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低価格プロジェクターはどれを選ぶ!2006春

(2006.3.13)


   現在私は2年前に購入した液晶プロジェクターで80インチの
   大画面を楽しんでいるが、ここらで買い替えを考え始めた。
   そこで今回は、低価格プロジェクターの比較を行ってみる。





    低価格プロジェクター概観

 我がシアターでは2004年2月に「LP−Z2」を購入し、
 プロジェクターユーザーの仲間入りを果たした(もう2年前か・・・)。
 その時も購入前に本コーナーで特集して比較を行っている。
 (低価格プロジェクターはどれを選ぶ!
 当時は1280×720画素のいわゆる「D4パネル」が出た年で、
 「ハイビジョン対応」を謳った高画質な液晶プロジェクターが一気に普及した。
 
 それから2年が経過し、今年は画素数こそ同じものの、最新テクノロジーによって
 開口率アップ、コントラスト改善が果たされた「D5パネル」を各社搭載してきた。
 それにアイリスを使った時間軸方向のコントラス改善や、HDMI端子、
 サンヨーが先鞭を付けたレンズシフトも、今や各社が搭載している。
 オールインワンタイプの入門者向けプロジェクター「EMP−TWD1」が
 登場して結構売れているらしいが、画素数が854×480と少なく、
 接続はS端子しかないなど、今後長く使うにはネックが多い。
 フルハイビジョンタイプのプロジェクターも出ているが、
 100万円超えでは一般庶民には手が届かないし、
 価格対満足度で言うと厳しいところがあるのは否めない。
 やはり本命は10万円後半〜20万円前半くらいで購入可能なゾーンだろう。
 
EPSON EMP-TWD1
(売価 125,000円程度)

DVDプレイヤー・スピーカーとの一体型で配線不要、「買って置くだけで楽しめる」と好評。ただし画素数が少なく、拡張性に難あり

 我がシアターでは、アンプやスピーカーといった音周りが固まってきたと感じている。
 パススルーが開始されたらハイビジョンレコーダーを購入するが、
 それ以外となると液晶プロジェクターのグレードアップに目が行くのである。
 D5パネル、ダイナミックアイリス、HDMI端子、回路の進歩などを見ると、
 この辺がいい頃合いのような気もしてくる。
 
 ということで、今回は低価格プロジェクターの比較を行う。



    5選手の紹介

 条件はパネル解像度が854×480よりも高いこと、
 価格は価格.comで20万円以下のもの、とした。
 なお今回は全てパネル画素数は1280×720画素(三菱のみ1280×768画素)、
 HDMI端子ありが共通、それ以外の部分で比較を行っていく。
 それでは価格の安い順に見ていく。
 
HITACHI PJ-TX200J
(売価 140,000円程度)
  明るさ  1200lm
レンズシフト  上下2.5画面
 左右1.5画面
レンズズーム  1.6倍
  動作音  28dB/25dB

 大型レンズを強調したデザインで、「レンズ性能」をアピールしている。
 だが画面中央と画面端とのフォーカス性能差が目立つ結果となったようだ。
 HDMI端子はあるもののD4端子がないので、ハイビジョンやDVDを見る時に
 HDMI出力を持つ機器がないと高画質で見ることができないので注意。
 動作音、レンズシフト量は標準的。
 ダイナミックで力強いデザインは好感が持てる。
 ただ、メタリックグレーは今の私の部屋には合わないな・・・


Panasonic TH-AE900
(売価 150,000円程度)
  明るさ  1100lm
レンズシフト  上下2.3画面
 左右1.5画面
レンズズーム  2.0倍
  動作音  29dB/25dB

 2001年に「TH-AE100」で「低価格高画質液晶プロジェクター」という
 ジャンルを開拓したパナソニック、その後も「ハリウッド画質」など
 高画質で訴求をしている。その最たるものが「スムーススクリーン」である。
 画素構造が目立ちやすい透過型液晶の弱点をカバーし、滑らかな映像を
 再現するというもの。確かに、近づいて見ても画素の仕切りは目立たない。
 だが、適正距離を取って見る分には競合機でも画素構造は見えない。
 また、滑らかな分、文字などのシャッキリ感は少しスポイルされる印象。
 
 本機には複数の機器を操作可能な液晶学習リモコンが付属する。
 DVDレコーダーのリモコンのようで、ボタンサイズ、色などが分けられ、
 なかなか操作しやすそうである。
 
 ズーム倍率が2倍ということは、置き場所を変えずに画面サイズを1.5倍に
 できるということで、これは競合機と比べても最高の値。
 デザインは無味乾燥的な感じで、特に何も感じない。


SANYO LP-Z4
(売価 150,000円程度)
  明るさ  1000lm
レンズシフト  上下3.0画面
 左右2.0画面
レンズズーム  2.0倍
  動作音  26dB/22dB

