現在の名称  :金華山  法雲昌国禅寺(法雲寺)

所在地   :兵庫県赤穂郡上郷町苔縄
宗派    :臨済宗相国寺派
千種川を望む山麓にある。本尊聖観音。「雪村和尚行道記」によれば、建武の乱がいったん鎮まった建武4年(1337)7月、赤松則村(円心)が本拠苔縄城の麓に新寺を建立し、高倉範秀の仲介によって京都嵯峨西禅寺(現京都市右京区)の雪村友梅を開山住持に招請した。寺領として円心は元弘の乱での最初の勲功の賞として得た高田・竹馬(竹万)の両荘を寄進した。境内には利生塔が設置され、歴応2年(1339)に光明天皇の勅額を得、諸山に列せられたという。当寺は応永23年(1416)には十刹に列せられた。
嘉吉の乱により赤松氏が没落し、山名氏の播磨入国の際、堂宇は兵火で被災したという。応仁の乱後、赤松政則が守護職に復帰すると、氏寺である当寺の外護に勤めたと思われる。宝永年間(1704-11)赤松末裔の有馬氏(筑後久留米藩主)出自の京都相国寺の天啓が当寺の退廃を嘆き、有馬氏の援助を請い、正徳元年(1711)堂宇を再興したという。天明8年(1788)の五山相国寺末牒に「金華山法雲昌国寺」とみえる。
       
日本歴史地名大系  兵庫県の地名
十刹のひとつ法雲寺(1492年頃)
2003/09