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BSD物語

冬も迫りいよいよ冬到来
皆で囲む食卓に鍋とかシチューとかが出始めた
ある日のことだった
 

CH71:染み抜き
 
 

「きゃぁ!」
リビングで再セットアップの終わったメインマシンを紅茶を飲みつつ調整(いじって)いたところへティナの悲鳴が聞こえてきた
「ど〜した〜?」
「あ、ご主人様、ちょっと洗濯に失敗してしまって……」

ティナの声は洗い場から聞こえてきた。紅茶を飲み干しキッチンのシンクへ水を張って入れるとランドリーへと私は歩いた。
ティナはガスの乾燥機と大型洗濯機の間で白いエプロンドレスをためつすがめつ眺めては困った顔をしていた

「んー、これ、ティナの?」
「はい。そうなのですが……此処を見て下さい。」
「ん?どれどれ・・・・・・」

ティナが示した場所はうっすらと青紫に変色していた
「何かこぼした?」
「ええ、さっきブラウンシチューを作っていたときに私が持っていた赤ワインをひっくり返してしまってこのエプロンドレスに掛けてしまったんです」
「で、すぐに染み抜き処置したけど、駄目だったと」
「クリーニングに出そうかしら……」
「主よ、その必要はない」

ひょっこり顔を出したのは美宇だった
手を伸ばしてティナの手からひょいとエプロンドレスを取るとキッチンへと歩き出した。
私はティナと共に美宇の後ろを付いていった。
「クリーニングに出さなくてもいいって、そう簡単に落ちる物なのか?」
「ワインの染みは落ちる染みだ。若干普通の方法とは異なるが、特殊な薬剤を使うまでもない。お湯を借りるぞ」

どこからか白い布を取り出すと床に敷き、さらにエプロンドレスを裏側が上になるように重ねた。その上からお湯を使って叩きはじめた
「染み抜きとは言うが実際は多少異なる。『抜く』というより『裏側から叩き出す』だな」
そういっている内にワインの染みはかなり目立たなくなってきた。

「見事な物だねぇ」
「染みついてからまだ時間が経っていなかったからな。時間が経つと薬剤を使わなければならないが……まぁ、ワイン染みは何とかなる部類だ。また何か有ればいうがいい」
「ありがとうございます。さすがは家の精霊ですね」

ティナの誉め言葉に照れたのか美宇は無口ながら照れていたのだった。
 

   ( 続く )

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あとがき代わりの駄文その71

と、言うわけでワイン染みは何とかなる と言うお話です
いくつか調べてみたのですが染みは付いたばかりなた結構落ちるみたいです
問題は付いてから時間が経った場合……

そういう場合は業者に任せるしかないらしいですね(^^ゞ