現在の名称 :存在せず(廃寺)
足利時代の名称 :安国寺
所在地 :兵庫県三原郡三原町八木
正称は栖賢山福厳安国寺、南北朝期、淡路守護細川師氏が、居宅を改めて安国寺とし、前阿波補陀寺(現徳島県土成町)住持で淡路に退隠していた大道一以を招いて開山とした。三年のうちに仏殿法堂・神祠祖堂・僧堂・山門などが整えられた。淡路の国における最初の禅寺であった。
応安年中には諸山に列し、歴代住持は幕府将軍から公帖を得て入住した。
永正14年(1517)淡路守護細川尚春の没落により衰退、廃寺となったと考えられる。
「常盤草」には安国寺跡は大久保村門前池の東の谷、寺山と称する地にあり、山谷の間に仏殿・祖堂・僧堂などの跡が残るとある。
日本歴史地名大系 兵庫県の地名 より
2001/06
訪問に先立ち美原町の教育委員会に問い合わせたところ安国寺の資料と地図をファックスで送っていただくことができた。
この地図が無ければ到底探し当てることは出来なかったであろう。
高速道路「三原インター」を降り、料金所の方に「八木はどう行きますか?」ときく。そして近づいたところのガソリンスタンドでいただいた地図を示し詳しく教えてもらった。
その道は途中から車1台がようやく通れる畑の中の道であるが、目指すところに「安国寺跡」を示す石柱のあるところにたどり着くことが出来た。
跡を示すものはその石柱しか見当たらない。
周辺は段々になった畑であるが、ここにかっては僧坊が建っていたのであろう。
たまたますれ違った畑の所有者であろうか不審そうにこちらを見ていた。「安国寺跡」をわざわざ訪問するものなど居ないのであろう。
経堂の礎石と見られる直径90Cm高さ70Cmで、中央に八角形のほぞ穴のある石が山岡家の裏庭に保存されている。
三原町教育委員会より送っていただいた地図
下中央黒丸が「淡路安国寺跡」
2002/10