V - eye
エディが思いつきでAVを斬る!語る!

低価格プロジェクター、買いはどれだ!

(2004.1.28)


プロジェクター購入、そして大画面デビューを狙うエディ。
買うことを念頭に置いて、実際に見た画質・スペックなどから
低価格プロジェクターの比較をしてみる。



AVマニアを始めて10年、いよいよプロジェクター導入のチャンスがめぐって来た。
実売20万円以下の液晶プロジェクターに的を絞ることにする。
20万円以下で買えるDLPもあるにはあるが、ワイドパネルものはないし、
カラーブレーキングはやはり気になってしまうので除外した。
自分の目で見た画質、設置のしやすさ、騒音、発展性などを重視して比較する。

なお、実際に店頭で見たものだけを取り上げている。
画質も見ないでいい加減なコメントはできないからだ。
紹介だけはしておくが、東芝の”アレルガ”「TLP−ET1」、
ソニーの”シネザ”「VPL−HS3」などがある
(どちらも858×480画素のワイドVGA)。

価格は「価格ドットコム」を参考にしている。

EPSON
EMP-TW10

  (売価 \105,000前後)

パネル
 0.55型 (16:9)
画素数
 858×480画素
明るさ
 1000ANSI(最大)
コントラスト
 700:1
レンズシフト
 なし
デジタル端子
 なし
騒 音
 29dB(最小)
重 量
 3.6kg
 
 家庭用プロジェクター史上、最安の本格派プロジェクターと
 異名を取る(もとい私が勝手に命名した)、
 エプソンの戦略モデル。
 スクリーンをカジュアルに楽しんでもらいたいという目的の
 ようだが、画素数と明るさ、コントラスト、騒音など
 どれを取っても死角はない。
 実際の映像は、80インチ程度なら格子はほとんど分からない。
 色合いも自然で、好感を持った。
 この画質が11〜12万で手に入るのなら、文句はない。
 レンズシフトがないので、設置の点ではやや難か。
 このデザインは、どうもラピュタに出てきそうだという
 感じがする。それとは関係ないが、カッコ良くはないなぁ。

日立
PJ-TX10J

  (売価 \125,000前後)

パネル
 0.55型 (16:9)
画素数
 858×480画素
明るさ
 700ANSI(最大)
コントラスト
 800:1
レンズシフト
 上下
デジタル端子
 なし
騒 音
 25dB(最小)
重 量
 3.6kg
 
 日立が家庭用プロジェクターに本格参入を果たしたモデル。
 同社のプラズマや液晶と同じく”Wooo”の名が冠せられている。
 パネルの画素数・サイズなどはエプソンTW10と同じだが、
 全く同じものではないようだ。
 レンズシフトがあるため、設置のしやすさではTW10の上を行く
 (その分価格も上を行く)。
 実際の映像は、かなり格子感があり、見にくい。
 実用レベルの上限は80インチだろう。それでもスクリーンから
 距離をおかないとキツイのでは?という印象を受けた。
 デザインは戦車みたいな形だな。でも悪くはない。

Panasonic
TH-AE500

  (売価 \160,000前後)

パネル
 0.7型 (16:9)
画素数
 1280×720画素
明るさ
 850ANSI(最大)
コントラスト
 1300:1
レンズシフト
 なし
デジタル端子
 DVI
騒 音
 27dB(最小)
重 量
 2.9kg
 
 2001年に「TH-AE100」で、低価格・高画質プロジェクター市場を
 開拓したパナソニック、昨年は「AE300」、
 そして今年はこの「AE500」で進化を見せつける。
 従来機のシャーシを流用、SDカードスロットやスピーカーも
 取り外し、画質一点に絞って送り出した機種だ。
 画質的なハイライトは2点。
 昨年から搭載された「スムーススクリーン」機構による
 格子感のないフィルム画質。
 そしてハリウッドと共同で画質調整を行ったという「色合い」だ。
 実際の映像は、確かに格子感がない。というかスクリーンに
 接近して見ても、格子が全く見えない。驚いた。
 ただ発色がちょっと弱く、黒浮きもちょっとある
 (下のZ2との比較)。
 一部ネット上で指摘されていた、画面に等間隔に縦線が見えるという
 現象だが、確かに確認できた。だが注意して見ないと分からない。
 何回か足を運んでいるうちに忘れてしまっていた。
 レンズシフトがない。デジタル台形補正は画質に影響するので
 なるべくなら使いたくないので、これは欲しかった。
 デザインはまあまあ高級感があっていいかも。

三洋
LP-Z2

  (売価 \155,000前後)

