現在の名称    :存在せず(廃寺)
足利時代の名称
 萬年山長興寺(安国寺)

所在地   :香川県綾歌郡宇多津町
宇多津町大門あたりに所在したと伝える禅宗寺院。「梅松論」によれば、讃岐守護細川顕氏が父頼貞(法名長興寺義阿)の菩提を弔うために、天下静謐の後当寺を建立したという。「讃岐国名勝図絵」は寺地を長興井の近辺としている。また同井の南の谷筋に義阿の墓と伝える三つの岩がある。細川氏が建立した讃岐国の有力禅寺であった当寺は讃岐国安国寺に当てられたと考えられている。丸亀市観音寺所蔵の大般若経第407巻奥書に、延文2年(1357)、細川頼之の菩提を弔うため讃岐安国寺において明俊が書写したと記され、他にも徳島市丈六寺の雲版に「讃州安国寺」と記されている。当寺首座の交代には将軍御判の公文が出されており、諸山の位置を与えられていた。文明16年(1484)2月21日英春が当寺首座となる(「蔭涼軒日録」)。これ以降史料に見えない。「讃岐国名勝図絵」に高松法泉寺に長興庵という塔頭があったことが記されており、生駒氏が宇多津から高松へ移った時期に長興寺も移転したのかもしれない。

               
日本歴史地名大系  香川県の地名  より