07.1.28 アプラホール大会

 この三日前から大阪に滞在していた。連続休暇で、職場の友達と一緒にお笑いを見に来たのだが(日記参照)、出発前、「日曜は、私だけプロレスを見に行くんよ」と親に言ったところ、「そんなこと(別行動)するもんやない」と、「人としてダメだ」みたいに真剣にいさめられた。

 一昨年、やはり連続休暇で大阪に来たとき、大阪プロレスを見ようとしたら、ちょうどその週だけ試合がなくて見られなかったが、今回も、この日は、いつものデルアリではなく、高石市で試合。デルアリなら、泊まっているホテルから地下鉄で一駅なのに。が、まだ高石は大阪府内だからマシだと思うことにした。

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 一緒に旅行していた友達のうち二人は、この日松山に帰ったが、その見送りもせず、親の心配した通り、人としてダメなありさまで昼まで寝てとろとろと支度をし、歩いて難波に行って南海線に乗る。いつもなら、早起きして、5、6時間かけて高速バスで来るのに、大阪の人になったみたいで嬉しくなる。
 高石には快速は停まらないので、1時17分の普通電車に駆け込む。試合は2時からだ。途中の駅で10分くらい停車したりして、これは完全に間に合わないかと思ったが、何とか、2時10分前に高石に着く。

 会場のアプラホールは、駅の正面だということはネットで調べていた。独立した大きな建物を想像して、すぐわかると思っていたら、駅を出ると小さめのショッピングセンターみたいなのがある。そこの3階らしい。迷子になりつつエスカレーターで上がると、幸い、試合はまだ始まっておらず、会場前には選手の方々がウロウロしていた。
 当日券を買うと、当券の方が前売りより500円高いはずなのに、前売りと同じ値段。チケットには「前売り精算券」と書いてあった。何だそれは。しかも、リングに近い指定席を買おうと思ったら、「自由席でも十分見えますよ」と止められる。なぜ、なるたけ安く券を売ろうとするんだ。こちらは嬉しいが、普通逆だろう。

 言われた通り、自由席はひな段で見やすかった。が、日記にも書いた通り眼鏡を忘れたので、選手の顔が全くわからない。大阪プロレスの方々のカラフルなコスチュームがありがたい。パンクラスだったら誰が誰かわからなかったと思う。
 入場式があった。冨宅さんが入って来ないのでイヤな予感がしたが、「でも、バッドフォースのメンバーも入って来ないし」と、冨宅さんは正規軍なのにルード組と同じに考えて自分を納得させようとした。結果から言うと、この日冨宅さんの試合はなく、がっくり肩を落として帰る羽目になる。

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 第一試合は、ロベルト田中選手と政宗選手の試合。ロベルト選手ははじめて見る。名前はこんなだが、押しも押されもしない日本人らしい。私は、ロベルトというとロベルト本郷(キャプテン翼)しか思いつかない世代だ。最近何かと気になっている政宗選手が、貫禄を見せて勝った。

 第二試合は、ディンゴ選手とアジアン・クーガー選手の試合。ディンゴ選手もはじめて見る。名前からしてオーストラリア出身なのだろうか(ディンゴ=オーストラリア特有のイヌの仲間)。ディンゴというと、ブラック・ジャックに寄生虫をうつして死にかけさせたことしか思いつかない世代だ(どんな世代だ)。
 ディンゴ選手は、その名の通り、オオカミに似たイヌ的なマスクをかぶっていたが、試合がはじまると脱いでしまう。かぶったまま試合すると思っていたので驚いた。そして、試合前、チケット売り場付近にいた金髪の男性が、ディンゴ選手だったとわかった。
 そんなありさまなので、キャラもつかめてなかったのだが、ディンゴ選手はパイプ椅子を持ち出し、クーガー選手に椅子チャンバラを挑むが手が痛くなってやめ、続けて机を持ち出し、ラフファイトを挑みそうに見せかけて普通に座り、クーガー選手に腕相撲を挑むが速攻で負けていた。

