*珀明の憂鬱*
(黎深・絳攸・珀明)


【3】

「ココはそろそろいいだろう、絳攸。ちょうどよく解れてきたようだ」
「はい。ありがとうございました」
「礼を言うのはまだ早いぞ。――絳攸、うつ伏せになれるか?」
「え、あ、はい……」
「ゆっくりでいい。そぉっと動けよ」
「はい」
きしっ、と木が軋む音がする。
先ほどから断続的に聞こえていたきしきしという音は長榻が軋む音だったのだと、
そこでようやく珀明は気がついた。
「これでいいですか、黎深様」
「よし。では今度はこちらを……」
「は、はいっ。あ、あ、……っ。ィたぁ……ッ」
「ああ、急に力を入れすぎたか。――これくらいならどうだ?」
「あ、はいっ。ちょうどイイ、です……っ」
「イイ、か」
「はいっ! 気持ちイイです……んっ」
「――ならば、……これならどうだ?」
「れ、れぇしんさまぁ……」
「ふふ、何だその溶けそうな声は。そんなにコレがいいか、んん? 言葉も出ないか、絳攸」
言葉の形を取らない喘ぎのような声と息遣いが洩れ聞こえてきて、珀明は目を見開いた。
(し、尚書室でいったいナニが!! ていうか絳攸様ぁ〜〜!!!)

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