現在の名称  :日照山安国寺

所在地   :山口県柳井市伊陸
宗派    :臨済宗
本尊は釈迦、阿難、迦葉の三尊。寺伝によれば、肥州国守護内藤氏の夫人、妙観尼が当寺を建立。元応2年(1320)棊山賢仙を請じて開山としたのに始まるという。その後大内弘世は賢仙の徳を礼して寺領を寄進、また数寺を開き、法演の地とした(玖珂郡志)。
貞和元年(1345)7月、足利尊氏は安国寺利生塔を諸国に置くに当たって、高山寺を周防安国寺に定めた。永徳元年(1381)には足利義満が高山寺の寺位を甲刹に列し、義持もまた開山塔の額に「大雄」と記したと伝える。境内に山門・仏殿・僧堂・方丈・衆寮・開山堂・庫裏などが立ち、山内の塔頭に諸堂があった。また、末寺として20ヵ寺があった。
大内氏滅亡後は零落し、慶長5年(1600)岩国城下建設に当たって諸堂は破却され、方丈・庫裏・開山堂を残すのみとなった。寛永4年(1627)火災によって寺宝・記録を焼失。明和6年(1769)本堂を建立し現在に至っている。
                  
日本歴史地名大系  山口県の地名 より