論理哲学論考 1-7 4.001-4.003
      
4.003 諸々の哲学的なものごとについて書かれて来た教義や問いの大部分は、誤りではなく、ナンセンス〔unsinnig〕だ。我々は、だから、その種の問いにそもそも答えることなどできず、ただそれらのナンセンス性を確かめることができるだけだ。哲学者たちの問いと教義の大部分は、我々が自分たちの言語論理を理解していないことに基く。
(それらは、善は美と多少なりとも一致するか、といった類の問いだ。)
そして、最も深遠な諸問題が実は何の問題でもない、というのは驚くべきことではない。
4.0031 総ての哲学は「言語批判」だ。(ただし、マウトナーの意味でではない。)ラッセルの功績は、文の見かけの論理的形式が当の文の実際の形式だとは限らないことを示したことだ。