 第三試合は、ツバサ選手・ラ・内田選手・原田大輔選手組対、GAINA選手・ゼウス選手・コンドル選手組。ツバサ選手を久しぶりに見られて嬉しかった。
 ゼウス選手が入場のとき、フライパンを曲げてくれると思っていたら、してくれなかった。大阪プロレスで「フライパン募集」をしていたが、フライパンが集まらなかったのだろうか。最近のフライパンは、安いものは本当に安いが、それでも毎回曲げていたらバカになるまい。フライパンはゼウス選手の自腹なのだろうか。誰か忘れたが、大昔のアイドルが、コンサートのたびに客席にハンカチか何かを投げていて、自腹だったので大変だった、とテレビで言っていた。私も使わないフライパンはあるが、くまさんの形なのでゼウス選手には似合わない。ホットケーキを焼くとくまさんの形になるのだ。

 フライパンのテフロン加工は、羅針盤の発明・紙の発明と並んで、世界三大発明と呼ばれているが、テフロンが出たときは、世の中にこんな便利なものがあるのかと思った。今の若い子は、テフロン加工じゃないフライパンなんて知らないのだろう。ついでに、今の若い子は、炊飯器とジャーが別々だった時代なんて知らないのだろう。ご飯を炊いて、ジャーに移すのを忘れていると、冷えてしまうのだ。あれはあれで、ご飯が少し残っていても次のが炊けるから便利なのだが。
 話がそれすぎたが、GAINA選手が原田選手を捕らえて、鳴門海峡で勝利。

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 休憩のとき、ちびっこをリングに集めて、プロレス教室があった。男の子も女の子も、すごく小さな子もいたが、皆そろってスクワットしたり前転したり、頑張っていた。しかし、女の子が、よりによってスカートの子ばかりで、前転は遠慮してもらうことに。私が小さい頃は、スカートの下にブルマを履いてたものだが、今の子はどうなんだろう。もし何か履いてるにしても、学校のときだけかも。もっと考えて女の子を選ばなければ。女子は幼稚園から、灰になるまで女子なのだから。

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 第四試合は、タイガースマスク・小峠篤司選手組対、ビリーケンキッド・秀吉選手組。荒れた試合になり、ビリー選手の反則負け。と、ロベルト田中選手とディンゴ選手が駆けつけ、「こんなんじゃお客さんが納得しない」と、急遽再試合。正規軍にはロベルト選手とディンゴ選手、ベンタバルにはクーガー選手と政宗選手が加わり、四対四に。

 するとさらに荒れた試合になり、全員が場外乱闘を始める。が、四対四のいいところで、全員が散らばると、「リングの向こうで暴れてるから何も見えない」ということがない。私のいた方にはタイガース選手が引きずられてきた。私の横は階段通路で、その上には二階席が張り出していたが、タイガース選手はそこまで連れて行かれて、二階席から落とされていた。怖かった。
 最後は、ビリー選手が、必殺技のコウモリ吊り落としで勝利をおさめ、マイクを握ると、タイガース選手に向かって、「そんなことで、2月12日のグランキューブ大阪、おれに勝てるのか!」と、次のビッグマッチをさりげなくアピール。
 ビリー選手のチョイ悪のことは前にも書いたが、今回、帰ろうとしたビリー選手は、「おっと、言い忘れたことがあった」と引き返し、観客(ベテラン常連客)が「ええーー??」と言うと、「おれはワルじゃない!チョイ悪だ!!」と叫ぶようにグレードアップしていた。

 メインは、スペル・デルフィン選手・くいしんぼう仮面・YUKA選手組対、フラッシュムーン選手・ミラクルマン・アイスペンギン選手組の楽しい試合。盛り上がっていた。えべっさんが欠場中なので、いつの間にか、かわりをミラクルさんがつとめるようになっている。ミラクルさんのしゃべりは普通にしていても私のツボに入る。
 関係ないが、一度、くいしんぼう仮面に握手してもらったことがあるが、あんなにカワイイのに、手はごつごつしていてたくましかった。プロレスラーなのだから当然だが、パンダの目が意外に怖かったときみたいに、ちょっと引いてしまった。

 ペンギン選手が、いつの間にかヒップアタックをマスターし、「やばいって!」「やめろって!」などと、越中モノマネをしている。この旅行中にホテルで見た「アメトーーク」で、ちょうど、ケンドーコバヤシ率いる越中詩郎大好き芸人と、ガンダム大好き芸人が対決していた。その日はホテルに帰ったのが12時半をすぎていたのに、まだ「アメトーーク」をやっていてビックリした。その翌日、baseよしもとでお隣の方とお話させていただいたとき、私が大阪プロレスの話をすると、その方が気をつかって、越中芸人のことを話題にのせてくださった。それでわかったのだが、大阪では、大阪独自の番組をやるため、「アメトーーク」は一時間遅いらしい。

