、それがあらゆる基本的文の総体であることから)結果的に生じるもの総てが文だ。(だから、ひとは、或る意味で、総ての文は諸基本的文の一般化だと言い得るだろう。)
4.53 その一般的文形式は変数だ。