エディがAV(オーディオ・ビジュアル)やホームシアターに関して熱く語る


プロジェクター+ブラウン管生活のすすめ

(2005.3.12)


   近年薄型大画面テレビがブームとなり、液晶・プラズマが売れている。
   しかし、薄型大画面テレビを買うことが本当に賢明なことなのか?!
   今回は私も実践しているプロジェクター+ブラウン管生活を紹介する。




    大画面薄型テレビ

 大画面薄型テレビがブームと言われて久しい。
 私としては2003年前半くらいからブームが来たなと感じたので、
 それから2年が経過しているわけだ。
 当初と比べると各社の製品ラインアップも充実し、売価も1インチ1万円まで来た。
 
 よく薄型テレビの買い時の目安として「1インチ=1万円」が言われてきた。
 しかし1インチ1万円の裏を返せば、32型液晶テレビは30万円、
 50インチプラズマは50万円はするわけで、庶民からすれば
 気軽に買える代物ではないことに変わりはない。
 十分に検討して、勇気を出して買う物という感じであろう。
 
 最近は売価ダウンも手伝って、29型ブラウン管からの買い替えを考える人が
 32型や37型の液晶テレビを買うというパターンが増えているという。
 確かに液晶テレビは鮮明に見えるし、場所も取らなそうだし、
 消費電力も低いし、悪い買い物ではないとは思う。
 しかし、「それならこっちの方がもっとオイシイよ」と言いたくなるのである。




    常時大画面である必要はない

 一般的には、「画面は大きい方がいい」というイメージだろう。
 映画館のあの大スクリーン、迫力があっていいなーという憧れは誰にでもある。
 しかし、「家庭で使うテレビ」という前提では、必ずしもそうではない。
 
 画面が大きくなればなるほど、人間の視野の中に占める画面の面積が増える。
 そうなると、人間は「臨場感」「迫力」を感じるようになる。
 映画やスポーツ中継、ライブなどを大画面で見ると、
 その迫力や没頭感は非常に大きなものがある。
 
 だが、長時間その状態を続けると、人間は「圧迫感」「疲れ」を
 感じるようになってしまうという性質がある。
 まあ考えても見れば、ニュースやバラエティ番組なんかは大画面で見ても
 あまりうれしくないし、肩の力を抜いてリラックスして見るものだし・・・
 と考えると疲れそうな感じがするのではないだろうか?
 
 つまり50型あるいはそれ以上のサイズのプラズマを買った人というは
 映画やスポーツ、ライブなどを見る時には迫力が得られるが、
 それ以外のものを見る時は「もうちょっと画面が小さくてもいいかな」
 と感じる可能性がある。しかし32型程度の液晶テレビでは
 「臨場感」「迫力」を感じるにはまだ画面が小さい。
 
「50型は迫力はあるけど疲れる」
「32型は疲れないけど迫力が物足りない」

 というジレンマである。




    そこで・・・プロジェクター+ブラウン管生活!

 このジレンマを見事に解消するソリューションが
 「プロジェクター+小型ディスプレイ」という組み合わせだ。
 ただし私の場合は小型ディスプレイにブラウン管を使っている。
 私が現在楽しんでいる構成を以下に紹介する。

SANYO LP-Z2

高性能レンズシフト+D4パネルを
搭載した液プロのベストセラーモデル。
後継機が登場した今も実力は褪せない

→使用レポート
Victor AV-28AD1

お世話になってもうすぐ5年目になるが、
その高画質はいまだ陳腐化しない。
壊れるまで使い続けるつもりである。

→使用レポート

 普段はブラウン管を使用し、映画・スポーツ・ライブなどを気合い入れて
 見る時には部屋を薄暗くしてプロジェクターで大画面で見る、というスタイルだ。
 
 先ほど50型のプラズマで迫力が得られると書いたが、
 実は購入者アンケートを取ると、「もっと大きな画面が欲しくなった」
 と答えた人が多かったという。迫力を求めると50型ではまだ物足りない、
 ということなのだろう。そこでプロジェクターの80型・100型という
 大画面の登場だ。100型ともなれば、迫力の点では十分だろう。
 
 普段使う小型ディスプレイは、部屋の大きさにもよるが液晶26V型程度あれば
 ちょうどいい感じになるだろうか。
 小型ディスプレイは液晶でもいいのだが、私はあえてブラウン管を薦めたい。
 動きボケや視野角といった問題がなく、透過型にはない鮮鋭感がある。
 そして、アナログ放送やDVD、VHSビデオなどのSDソース
 (ハイビジョンではない映像)を見た時の画質の差が歴然とある。
 
 液晶・プラズマは固定画素方式のディスプレイであり、入力される映像信号を
 パネルの画素数に合わせ込む「スケーリング」が必要である。
 このスケーリングが厄介者で、特にSDソースをパネルに合わせて拡大する際には
 映像の鮮鋭感を失わせてなまった画になってしまうし、ノイズも強調してしまう。
 その点ブラウン管は画素を持たないのでスケーリングが必要ない。
 
 価格は以前はブラウン管の割安感が高かったが、近年の液晶TVの価格下落を
 受けて、差が縮まってきている。地上/BS/CSデジタルチューナー内蔵型で比較すると、
 28型ブラウン管が10万円強〜13万円程度、26V型液晶が15〜20万円程度である。
 まあそれでもブラウン管の方が安い。奥行き、重量、消費電力は液晶に軍配が上がる。
 しかし、きれいに見ようと思ったら断然ブラウン管なのである。




    液晶・プラズマを買うのとどっちがオトク?

比較

 上の図を見ていただければ言うことはないかもしれない。
 「プロジェクター+ブラウン管」のコストパフォーマンスの高さが際立つ。
 
 三洋の「LP−Z3」は高い設置性を誇るレンズシフトとハイビジョン対応パネルを
 搭載した人気モデルで、15万円という値段が信じられない画を見せる。
 ソニーの「KD-28HR500B」はソニー自慢のフラットトリニトロン管に加え、
 高密度映像を作り出すDRCなどを包括したベガエンジンも搭載した実力機。
 これに100型のスプリングローラータイプのスクリーンを4万円と仮定しても、
 トータルで32万円というジャパネット高田もびっくりの値段である。
 
 同じ値段で液晶テレビを買おうとすると、37V型程度となる。
 また50型プラズマは50万円程度する。
 スクリーンは広い面積を使うから部屋の配置に工夫が必要だし、
 部屋を真っ暗とまでは言わないが薄暗くする必要がある。
 だがそんな苦労を乗り越えてでも、プロジェクターを購入した時の
 感動はおつりが来るほど大きい。37V型液晶テレビと同じ32万円だが、
 得られる感動には差があり過ぎるほどある。
 
 同じお金を出すなら、プロジェクター+ブラウン管にしてみませんか?