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ハイビジョンレコーダーはどれを選ぶ!2005冬
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(2005.12.18) |
2011年に今のテレビ放送が映らなくなる、という事実もようやく 知られるようになってきたようだ。今までは、その事実を知っていても 新しいデジタル放送が見られない、という変な事態が多かったわけだが、 12月1日より東京タワーの地デジ電波出力が最大になったことで 関東では実に90%以上の世帯で受信が可能、全国でも60%のカバー率と なったようだ。 我がシアターでも、2004年9月に「DV−HRD20」を購入して 地上デジタル放送対応をした。しかし、今年に入り転居し、 地デジが受からない環境となってしまった。 HRD20は操作性が悪かったこともあり、手離してしまった。 しかし、現在住んでいるマンションでもめでたく地デジが受信されることになり、 にわかにハイビジョンレコーダー導入の機運が高まっているのである。 ハイビジョン録画機器の種類については、2004年8月に 「地上デジタルを見ようかな〜」で紹介したことがあった。 まあさらにBlu-rayディスクが存在するのだが、規格が不透明なのと 本体・ディスクが高価なのとでアウト・オブ・眼中。 東芝のHD−DVDも形が見えてこないし、次世代DVDはしばらく手を 出せない状況が続きそうだ。 ということでハイビジョンレコーダーの現実解はHDD/DVDレコーダーと いうことになる。自動番組録画、番組延長対応が一段落し、 今年のトレンドは「W録」と「HDMI端子」のようだ。 例のごとく、各メーカーのモデルを私なりに比較していく。
ハイビジョンチューナー内蔵型の機種がなかったビクター・三菱を除いた 6メーカーの主力ゾーンモデルを抽出した。 HDD容量は400〜500GB、HDMI端子はいずれも装備している。 地上デジタル放送では500GBで50時間強録画できるということで、 時間的にも少なすぎず妥当なところだろう。 録画対応ディスクでは、コピワン放送の保存先となり得るRW・RAMディスク、 それから今年から対応が始まった2層のRへの対応を記した。 価格は価格.comを見ている。それでは価格の低い順に見ていこう。
「RD」の様々な編集機能に、「W録」を付加価値として加え完成度の高い モデルを送り出している東芝。本モデルはデジ・アナのW録で対応。 本機は編集機能の充実ぶりが光る。一般にもっさりしがちなデジタル放送の 編集でも動作が素早く、フレーム編集まで可能で、アナログ放送と 同等の編集が可能。これでやっとストレスなくデジタル放送の編集ができる。 自動録画、追跡録画も強力。PCと連携して携帯からの予約も可能。 GUIが一新され、16:9のワイド画面となり見やすくなった。 ハイビジョン放送をDVDへダウンコンバートする回路もブラッシュアップ、 4時間までフルD1で記録ができる高解像度LPモードも。 ディスクはRW・RAMとも使える他、DVD−R2層にも対応しているが ビデオモードだけの対応で、デジタル放送の番組を保存することはできない。 画質モードに関わらずリニアPCMが選べたり、ドルビーデジタルも 384kbpsと192kbpsが選べたりと音にもこだわっている。
プラズマと同じ「Wooo」という名前で戦いを挑む日立。 今年は4機種全てがWデジタルチューナー、気合いが見て取れる。 2011年のアナログ停波後もW録ができる他、 同じ番組を2つ録画して片方をDVDに残したりできる。 ハイビジョン録画した番組をDVDにムーブした場合には 再エンコードを行うため通常はリアルタイムになるが、 本機は録画時にDVDにダビングするためのデータも作られる 設定を行うことができ、この場合は高速ダビングができる。 DVD−Rへのデジタル放送番組のダビングに対応。 延長対応はあるが、自動録画はないようだ。 編集作業はやはり重たいらしい。 このモデルも4時間までフルD1で録画ができる。 価格コムの掲示板を見ると、不具合が多く報告されている。
DIGAはDVDレコーダーではトップシェアだが、ハイビジョンタイプにも このモデルで参入。プラズマに搭載している「PEAKS」を流用、 DVD画質をハイビジョンに迫る画質に高めるという。 実際自己録再ではかなりの線まで行けるようだ。 また4時間までフルD1を保つ「DIGAエンジンU」も。 延長対応、番組検索はあるが、自動録画はないようだ。 編集などはもっさりした反応のようで、リモコンもボタン数を かなり削減(というかフタの中に入れられている)しているということで 基本的には録画して見るということを念頭に置いているようだ。 DVD−Rへのデジタル放送番組のダビングに対応。 DVDオーディオが再生可能の他、金メッキ端子、 コンデンサー・オペアンプにもこだわり音も重視されている。