 設置自由度を大幅に向上させる「レンズシフト」をいち早く導入し、
 このジャンルを大きく開拓した三洋。レンズシフト量は今回1位である。
 上下3画面ということは、テーブルに置いたら画面の下端が本体よりも上に行く
 ことになり、左右2画面ということは、画面の横端がレンズ位置まで移動する
 ということ、すごい移動量である。人によってはこのシフト量がなければ
 設置が難しいということもあるだろう。ズーム倍率も松下と並んで最高。
 
 他の本機の特徴は「電動レンズシャッタードア」と「低騒音」である。
 埃がレンズに付着したり、内部に侵入したりするのを防ぐドアは前作までも
 あったが、手動ドアで閉め忘れることがあったり、閉めっぱなしだと
 電源が立ち上がらないなど、ちょっと使いにくい部分もあった。
 それが今回では電動ドアで、電源ONで自動でOPENする。
 そして22dBの動作音は断トツの静音性。耳を近づけて微かに聞こえる程度。
 3dBは2倍だから、競合機は本機の2倍以上のファン音ということである。
 映像への集中度を高めるファクターとして、低騒音性は高いポイントになる。
 
 形状がちょっといかついという感がしなくもないが、
 同時に凹凸のないノイズレスデザインはなかなか。


EPSON EMP-TW600
(売価 160,000円程度)
  明るさ  1600lm
レンズシフト  上下3.0画面
 左右2.0画面
レンズズーム  1.5倍
  動作音  ??dB/26dB

 ニュートラルな画作りで定評があるエプソン。
 コアとなる液晶パネルモジュールを競合機に供給しているということで、
 製造元としては意地を見せたいところだ。
 本機は1600lmの断トツの明るさが目立つ。これは昼間でもカーテンを閉めれば
 結構イケる感じだろう。少し明かりを落とす程度で大人数で楽しむ、
 といった使い方をするとすれば本機が最適だろう。
 
 また設置性の高さも特筆。レンズシフト量は三洋と並んでトップ。
 ただ、明るさが高い分、ファン音も最も大きく、試聴位置の近くに置くのは
 ちょっとはばかられる。
 
 ラウンドをうまく取り入れた形状は、ちょっと「ラピュタ」に出てきそうな
 感もするが、なかなか良い。白の本体は私の部屋にはバッチリ合う。


MITSUBISHI
LVP-HC3000

(売価 200,000円程度)
  明るさ  900lm
レンズシフト  上下-.-画面
 左右-.-画面
レンズズーム  1.2倍
  動作音  31dB/26dB

 昔から三管、液晶、DLP、リアプロも含め様々な方式でプロジェクターに
 取り組んでいる三菱。今回唯一液晶ではなくDLP素子を用いている。
 黒が沈みやすく高いコントラスト感がDLPの持ち味で、
 1280×768画素のW−XGAのDLPパネルはちょっと前まで
 100万円クラスの高級機にしか搭載されていなかったが、
 本機は20万円で手が届く範囲内になってきた。
 
 ただ、レンズシフトはなく、ズーム倍率も1.2倍ということで、
 かなりシビアにシミュレーションしないと設置が難しい。
 騒音も最大レベル。デザインもデータプロジェクターのような
 無機的な感じで、これはシャーシを流用しているからだろう。
 
 私は単板DLPのカラーブレーキングが見えやすい人で、
 やはり本機も見えてしまい、許容できない。
 本機は、カラーブレーキングが許せて、その画質にとことん惚れこんだ
 人のみが買うモデルだろう。



    貴様ならどれを買うんだ

 まず、カラーブレーキングが見えて、設置性・騒音性も最悪な三菱が却下。
 
 私の現在の設置方法は、画面の正面に2人用ソファを置いて、
 ソファ横のテーブルにプロジェクターを設置しているわけだが、
 この置き方を変えるつもりはない。天吊りはできないわけではないが、
 なるべくしたくない。となると、レンズシフト量は「左右2画面」が必須となる。
 
 また現在使用している「LP−Z2」の騒音レベルは24dBで、ほとんど
 気にならないレベルなのだが、この音が大きくなることは許しがたい。
 大事なシーンで、横で「ブワ〜」という動作音が聞こえてきたら興醒めだ。
 レンズ保護・埃のシャットアウトができる電動カバードアも高ポイント、ということで
 
 私ならLP−Z4を買う!
 
 という結論となった。設置方法が異なれば「左右2画面」というレンズシフト量は
 必須ではなくなるし、松下の滑らかな画がいいという人もいるだろうし、
 明るいところでも使えるエプソンがいいという人もいるだろう。
 
 さて、LP−Z2からの買い替えが決定したわけではなく、あくまで「検討中」
 ということであって、実際買うかどうかは・・・