南谷寺 当寺は不動尊をもって廻国していた伊賀赤目山の住職満願が元和年間(1615-24)に下駒込村動坂で庵を結んだことに始まる。寛永14年(1637)鷹狩の折にこれを目にとめた三代将軍徳川家光が、現地に寺地を与えたという。 本尊の不動尊は目赤不動と呼ばれ、江戸の五色不動の一つで、既に十七世紀末から十八世紀前半の案内記で名所として取り上げられている(「江戸名所記」他)。 五色とは青・黄・赤・白・黒で梵語で言う地・水・火・風・空をあらわし、家光がこの五色不動の目として東西南北中央の五方眼で江戸を守るために五色不動を設定したという説がある(夏山雑談)。しかし実際には色と方角が一致せず、目黄不動が3ヶ所もあるなど、この説には疑問も多い。 日本歴史地名大名 東京都の地名 平凡社 |