DVDレコーダー黎明期は大活躍だったが、ソニー・松下などが参入するや 急激にシェアを落としてしまったパイオニア、ハイビジョンタイプは本機が初。 EPGが1920×1080のハイビジョン解像度で描かれ、非常に高精細で 見やすいものになっている。最大で新聞テレビ欄方式で7チャンネル分が 一度に見渡せる表示ができる。 キーワードだけでなく、それに関連するキーワードでも検索して 自動録画してくれる「気がきく!録画辞典」の他、延長対応も。 東大研究所と共同開発したインターフェースを採用したGUIは スムースな直感操作ができるという。 DVD−R2層ディスク、しかもCPRM対応のVRモードが使えるので デジタル放送を保存することができる。−Rにもムーブ可能だ。 高画質で残すにはビットレートを高くするのが最善であるというスタンスか。 携帯電話からEメールで予約ができる。
今やすっかり存在感を示している「スゴ録」。 「おまかせ・まる録」はキーワードの他、ユーザーの予約・再生・ ダビングなどの操作から好みを学習するという一歩先のシステム。 延長のみならず繰り上げにも対応した番組追従機能。 画質ではハイビジョン対応の2パスエンコードの採用と、 複数のノイズリダクションを巧みに組み合わせた「DマトリックスNRHD」。 カタログ表記を見る限り3時間まではフルD1記録が可能のようだ。 音質面でも専用の電源を備えるほか、OFC電源ケーブル・偏心インシュレータ、 ジッタを吸収する「波形整形回路」などソニーならではのこだわりがある。 GUIはXMB(クロスメディアバー)を搭載してスムースな操作ができる。 最初はやや戸惑いそうだが、使っていくうちに慣れてくるだろう。 2層の+Rに対応しているが、デジタル放送の番組は録画できない。 そもそも+Rに対応している機器が少ないのが心配だ。 DVD−Rへのデジタル放送番組録画は可能。 デジカメやメモリースティック、CD-R、USBなどから静止画を取り込んで HDDに保存しハイビジョン解像度で表示する「x-Pict Story HD」。 30種類から選べる音楽とともに自動でエフェクトが入って カッコいいスライドショーができるという。 そのスライドショーをDVDビデオとしても保存できるというから憎い。 意外な盲点はダビング中に一切の操作を受け付けない点。
デジタルチューナー内蔵タイプをいち早く手掛けてきたシャープ、 近頃はAQUOSが売れているのに便乗して「レコーダーも揃えてシャープ」 という流れでシェアを地道に伸ばしているようだ。 本体のFL表示部に漢字混じりの日本語で番組名などを表示したり、 HDD・DVDの選択状態や動作状態などを示す「メディアサークル」、 電源起動から1秒でEPG表示及び録画・再生が可能など使い勝手に配慮している。 ハイビジョンソースをDVDにダビングする際には等速になるが、 これを寝ている間に実行する「ダビング予約」も。番組延長に対応。 本機は日立と並んでデジタルチューナーを2基搭載、デジタルW録である。 ただし編集作業のレスポンスはやや遅いようだ。 DVD−Rディスクへデジタル放送を録画することが可能で、 じき2層のRにも対応する予定だという。背面端子は金メッキ。 DVDディスクのタイトル入力が特殊で非常に面倒なのがいただけない。
日立は不具合が多いし、特徴はデジタルW録だけだから却下。 シャープも特徴はデジタルW録のみ、それに割高なので却下。 松下は録画して見るという簡単な操作に注力していて、ちょっと編集など しようとするとリモコンが逆に使いづらいようで却下。 3機種ともいずれもデジタル放送の編集レスポンスが遅いらしい。 パイオニアは2層ディスクにデジタル放送を保存できる唯一のモデル。 対応ディスクはまだ高いとはいえ、1時間以上の番組を高画質で1枚のディスクに 収めようとするとパイオニアを選ばざるを得ない。 ソニーは多くの高画質化技術、XMBやデジカメ画像も楽しめるなど まさに盛りだくさんの内容。高速ダビング中は操作を受け付けないという点も それほど頻繁にムーブしなければ大きな問題ではない。 東芝は定評ある編集機能、新ワイドGUIなどを搭載しながら 抜群のコストパフィオーマンスが光る。 値段が同じであれば、ソニーを選んだだろう。 ただ、東芝の約1.5倍、4万円弱の差額は大きい。 私としては今回は東芝をチョイスする。 冒頭で、私のマンションでも地デジが受信できるようになると書いたが、 工事が終わってみたらCATVの専用チューナーからのD端子出力のみ。 i−LINKも装備されていない。ということは、ハイビジョンが録画できない! 見れるけど録画できないなんて、生殺しもいいとこだ!残念至極。 特集したけどハイビジョン対応HDD/DVDレコーダーを買えないなんて・・・ |