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BSD物語

桜前線の北上をニュースで知る季節のある日
管理人はティナに「一緒に出かけないか?」と声を掛けた
 

CH58:扉にご注意
 
 

「どうしたんです? またHDDでも壊れたんでしょうか」
「そうじゃなくて・・・・・・もし良かったら映画でも見に行かないか」
「また珍しい、明日は雨でしょうか……」
「さりげなく酷いこというなぁ」
「じゃ早速みんなでお出かけの準備をしないと」
「ちょっとまったぁ!!」

そういって部屋を出ようとしたティナをちょっと強引に引き留める

「あの、どうかしました?」
「その……あの……つまり……」
「はい?」
「ええと……だから……」
「一体何なんですか?」
「ええい! ふたりっきりで映画見に行こう!」

一息に言い切る。緊張と告白する勇気に思わず息が切れる

「そんな息を切らせてまで仰らなくても」
「ああそうさ。で、リクエストはある?」
「『ファイナルサムライ』 ですとか 『KING OF THE RING』ですとか……」
「『KING OF THE RING』ならチケット有るよ」

其処まで言ったとき、ティナが片手をあげて私を制した。

「でしたらその映画にしましょうか。しゅっぱつはそうですね」

足音を立てないようにそっと扉に近づき……

「此処にいる皆さんが揃って出られるお昼前にしましょうか!」

「あらあら見つかってしまいましたわ〜」
「重い……」
「レイナおねぇちゃん、胸がくるしいっ!」
「あらあら、そんな暴言吐くのはこの口でしょうか〜」

ティナが勢い良く開けはなった扉からはお約束通り美宇・メイル・レイナが積み重なって倒れ込んできたのだった。

「ご主人様、人数分チケットありますか?」
「今から何とかしてみるよ(汗)」
 
 
 
 

 ( 続く )

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あとがき代わりの駄文その58

メイル:「でもさぁ、二人だけでだまって映画に行こうだなんてずるいよぉ」

ティナ:「せっかくのデートだったのに……それもこれもみんなあなた方のせいです!」

レイナ:「まぁまぁ、皆さんで行く方がたのしいと思いますわ〜」

ティナ:「せっかくのホワイトデーのお返しがぁ……クスン」