論理哲学論考 1-7 4.01-4.06 4.061-4.064
4.064 どんな文もとうに何らかの意味をもっているはずだ。肯定が当の文にその意味を齎すことはあり得ない。肯定はまさに当の意味を肯定するのだから。そして、同様のことが否定等々に当てはまる。 4.0641 ひとはこう言い得るだろう: 否定は否定される文が規定する論理的軌跡にとうに関わっている。
ひとつの否定文は否定された文が規定するのとは別の或る論理的軌跡を規定する。
ひとつの否定文は或る論理的軌跡を否定された文の論理的軌跡の援けによって規定する。その軌跡を否定された文の軌跡の外に在るものとして記述することによって。
ひとが否定された文をふたたび否定し得ることは、否定されるものはもう何らかの文であり、文への前段階にあるものなどではないことをまさに示している。