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BSD物語

この狭い家でティナが働くようになって一ヶ月が経ったある日。

いつも笑顔で働いている彼女が珍しく深刻な表情を浮かべていた・・・
 
 

Ch05:生活圏を浸食する者
 
 

ティナ:「ご主人様、少しご相談があります。」

彼女がこの家にきてから、僕たちはいつも二人で3時にお茶の時間を持つことにしていた。

ティナはいつものようにお茶の準備をしてから、深刻な表情を浮かべそう話を切りだした。普段と違う彼女の雰囲気に僕は何事かと思った。

管理人:「何か問題があったの?」

ティナ:「本来、私どもメイドがご主人様に意見するなど
     あってはならないことです。しかし……今回ばかりは状況が
     状況だけに申し上げます。」

管理人:「?」
  
 (そこまで深刻な問題って・・・何かあったっけ???)

ティナ:「ご主人様、この資料を見ていただけますか?」

管理人:「何々?9月1日、HARB書店より書籍5冊、同3日、脇宮書店
     より書籍3冊・・・これは今月購入した本のリストだね」

ティナ:「その通りです。今月ご主人様は30冊近く本を購入されて
     おりますご主人様がいつもご利用されている書店様に確認
     したところ、一ヶ月当たりで購入されている書籍の割合がここ
     数ヶ月で上昇しています。」

管理人:「確かに、君の言うとおり買っている本の冊数が増えているな
      とは自覚しているけど・・・そんなにお財布に響くほどじゃ
      無いよね?」

ティナ:「問題点はそこじゃないんです。」

管理人:「??」

ティナ:「この割合のまま一ヶ月当たりの購入書籍数が増えた場合、
     3年後にはこの家のすべての部屋は書籍であふれると
     シミュレート結果がでました。」

管理人:「・・・いくらなんでもそんなオーバーな。」

ティナ:「念のためご確認しますが、本を大切に管理されている
     ご主人様がまさか、キッチンにまで本を置いたり居間や
     客間まで本をあふれさせたり・・・そんなおつもりは
     ありませんよね?
     このまま本を購入されると確実にそういった状況になるの
     ですが・・・・・・」

管理人:「まじ?」

ティナ:「2年後か3年後か・・・・・・いずれにしても時間の問題です」

手元の資料は彼女の発言を裏付けていた。突きつけられた現実に僕はお茶もそこそこに翌月以降の書籍購入計画について再検討に入るのだった。

 ( 続く )
 

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あとがき代わりの駄文その05

ティナ:ご主人様、読んだ方が少なくとも二人はいることが判明しましたね、このコーナー。

管理人:アップロードしてから言うのも何ですがお恥ずかしい限りです。

ティナ:でも、内容がわかりにくい部分も多いのでは?

管理人:そのうち設定なども記してアップロードしたいと思います。
          今後もこのコーナーよろしくお願いします
           m(_ _)m