現在の名称  :東海山本源寺

所在地   :岡山県津山市小田中
宗派    :臨済宗
本尊釈迦如来。西今町から本源寺口を北に入った小田中にある。寺の前身は神戸(じんご)村にあった南北朝期の安国寺と伝える。慶長9年(1604)津山藩主森忠政によって小田中村に移され、海晏を中興の祖とした。同12年、忠政の室を茅町の北に葬ったため、現在地に再度移して竜雲寺とと改称し、寺領200石を寄せた(津山誌)。海晏ののち渓花院の天倫が住持となり天倫山と号したが、元和年間に東海山と改号した(津山誌)。寛永16年に本源院忠政の御霊屋が完成し(武家聞伝記)、天和3年(1683)忠政の50回忌にちなんで本源寺と改称した。その後、2代藩主長継の嫡男忠継を埋葬するなど、森氏一門の菩提寺となった(森家先代実録)。境内の墓地には森氏代々の五輪墓がある。松平氏は泰安寺・妙法寺とともに当寺を城下三ヵ寺の一つとし、扶持70俵を寄せた。
                 
日本歴史地名大系  岡山県の地名  より
小田中にはもう一つ安国寺の流れを汲む「安国寺」がある。「本源寺」との関連性を年表で比較してみる。

  安国寺 本源寺
南北朝期 安国寺(神戸村) 安国寺(神戸村)
禅福寺(角南村移転)  
1604   安国寺(小田中村移転)
1607   竜雲寺(小田中村)
1683   本源寺(小田中村)
1689 禅福寺(小田中村移転)  
1770 安国寺(小田中村)(注)  

(注)禅福寺兼本源寺住職万愚の願いにより改称。

以上から見ると「安国寺」の名称がそのまま引き継がれたのは「本源寺」であり、竜雲寺となった時点で廃止となった「安国寺」の名称を「禅福寺」に移し変えて残したように思われる。

2001/07