8月16日(水) お盆のピークも過ぎて、満杯だった駐車場もがらっとしてきました。停滞してる台風の影響で波が高くって、浜によっては遊泳禁止になってます。おとといキサミ大浜に行きましたら、ライフセーバーが、「泳がないでくださーい!岸に戻ってくださーい!」と叫び回っていて、泳ぎにきた人々は、膝まで水につかるくらいで立ち往生、なんだか見ててかわいそうでした。そのくせサーファーや足ヒレ付きのボディーボーダーは沖に出て大波に乗ったり呑まれたりしています。ボーダーでも、足ヒレのない人は、ほんの100mくらいの幅のせまーい遊泳者地域にひきもどされます。まさしく追い立てられる羊の群れであります。5mも群れから離れただけで、まるで犯罪者のように、ハンドマイクで呼び立てられます。ちょっとキレてしまった僕は、そのハタチ前後と思われるライフセーバーのお姉さんに、「あのねぇ、事勿れ主義もわかるけどねぇ、ダイジョーブだよ!みんな泳ぎにきてるんだぜ、これじゃみんな日射病になっちまうぜ!」なんて言ってまいました。(ごめんね、ねーさん) 後で知るところによると、ちょうどその少し前、隣の隣のビーチで7歳のこどもが波にさらわれていて、皆さん、ぴりぴりしていたんだと思います。ライフセーバーの方々も命がけなわけですし、何かあったら責任問題になるんだろうってことは察します。それでもこの、管理されるような、だれかかしかに責任を転嫁するような、それを避けんがために、先に先にまわってやめさせるような、事勿れニッポン体質がイヤです。
 19歳のとき友人3人と、はじめて伊豆は白浜にきて、ビーチマットにつかまって、ゆらゆらしていましたら、突然大波がやってきて、あっという間に巻き込まれて、てんでんばらばら、大波が続けて二つ三つやって来るのも知らなくて、巻き込まれてはあがき、アプアプしては巻き込まれして、おぼれるかと思いました。巻き込まれると、もう制御不能、人間洗濯機、ムーンサルト状態で、ここでリキんでジタバタするとアウトです。なされるがまま、手足や首や体がへんなふうにねじまがるにまかせて、くるくるもまルルのを、ぐっと息をこらえて楽しんでおりますと、そのうちぽこっと水面に顔がでるわけです。危ない目にあって学んで行くのですな。 
 インドのマドラスってとこにミナクシ・テンプルという寺院があって、4つの大きな塔があります。40mくらい(?)、塔のなかにまっ暗な階段があって登って行けるんですが、一番トップにハッチみたいな穴があって、てっぺんにでられました。幅1m、少し両端がまるくなっているんで、けっこういろんな部分がヒンヤリします。はるか下の方、寺院の中庭は池になっていて、人々が沐浴しています。遠くにはマドラスの町並み、熱気に白く霞む山々、あまりの気持ちのよさに僕はしばらくすわっていました。ちらほらやってくる観光客もハッチから顔を出すと、ひょーっ、なんて言ってすぐおりて行きます。それでもときどきは勇気をだして、上がってくるひともいます。日本だったら、あり得ない事でしょう。まず柵におおわれるか、そもそも登ること自体が禁止ですね。道を歩いていても、ぼんやりしてると牛にこずかれたり、こどもなんかふみつぶされそうになります。自分の身は、自分でまもらねばなりません。
 アメリカはグランドキャニオンの崖っぷちには、こんな看板があるそうです。「ここからさきは自分の責任で、でもその光景はあなたの心に焼き付くことでしょう。」 なにをするのも、自分の責任、なにがおこっても運命。どこかでよんだ言葉に、「哲学者にとっては、生きていても死んでいても同じ事。」なんてありました。今はこの舟(体)に乗って航海してるけど、舟が壊れたり沈んだりしても、それを動かしている魂は終わらない、ずーっとつづいていく、ってな感じでしょうか。
 ずいぶん遠くまでいっちゃいましたが、とどのつまり、「おいらは、もー20年以上まえ、あんたが生まれたころから、波にもまれ続けているんだよ!あぶないかどうかは自分で決めるよ!」と言いたい、という事でした。とにかく押し付けられる事、上のほうからいやおうなく命ぜられる事に、激しく、ほとんどオートマティックに反抗してしまうという基本的性質は、ミライエイゴーにかわることはないかもしんない!という声明でした。 こどもはまだ見つからないそうです。親御さんのことを想うと、こころ潰れんばかりです。

8月14日  連日カンカン暑くてうれしいです。昨日は自転車こいで
吉佐美大浜に行ってきました。片道1時間、途中、木のかぶさる山道、クヌギのにおいに、かぶとむしやくわがたをさがしたりしつつ、キコキコいくわけです。ちょっとした坂道が2カ所ほどあって、汗が、腕からも吹き出したりするんですが、登りきって下り始めると、風をきってモー最高って感じです。自転車に乗ってると、音やにおいが、ふっと飛び込んできます。波のざわめき、キャンプの人が使っているのか、炭の、限りなく死へとイザナう、あま〜いにおい(アジアのマーケットを思い出す)、手彫りのトンネルのひややかーなコケのにおい(直前に車が通ってたりすると排気ガスが一塩)。楽しげな人々に混じって、ときどきやってくる、なかなか気合いの入ってる波でボディーサーフィンしてきました。
8月8日(火)
台風来ました。昨日のビーチは、台風前の異常にすきとーった感じで
ヒカリが瞳孔全開状態で、ひとびとも海も山も
あまりに美しかった。今日は雨です。
波乗りに行きます。
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