現在の名称  :景徳山安国寺

所在地   :京都府綾部市安国寺町
宗派    :臨済宗

                  「全国足利氏ゆかりの会」会員
京都府「綾部市」はJR山陰線の町であるが、そこから分岐するJR舞鶴線の隣の駅「ふちがき」とその先の駅「うめざこ」の中間くらいに「安国寺」がある。
綾部市は尊氏の母清子、上杉氏の生まれ故郷であることが知られており、ほかにも足利氏と深く関係のある事跡の残る街である。
尊氏の母清子は、上杉荘の常光庵に身を寄せ安国寺の地蔵尊に祈って尊氏を生んだという伝承があり、傍証資料も多く残っている。
「景徳山安国寺」は、臨済宗東福寺派の名刹である。鎌倉時代の創建で、もとは光福寺と称しており征夷大将軍となった尊氏は光福寺を「丹波安国寺」とし、全国安国寺の筆頭に置いたといわれている。
安国寺
尊氏の産湯と伝えられる井戸や産髪、産着で作った袈裟が残っており、境内には清子、尊氏、登子の分骨が収まった宝篋印塔が3基並んで建っている。
この他にも「足利尊氏寄進状」「上杉清子仮名消息」をはじめとする安国寺文書や木造地蔵菩薩半跏像、絹本墨書天庵和尚入寺山問疏など国の重要文化財や府、市指定文化財を多数有している。
宝篋印塔  右から妻、尊氏、母
以上説明および写真は檀家総代の了解を得、全国足利氏ゆかりの会パンフレットより転載しました。
関連リンク
    TK−NET 綾部の名所案内
         http://village.infoweb.ne.jp/~fwiv0901/meisyo/tknet-meisyo.htm
2001/05
訪問記
安国寺集落西方の山麓、寺ノ段にある。天庵妙受を開山とする。本尊は釈迦牟尼仏。「丹波志」は次のごとく記している。
 一、諸堂 七堂伽藍
 一、塔頭 拾五ヶ庵
 一、末流 三拾有余ヶ寺
日本歴史地名大系 京都府の地名

綾部駅からタクシーで向かう。市街地を抜け田畑が続く中を暫く走る。思わず「まだ先なんですか」と聞いたとき「あの左手の山裾ですよ」といわれた。その地域が「寺ノ段」地区であり、かっては七堂伽藍と塔頭が立ち並んでいた地域であったのだろう。なんとなくそれを想像させる小さな集落の中に「丹波安国寺」があった。
寺の周りはもみじに囲まれている。時期が過ぎたとはいえまだまだ綺麗であった。
「足利尊氏産湯の井戸」は参道の手前、現在では寺地の外と思われる場所にあり、あるのは井戸ではなくそれを示す石碑だけである。

2001/11
釈迦三尊坐像
府指定文化財
仏殿 府指定文化財
 府指定文化財
足利尊氏産湯の井戸
山門鐘楼

五山十刹一覧  延徳4年(1492)頃