*珀明の憂鬱*
(黎深・絳攸・珀明)
【4】
きしきしと長榻が軋む音と、しばらく絳攸の息遣いのみが続いた後、
一際大きな黎深の溜息が聞こえてきて、珀明はビクッと身を震わせた。
「私も疲れてきた。これで終わりにしていいな、絳攸?」
「は、はい。どうもありがとうございました、黎深様」
「今日はずいぶんと良さそうだったな」
「はい。久々でしたし。とても身体が軽くなった気がします」
「そうか。なら、今度はお前が私にしてみろ」
「え、俺がですか」
「なに、私がやったのと同じようにすればいい。気持ちよく、させてくれるな?」
「……自信はありませんが、黎深様がそう仰るのなら……。俺、がんばります!」
「ふふ、そんなに力むことはない。――ああ、お前が上に乗れ。その方がやりやすいだろう」
「ですが……」
「構わぬ。どうせお前は軽い」
「あ、……はい……」
きし、きし、と長榻の軋む音が聞こえて、二人が体勢を入れ替えているのだと知れる。
これでもかというくらいに耳を尚書室の扉にぴったりとつけて、珀明は固唾を呑んだ。
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