BSD物語CH56:あの丘を攻略せよ!
「キングよりクイーンナイトポーンへ、状況知らせ」
「こちらメイル……じゃなかったクイーンナイトポーン、この符号長すぎるよぉ。もうちょっと何とかならない?」
「わかった、QKPと略せ」
「りょ〜かい、こちらQKP、ゲートへ到着、ゲートより30cmにワイヤートラップ発見、コレより解除作業に入る」
「キングよりQKPへ、それはおとりだ。そいつの5cm上に赤外線型通報装置がある」
「マジ? 了解。ワイヤートラップ解除作業はワイヤー下方から作業に入る」
「キングよりQKPへ、ワイヤーは解除できたか?」
「QKPよりキングへ。トラップ解除成功、更に奥へ進入する」
「キングよりQKPへ、台地の手前に今度は紫外線センサーだ」
「QKPよりキングへこちらで確認した。他にトラップが無ければトラップ上方をフライパスするがどうか?」
「キングよりQKPへ他にトラップ無し、フライパスしても大丈夫そうだ」
「QKPよりキングへ台地へ進入。目的構造物を発見。ターゲットの確保へ移る」
「キングよりQKPへ他にトラップらしきのはないか? こちらでは確認できない」
「QKPよりキングへ、こちらでも他にトラップはない。ターゲット確保作業へ入る」
「キングよりQKPへターゲット確保作業へ入られたし」
「QKPよりキングへ ターゲット確保成功!」
「よし、撤収するぞ!」めでたく戦利品の黒豆を確保した我々は管理人の部屋へ撤収した。
「じゃ早速いただきますか」
「レイナおねぇちゃんの黒豆って絶品だしね」
「一体いつの間にああいう日本料理もマスターしたのやら。はい、メイルのお茶だよ」
「ありがとう、マスター」
「では」
「「いただきま『チェックメイトです。其処までですわ〜』」」わたしは黒豆を口に入れる直前で凍り付いていた。なぜなら首筋にプニプニした柔らかな触感のにくきうが爪と共に押し当てられていたからだ。向かいのメイルは背後に回り込んだティナから抜き身の妖刀アクセスリストを押し当ててられていたいた。となると、このにくきうは・・・・・・レイナか?
「ひとつだけ聴いて良いかな? レイナ」
「命乞いですか?」
「いや、どうして黒豆強奪がばれたのかなぁと。トラップは全部解除したはずなのに……」
「簡単なことですわ、お重には重量センサーが仕掛けてあって、誰かが獲物を持って行ったら反応するようにしてあったんです。おかげでこうやって泥棒ネズミを捕らえることが出来ましたわ〜」正直、ティナよりレイナの方がおそろしい。彼女はティナと違ってにこやかに笑いながら相手をねじ伏せる。情け容赦ないと言う意味ではティナ以上なのだ。
「一体私をどうするつもりなんだ?」
冷や汗をかきながら私への刑罰はそれはそれは恐ろしい物だった
「ご主人様は餅抜き、栗きんとん抜き、煮豆抜きですわ〜」
「お代官様! なにとぞ御慈悲を〜〜!!」
かくして、新年早々管理人の嘆願が屋敷に響くのであった
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あとがき代わりの駄文その56
メイル:「ええっと、ボクの処罰は?」
ティナ:「マスターに準じます」
メイル:「そんなひどいよ〜!」
美宇:(私のを後で分けてやろう。だからがまんしろ)
メイル:(うん、美宇ありがとう!)
管理人:「で、これは一体?」
私の横にはティナがどん! といすわり、その取り皿には栗きんとんと煮豆がてんこ盛りになっており、1椀しか置かれていない雑煮には餅が大量に入っていた
ティナ:「あ、間違って私の分がご主人様に行ってしまったようです。せっかくですから私が食べさせてあげます。はい、ア〜ン」
管理人:「え〜っと(汗)」
反対側を振り向くと、同じく栗きんとんと煮豆と大量の餅入り雑煮を構えたレイナが待ちかまえていた!
レイナ:「あらあら、マスター。私に食べさせて欲しいんですかぁ?」
管理人:「う〜〜、あ〜〜、その〜〜 美宇!助けてくれ!!」
美宇:「くりすますでーととかの代わりだそうだ良かったではないか」
かくして、新年早々二人のネコミミUNIXメイドに囲まれると言う嬉しいような拷問のような日々を過ごしたのであった。何しろお腹いっぱいになっても食べさせてくれるのだから。
あぁ、餅で増えた体重、いつ落ちるんだろうか……