 越中ファンの方々は、本当に、この突然訪れた越中ブームを喜んでいるのか。できれば一生そっとしておいてほしくはなかったのか。そんなことはどうでもいいが、くいしんぼうの異様に長い首かっ切りポーズの隙を突いて、ミラクルさんが勝った。ミラクルさんは、試合後、グランキューブ大会をアピールし、「この中で見に来る人?」と、客席にたずねると、何だかイヤにリアルな数しか手が挙がらなかったのだが、やがて皆手を挙げはじめる。「おまえらホントやろうな」と、ちょっとキレていたミラクルさんだった。

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 冨宅さんの試合が見られなかったので、あまりの悔しさに、せっかく来たんだから誰かと写真を撮らせてもらいたくて、入口近くでファンサービスにつとめていたタイガース選手にお願いする。タイガース選手は、「おい、ちょっと、撮って」と、近くにいた白鳥智香子さんを呼んだ。夫婦の会話を目の当たりにしてちょっとドキドキした。その節はありがとうございました。

 帰りにショッピングセンターの中を通ると、駄菓子屋さんで、ファンタを70円で売っていたので、買おうとしたが、荷物が重くなるのでやめる。出口を間違え、駐車場に行ったり、裏口に出たりする。催し物案内に、ポスターが貼ってあった。ポスターには冨宅さんが出てるのになあ。

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 南海で難波に帰り、友達と合流してご飯を食べる。友達は買い物に行き、私はホテルに帰って、パンクラスの高橋選手の出演する、サンテレビ「サン虎検定」を見る。
 各界の著名人が、阪神タイガースの知識を競う番組だが、問題が異様なまでに本気で検定にかかっており、難しい。高橋選手は、「パンクラスの鬼軍曹」と紹介されていたが、いくら大阪が都会でも、そんなにパンクラスは一般常識じゃないと思うのに、パンクラスについては一言の説明もなく進行されていた。司会の男性も、「今度、ぜひベルトに挑戦してください。船木さんにもよろしく言っときますんで」と内輪に入る。わかろうがわかるまいがどうでもいい感じだ。番組全部そんな感じだった。
 高橋選手の成績はあまりよくなく、「もっとがんばりましょう」だった。答えが「高橋(阪神の選手名)」だった問題のとき、司会の男性がわざわざフッてくれたのだが、答えられなかった。まあ、Mさんもお書きになっておられた通り、あまりガンガンに答えられても逆に引いてしまうが。

 間に流れる、豆乳石鹸のCMが、「今時ありえないほど粗悪」(大阪の友達談)で、豆乳石鹸で洗顔したお母さんが、延々、床を転がりまわって笑ってるだけ。チャンネルを変えたくなるCMは多いが、実際変えたのは久しぶりだ。友達が、この番組を、DVDに録画して送ってくれた(ありがとう!)が、豆乳石鹸は無論早送りだ。この世に早送りというものがあって本当に良かった。ちなみに、早送りの伝来は、稲作伝来・鉄砲伝来と並んで、日本三大伝来と呼ばれている(ただでも文が長いのに不必要なウソを書くな)。

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 翌日、冨宅さんへのお誕生日プレゼントを預けに、デルアリに行く。バースデーカード(日記参照)をいただいたお礼だ。グッズショップにいたやさしそうなお姉さんが預かってくれた。

 試合の前日、USJに行ったが、新今宮で乗り換えたとき、フェスゲが見えた。ミラクルさんも、「新今宮のデルアリにも来てください」と言っていたし、地下鉄の動物園前駅からしか来たことがなかったが、JRだったら新今宮が近いのでは?とようやく気づく。地上に出て駅をさがすと、ホントに近かった。難波に帰るため、JRに乗ってみる。
 日記にも書いたが、USJから難波に帰るとき、ユニバーサルシティ〜〜西九条[乗り換え]〜〜新今宮[乗り換え]〜〜難波、と行こうとしたら、新今宮で乗り間違え、西九条の一つ手前の弁天町まで戻ってしまう。快速なので弁天町まで止まらなかったのだ。今度はそんな間違いはするまいと思いつつ電車に乗ったら、また弁天町に行ってしまう。もう二度と「大和路快速」には乗るな自分。


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