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BSD物語
 

以前組んだ新マシンの技術を元に、ティナを構成するパーツを新型に換装
さて、結果は如何に?
 

CH86:放熱
 

ティナが両手で髪を掻き上げる。きちんと手入れされた灰青色の髪はモデルの髪のように綺麗に流れ落ちた。背部からの放熱によりティナの髪はよく痛んでいたのだが。新型に変えて以降、そういうこともなくなった。

「廃熱、かなり低くなったみたいだね」
「CPUからの放熱量が減りましたので、筐体内の温度も余裕が出てきてます」
「消費電力の方はどう?」
「こちらもかなり低く抑えられています。冷却fanの回転数も抑えられますからこれで夏場に安心してご主人様の添い寝もできます」
「……ま、冗談はさておき。ようやく落ち着いたって所かな?」
「そうですね。この構成にして暫く、何かとトラブル続きでしたから……」

新型のアーキテクチャで構成したティナの新ボディ、いくら実験機も用意したとはいえ一筋縄ではいかなかった。ハード麺の構築が終わった後、ソフトインストールで整合性が取れずなかなか上手くいかなかったのだ。ようやくエラーも修正し、各種パッチをあて、安定稼働に入って一ヶ月……ほぼ問題なくなったと見て良いだろう。

「それにしても、ここまで急ぐ必要があったのですか?」
「昨年の騒動思いだして……ね」

いぜんより、館の夏場は鬼門だった。ティナの筐体内廃熱が追いつかなくなったこともあったし、館の空調が故障したこともあった。そして何より……

「なにより、今年もお願いしようかと思ってね」
そういって、私は彼女に2枚のチケットを見せた

「あーっ! 西京行き夜行エアバスチケット!!」
「今年は2人で行こうか」
「もちろんですっ!!」

ぶっちゃけ、夏の炎天下に彼女の筐体をさらす以上、廃熱処理を強化しておきたかったというのが管理人の本音であった
 
 
 
 
 

   ( 続く )

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あとがき代わりの駄文その86

夏の同人誌即売会、一般参加します。レポートは気が向いたときに(笑)