パネル
 0.7型 (16:9)
画素数
 1280×720画素
明るさ
 800ANSI(最大)
コントラスト
 1300:1
レンズシフト
 上下
デジタル端子
 DVI
騒 音
 24dB(最小)
重 量
 4.1kg
 
 昨年「LP−Z1」で大成功を収めたサンヨーの追い討ちモデル。
 全くの新規設計になっているところがすごい。
 パネルはエプソン製のD4対応のもので、AE500も同じ。
 「黒」へのこだわりが感じられる。新規に設計した光学系、
 無段階の光学絞りまで搭載するのがすごい。
 実際の映像は、パワーが感じられる。
 明るさはAE500と変わらないから、
 黒の沈み込みの差がそう感じさせるのだろう。
 赤の発色が非常に鮮明。他の色も赤っぽくなるきらいがあるが、
 色温度調整、色合い調整でかなり変わる。
 AE500の「スムーススクリーン」はないが、画素数が多いからだろう、
 格子感はなく、全く問題ない。
 レンズシフトが重宝する。しかも上下最大±1画面、
 左右最大±1/2画面という融通の広さ。
 騒音レベルも現行製品の中で最低の数値。素晴らしい。
 デザインは後部がすぼまっていくのが流麗。前面カバーも○。

EPSON
EMP-TW200

  (予想価格 20万円前後)

パネル
 0.7型 (16:9)
画素数
 1280×720画素
明るさ
 1300ANSI(最大)
コントラスト
 1000:1
レンズシフト
 上下
デジタル端子
 なし
騒 音
 28dB(最小)
重 量
 5.3kg
 
 TW10の上位機種となる本機は、D4対応パネルで
 AE500・Z2と真っ向勝負を挑むモデルだ。
 ただしパネルに不具合が発生した関係で発売が遅れ、
 2月中旬から出荷が始まるとの発表があった。
 エプソンの発表では、「TW200は明るさ重視で、
 明るいリビングのもとで鑑賞することを想定しています」
 という内容だったが、実際の映像はそんなことはなかった。
 Z2と好勝負だ。黒ではZ2かなという気もするが、
 色合いの自然さではTW200だ。カラーマネージメントが
 巧く行われているのだろう。
 Z2と同等のレンズシフト機構がうれしい。
 ただAE500、Z2にあったDVI端子が省かれている。
 グレードアップのチャンスがないのはつまらない。


   ― 貴様は結局どれを買うんだ? ―

まず、1280×720画素のD4パネルに決める。これならハイビジョンも
十分再生できるクオリティで、永く使えることになるからだ。
そういうことでAE500、Z2、TW200の三つ巴となる。

レンズシフトは欲しい。天吊りあるいはそれに近い程度の高さに設置することが
ほぼ不可能(まあ絶対ってことはないにしろ大変)なため、
プロジェクターをスクリーンの正面に置くことは厳しい。
従って本体をスクリーン中心から左右に外して設置するしかない。
また引っ越して環境が変わった場合でも、レンズシフトがあれば
どんな環境だろうと間違いなく設置できるだろう。
台形補正はジャギーなどの画質劣化を伴うので使いたくない。

DVIはあった方が良い。現時点ではDVIまたはHDMI端子を搭載する
DVDプレイヤーは機種が少ないが、今後低価格化してきた時に、
グレードアップの手段となり得るからだ。端子がないというのは、
AVマニアとしての夢を最初から摘まれてしまうようで寂しい。

プロジェクターは自分の近くに置かれるものだから、
そこから「ブアー」と風切り音がしていたら少々興醒めだ。
騒音レベルは小さい方がいいに決まっているが、
今回の機種はどれも小さいレベルだと思う。
しかし3dBの違いは2倍違うという意味なので、
まあなるべくなら小さい方が好ましい。

画質では私の印象だとZ2とTW200が好勝負だった。

以上から、

私は LP−Z2 を買う!

と決まった。黒の再現性にこだわった高コントラスト画質、
DVI対応、断トツの低騒音、自由な設置が可能なレンズシフト、
と文句ない内容での決定だ。

   ― 導入シミュレーション ―

プロジェクターを導入するときに必須である部屋の配置シミュレーション。
スクリーンサイズを80インチにすることにして、
部屋、スクリーン、投写距離など実寸に近づけた感じでシミュレーション図を作った。

【現状】


【導入後】


ちなみに【導入後】は購入予定のフロントスピーカー3本が来た時の、
リアセンター(RC)も設置するという想定になっている。

さ、買う機種が決まって、準備も整い、あとは買うだけだ。
追って報告する。


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