現在の名称  :集積山長興寺

所在地   :愛知県豊田市長興寺
宗派    :臨済宗
本尊11面観音。寺伝によると、建武2年(1335)挙母(たのも)城主中条秀長によって創建され、東福寺開山法系の大陽義冲を講じて開山としたという。永禄10年(1567)信長によって焼かれたが、後に家臣余語正勝の手で再興され、信長の画像も寄贈された。元禄10年(1697)再び戦火で多くの古文書を焼失したという。
寺蔵の「応永二十八年幹縁比丘義睦」の銘のある絹本著色仏涅槃図と天承11年(1583)狩野元秀筆紙本著色織田信長像は国指定重要文化財。

   
            日本歴史地名大系  愛知県の地名  より

なお、長興寺は国史大辞典(吉川弘文館)「安国寺」の付表「利生塔一覧」に掲載されている寺であるが、上記「大系」にはそのことは触れられていない。ご住職の話では古文書は残っておらず不明とのことであった。
2002/08
訪問記
長興寺へは岡崎から向かった。国道248号線を北上する。豊田自動車本社を過ぎ「下市場町5丁目交差点を右折し、その先長興寺9丁目を左折、ちょっと行きGS手前を右に入ったところに長興寺がある。
長興寺の裏手は現在はちょっと離れているが矢作川が流れおり、中世は矢作川を背景とした大寺院だったのだろう。
長興寺は現在でも大寺院である。寺域は広大で石碑、鐘楼、山門など古いものが残っており、中世は利生塔が立っており大勢の塔頭も取り囲んでいたということは想像できる。ただ、残念なことに利生塔の名残は何処にも見られない。
入口
本堂
鐘楼
山門
2003/08