BSD物語
レイナが来て数日たった。
手数をこなす事で作業量を稼ぐティナに対し、一見のんびりと、しかし確実に
仕事をこなしていくレイナ。なかなかにいいコンビのようだ。
そんなこんなで僕はすっかりティナに話しておく事があるのを忘れてしまっていた。レイナの秘密を・・・・・・
CH23:映身(うつしみ)
その日は貯まりに貯まったライブラリ内の蔵書データ(小説・資料等)のデータをレイナが、
日常の仕事をティナが担当していた。
以前は全てティナ一人でやっていた。全部の作業は出来ない為、日常の仕事を優先させた結果、
なかなかデータ整理が出来ていなかったのだが、今では分担して作業を行うのでデータ整理も
順調に出来るようになった。
(ティナ:にもかかわらずデータ整理が全然終わらないのはどういうことなんでしょうか?)
レイナがライブラリに入って数時間後・・・・・・
どんがらがっしゃーーーん
盛大に転倒する音がした。
ティナ:「おそらくレイナがこけたのでしょう。見て来ますわ。」
管理人:「僕も行こう!」
まず目に入ったのは転倒した時に落としたであろう彼女の赤いメイドキャップ
そして散乱したファイルの中、気絶しているレイナの姿だった。管理人:「大丈夫か!?」
???:「・・・・・・あぁ、大丈夫だ。」
ティナ:「レイナさん?」
???:「れいな?
違うな。私の名はミレイ=ゲートキーパーだ。
レイナという名前は私が認識しているドメインには登録されていない」ティナ:(ご主人様、レイナさん頭の打ち所が悪かったんでしょうか)
管理人:(事情は後で説明する。まずはミレイの体の方が心配だ)
管理人:「目が廻るとか吐き気がするとか無いか?」
ミレイ:「・・・・・・セルフチェック中
該当問題点なし、頭に打撲による軽い打撲傷がある以外は問題無い。
それよりこの部屋の整理できていない様はひどいな。
メイドはファイル管理業務をしっかりしているのか?」ティナ:「なんです!その失礼な言い分は!!」
レイナ:「事実を指摘したまでだ。
指摘されて怒るという事は問題があることを理解しているという事。
その問題点を承知しているのならなぜ解決しようとしない?」痛い所を指摘され黙ってしまうティナ。そろそろ助けてあげるか・・・・・・
管理人:(ティナ、なんとか彼女を気絶させてくれ。)
ティナ:(・・・・・・本気ですか?)
管理人:(まかせろ、私に策あり)
ティナ:(どうなっても知りませんよ)
ええーーい!
紫電一閃、彼女のスパークがレイナを包む。
ショックで崩れ落ちるレイナ。僕は彼女が落とした赤いメイドキャップを拾い上げると
慌てて彼女にかぶせ彼女を起こした。
・・・・・・しばらくし、彼女は気が付いた。
レイナ:「ふぁ〜あ。おはよ〜ございますぅ」
ティナ:「大丈夫ですか?」
管理人:「大丈夫見たいだね。」
ティナ:「一体何があったんですか?」
管理人:「実は・・・
彼女は二重人格(デュアルブート仕様)なんだ。
メイドキャップをつけずに起きると、もう一人の人格(OS)「ミレイ」
になるんだ。」ティナ:「そうだったんですか・・・・・・
それにしても失礼な方でしたね。」管理人:「しょうがないよ。彼女の流派はUNIXじゃ無くWindowsだしね。」
ティナ:「Windows派ですって〜!
あんな流派認めません!!」管理人:「まぁまぁ、
問題がいろいろ有るとはいえ彼女のデバイス認識とかあれはあれで優れている部分も多いし。
ティナも経験だと思って我慢してほしいんだ」ティナ:「ご主人様がそうおっしゃるんでしたら・・・・・・」
同意は出来ないが取り敢えずは納得した様子のティナ。
これは一波乱ありそうだな・・・・・・−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−
あとがき代わりの駄文その23
ティナ:「よりによってWindows流なんて断固として認めません!」
ミレイ:「なら、おまえのわかりにくいインターフェースを初心者に押しつける気か?
私のデファクトスタンダード(業界標準)は伊達ではないぞ?」ティナ:「Windowsなんて不安定だしシステムセキュリティはぼろぼろだし・・・」
管理人:「やれやれ、OS戦争になってきたな」
ミレイ:「しょうがない、覚悟の上だ。だから私は陰の存在として隠れていたんだ。」
管理人:「う〜ん、まるでグレースだな」
ティナ・ミレイ:「??????」