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BSD物語
 

それは余りに唐突だった

「お暇を頂きます」
「……は?」
 

CH83:USO800
 

「この度本家より全ネコミミメイド達に全改修命令が出ました。理由はコアシェルに深刻なセキュリティ上のエラーが含まれていることが判明したからです」
「セキュリティ上のエラーって何でそんな物が今まで見落とされていたんだ!?」
「原因は不明です。しかしエラーはエラーです。本家よりこの通り詳細なレポートと召喚状も届いています」

その時私は気が付くべきだった。彼らの気質に

「電子透かしも本物だし……コレは本当かぁ。どれくらいで改修終わる?」
「現在急ピッチでコアシェルの換装を行っていますが何分数が数です、1ヶ月は見てくれと技術部からの回答です」
「いっかげつぅ〜!?」
「そしてコレが回収後の予想図です。」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

私は息苦しくなった

余りの驚いたため息をするのも忘れてしまっていた。

呼吸を整えて、ティナに尋ねる。

「なぁ」
「はい?」

「どぉしてバニーなんだ!?」

「ネタですから」

「……は!?」

「本日は4月1日、エイプリルフールです。これは本家からのジョークです」
「まて」
「はい?」
「君の家の本家はジョークのためにわざわざ本物の仕様書と召還表と電子透かしまで用意するのか?」
「ネタは本気でやって意味がある物ですよ?ほら、今年のネタはコレです」
「あー、こっちも来たかぁ」

ティナが見せたくれた物、それは2007年4月1日発行RFC4824、手旗信号によるIPv4とIPv6でのデータ転送規約だった。

海の向こう側の連中がジョークを本気でやっている姿に頭を抱えつつ、あわてふためいた私を見て愉快そうなティナに今度どう返してやろうかと内心考える管理人であった。
 
 
 
 
 

   ( 続く )

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あとがき代わりの駄文その83

ま、RFCなんていうプロトコルやファイルフォーマットの大御所は毎年4月1日トンデモネタを公開してくれます。今年は上記の通り手旗信号式通信プロトコルだったようです。日本もコレくらい気の利いたネタやって欲しい物です。(^^ゞ