上方浪曲ニュース最新号
2000.3
 新年度事業・予算案承認
 会員一堂に親友協会総会

 社団法人浪曲親友協会は、二月二十五日大阪市西成区の大よしで総会を開き、新年度事業案、予算案を審議し全会一致で承認された。
 総会は正午開会、まず新年度事業計画を審議した。協会年間事業の主なものは次の通り。
 ○一心寺門前浪曲寄席 原則として毎月第二月曜から三日間
 ○国立文楽劇場公演 浪曲錬声会(五月二〇日)、浪曲名人会(十二月二日)
 ○大阪府民劇場公演 (十一月予定)
 ○大和郡山市老人福祉センター訪問公演(十月から十二月まで四十回)
 ○ファンとの交流の集い 桜まつり(四月)、浪曲まつり(八月三十日)、忘年会(十二月)
 次に年間予算案を審議、事業費五百四十五万五千円、管理費三百十二万五千円、予備費七十万円、合計九百二十八万円の年間予算を承認した。
 総会後は懇親会に移り会員相互の親睦を深めた。
 京山幸枝若「上方演芸殿堂」入り
 そっくり人形の口演でお披露目

 平成三年亡くなった京山幸枝若が、大阪府立上方演芸資料館の「上方演芸の殿堂」入りし、3月5日同演芸ホールでお披露目式が行われた。第四回となった今回殿堂入りしたのは、幸枝若と、二代目桂春団治、松葉家奴・菊奴の三組。浪曲では、三代目奈良丸、梅中軒鴬童に次いで三人目。
 お披露目式は、遺族・関係者によって、成瀬国晴氏の似顔絵のパネルを除幕、故人の面影をしのんだ。この日は京山一門の公演が淡路島であったことから、門人の幸若、福太郎は出席できず、幸太郎が代表して出席、また幸枝若さんが所属した藤川プロの斎藤賢さんと遺児の隆宏さんが参列した。
 お披露目の後は、幸枝若の似顔絵を元に作られた操り人形が、故人の在りし日のテープにあわせて「小緑長吉」を公演し、巧みな動きと久しぶりに聞く名調子に客席から大きな拍手が寄せられていた。
 同演芸資料館では、故人の遺品や写真を集めて六月十六日まで展示室で殿堂入り特別展を開催しており、ここでも人形寄席が披露される。上方演芸資料館(ワッハ上方)は、千日前道具屋筋入口吉本グランド花月向かいYES難波ビル内。
 一心寺寄席増強看板で特別公演
 「浪花ネタ」特集に連日大入り

 一心寺寄席の三月公演は、六、七、八の三日間開かれ、春めいてきた陽気も手伝って、連日百人近い大入りとなった。
 今回は、大阪府芸術劇場基金助成公演として、いつもより一人多い五枚看板で、大阪を舞台にしたネタの特集。
 松浦四郎若は新作「大阪夏の陣〜酒の忠朝」、京山福太郎は「左甚五郎〜天王寺の眠り猫」、広澤駒蔵は「水戸黄門〜新町遊興」、筑波武蔵は自作の「道頓堀夜話」などを披露した。
 一心寺寄席は四月からパート2に移転の予定だったが、劇場建て替え工事の都合で四月公演も従来通り一心寺シアターで行われ、パート2移転は五月公演からに変更された。


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