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BSD物語

寒さのピークと言われる2月
3連休を堪能した管理人はふとあることに気が付いた
 

CH62:今回はどうなる?
 

「そういや月曜はバレンタインなんだよなぁ」
管理人はカレンダーを確かめつつ、そうつぶやいた。

久しぶりの3連休と言うこともあり、管理人は隣県の電気街まで脚を伸ばしたり仮想戦艦操作ゲームをクリアするなどして久しぶりに羽を伸ばしていた。その間ティナ達に仕事を任せっきりにしていたこともあり、ちょっと彼女たちが何をしているのか気を付けていなかった。

そりゃあ夕食の時とかに顔をあわせはするが別段何時と変わらず……よく考えれば敢えてそういうフリをしていたのかも知れない。管理人は足音を忍ばせつつそっと台所へと向かった。其処では……
 
 

「あーっ!? チョコレートに白い斑点がッ!!?」
「ティナさん、それはチョコレートに水が入ってしまったんですわ。その部分を切り取って、テンパリングからもういっぺんやり直しです」
「レイナおねぇちゃん。こっちのチョコレートかびみたいになっちゃたぁ!」
「あらあら、其方もテンパリング失敗ですわ。ちょっと温度が高すぎたみたいですわね」
「だって私達元々何時も熱放射しているじゃないですか」
「……確かにそうですわね〜」

キッチンではティナ達3人が氷水をはったボウルと湯煎にかけた鍋を前に行ったり来たりして大騒ぎをしていた。チョコレートのテンパリングは暖めたり冷やしたりとかなり忙しいのだが。これに失敗するとチョコレートとして食べられた物じゃなくなる。その作業は油脂結晶を整えるタメなのだがティナ達の演算能力を持ってしてもかなり大変なようだ。

私は彼女たちに気が付かれないようにそっとキッチンの扉を閉めると静かに自室へと引き上げた。
明日、彼女たちがくれるチョコレートを楽しみにして……
 
 

   ( 続く )

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あとがき代わりの駄文その62

昔の少女漫画にはチョコレートを直火で暖める描写がでましたが、最近では湯煎と氷水できちんと作業をしているカットが多いようです。
それでもハート型チョコレートなどを作る際にはテンパリングは必須です。
もし、チャレンジする際には温度計とにらめっこしながらがんばってください