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BSD物語
 

秒進分歩とは良く言った物で
屋敷のマシンもリプレースしようという話が持ち上がった。
 

CH85:リプレース
 

「ご主人様、いよいよマシンリプレースですか?」
白磁のティーカップにダージリンを注ぎながらティナが私に尋ねてきた。今日のお茶請けはマドレーヌ、程良い甘さが紅茶に良く合っている。

右手でAPD(Area Pointing Device:空間指示操作デバイス)・・・・・・3次元マウスを使う関係上、お茶とかは左手の邪魔にならないポイントにまとめておいてある。その左手でお茶を飲みつつ目は展開されているいくつかのWebショップ店頭に並べられた商品群の値段を細かくチェックしていた。

「ティナ達のボディーとは別に技術検証用で最新OS対応の機器を一台作ろうかと思っているんだけど・・・・・・なにぶん値段がねぇ」
「情報では新型OSはまだまだ不安定で修正パッチが毎週リリースされるほどと聞いています。時期早々では?」
「総合パッチがリリースされるのは今年の夏見込みだろ?それまでには新OSも触ってみたいし、その新OSにあわせてカスタマイズされたハードのアーキテクチャも触ってみたいんだけど・・・・・・はてさて、どうしたものか」
「先にマシンだけ用意してOSは累積パッチリリースからにされては?」

「それでいくかぁ」

話もまとまり、ほどほどの予算でネットショップから一式買うことに話はまとまった。趣味だけでなく、業務にも絡むということで屋敷のマシン維持費から予算を出すことをレイナが承認してくれたのは非常に助かった。そんなわけで一式そろえたのだが・・・・・・

「えー!?IDEが1つしかない!?」
「あらあらあら、メモリも新型規格ですわ〜」
「えーと、何だこのケーブルは?」
「筐体とマザーボードを繋ぐケーブルの取り回し用のようですね」
「CPUに刺がないっ!」
「2世代前のCPUからです」
「これが時代の進歩と言う物か・・・・・・」
「単にここしばらくハードウェアの動向追いかけていなかっただけでは?」
「・・・・・・勉強不足ということですね」

かくして、新型PCセットアップは通常の3倍の時間をかけても遅々として進まなかったが、最終的にはなんとか稼動状態になったのであった。
 
 
 
 
 

   ( 続く )

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あとがき代わりの駄文その85

新型マシンからの投稿第1段ですが。まだ環境完全ではありません。完全稼動まではもう少しかかりそうです。