たのしかった性転換ツアー(パクリ)手術体験編3〜第1回目の手術後



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手術体験編4〜第2回目の手術



手術の翌日(2日目)は、絶対安静です。
経過が順調なら、3日目から少し歩くことが許されます。
出血の状況次第で、1〜2回の膣腔内スポンジ交換があります。



患部(絵:能町みね子さん)とアイスノンと尿バッグ

患部は、こんな感じです。何て、前バリな状態w
患部の辺りに、赤のボールペンのようなもので書かれた、下書きのラインが残っていました。

左の管は、ベッドの下に釣り下げられた尿バッグにつながっています。
右の管は、ベッドの右後方にある吸引装置につながっています。
股間には、アイスノンが、あてがわれます。キンキンに冷やすと、幾分、痛みが和らぎます。



2日目のこと

とにかく、訳が判らないぐらい鎮痛剤が効いています。泥酔したときに近い感じ。
それでも、患部は、ズーンと鈍い痛みを感じます。
アイスノンが温くなってくると、腫れと痛みが増して来ます。
部屋は、エアコンのせいで乾燥しているので、咽も痛くなります。
一番右が飲んでた水。象さんのラベル。

無理にでも、目を醒まして、水をマメに飲んだり、患部を冷やす方が良さそうだと思いました。
アイスノンが温くなると、ナースコールして替えてもらいました。
用件が判らないので、すっとんで来てたらしい。ごめん。

テレビをつけて、画面を凝視しながら、必死に目を開けていました。
意識が朦朧としていて、番組の内容など判らない、でもチャンネルを選ぶ気もおきない。
只々、必死なだけで、何も考えてはいない。
たぶん、凄く怖い形相をしていたと思います・・・。



注意事項としては、
ベッドから出てはいけません。
仰向け、横向き、またはうつ伏せなど寝返りを打つことは構いません。
ということなのですが・・・

痛みもあるし、患部は左右に管がつながっているし、左手には点滴の針も刺さっているし、
腰にも下半身麻酔用の針が刺さっていますので、そうそう動けるものではありません。
だけど、寝て起きると、アイスノンは、どっか行っちまってます。不思議。
ベッドの下に、転がり落ちてたりします。
看護婦には、ちゃんと患部に当ててないとダメなの!みたいに言われますが無理(^_^;)



3日目のこと

経過が順調なら、少し歩くことが許される日です。
朝の回診で、Dr.サングワンが、歩いてみるか?と尋ねました。

まだ痛みは、昨日と変化ありません。
躊躇していると、トゥモロー?と聞いたので、
イエス、トゥモロー.と答えました。
Dr.は、OK・トゥモロー・トライ.と微笑んで、帰りました。

ところが、その直後に、考えが変わりました。
”歩けない=回復が順調では無い”と思われたらどうするのか?
私は、最短で日本に戻って、約束した仕事をしなくてはならない。
歩いてみるしか無くなりました。
恐る恐る、ベッドの淵につかまって、立ってみました。
きつい。
平衡感覚が怪しいし、患部の中味が、ズリ落ちて出そうな感じがします。

それでも、何とか洗面所まで歩いて、顔を洗って、歯を磨き始めました。
ただ、それだけなのに、途中から足がカクカクして、意識が遠のきそうになります。
ベッドに戻った私は、息が上り、ゼーゼー言ってました。
とにかく、疲れます。



個人差はあるらしいのですが、私は入院中に、かなり痛みがあった方だと思います。
看護婦さん日本語は何も通じないはずなんだけど、「痛い」って言葉は知ってる。
痛そうに言わなくても、みんな判る。
そんで、「大丈夫、痛くない」って言うと誰も判らない(ノ_・、)



4日目のこと

膣腔内のスポンジ交換の日です。
再び、飲食が禁止されて、朝から6時間ほど点滴のあとに、
手術室で、交換作業があります。30分ほどで終わりました。

ここまで、予定より1日早めで順調な進行です。

交換した後、パッキングが剥がれて、空気が漏れる音がしたので、
ナースコールする事態があったんですが、来る前に塞がっていました。
吸引しているので、ちょっと手で押さえるだけでも、自己修復して貼り付くようです。



5〜6日目のこと

引き続いて静養です。
そろそろ、患部の痛みの質が、変わってきたのを感じます。
只事ではない大怪我だという感覚があったのが、大分薄れてきた感じ。
同時に、点滴の針、下半身麻酔用の針、導尿の管が、かゆくなってきました。



ちょっとだけ元気になってきたので、ナース・ステーションまで歩いてみました。
廊下へ出て、2部屋分だけの距離で、大したことは無いんですが、まあ少しずつということで。
   

ここに、体重計があるので乗ってみたら、6kgも減ってました。
−6kg/6日って、かなり限界ダイエットなのでは・・・。体力消耗するわけですよ。



もっと元気が出てきたので、3階の雑貨店まで行ってみることにしました。

フロア新棟のレイアウト
6階30の病床
5階30の病床←ココにいた
4階美容形成、歯科、血液透析センター、専門クリニック
3階総合診療、小児科、婦人科、受付、雑貨店←目的地
2階屋内駐車場
1階屋内駐車場、カフェテリア

つい、元コブ斜面専門スキーヤーの血が騒ぎ、階段で下ることに。
太腿と臀部の脚力には、自信があるのですよ。どのぐらい回復したかなー。

4階まで降りたときに、結構足腰に来るなあ、と思ったんですが、
あと、1つなので、そのまま下へ。
3階と4階の中段で動けなくなりました。周りの景色が、ゆっくりと旋廻し始めて。
そう、ここは、中段の踊り場。
エレベーターは、中段からでは乗れません。
さすがは病院。全く誰も通らない。
20分ぐらい、そこにいたでしょうか。
ようやく少し収まって、動けるようになったので3階へ。
30秒ぐらい雑貨店の中を見て、エレベーターで帰りました。
移動用の寝台サイズなのが何か嫌。

全くアホで、どうしょうもねえ(o_ _)o



6日目の晩は、翌日の2回目の手術のため、再び飲食が禁止されます。



2人目、3人目の同胞と知り合うことができました。
退屈してくるので、当事者同士で話せることが楽しいです。

【あやかさん】
私と違って、完全パスを目指している人。退院したら、料理学校へ行くらしいです。
メンタルクリニックの先生からも、女性だけの輪の中でのRLEを勧められているんだとか。
夢も希望もあって、素晴らしい。
残念ながら、ダーティな私とは、少し反りが合わなかったかも知れない(^^;)

【かおりさん】
数年前に、手術した人で、休みに静養目的で来ているそうです。
自分を見つめなおして、メンタル的にも、原点に立ち返る意味があるらしいです。
MtFとしては、珍しい営業職で、在職トランスらしいです。凄いことだと思います。
何でも、手術のときは、3ヶ月分のノルマをこなして、
文句も言わせない状況で、休暇を取ったそうです。素晴らし過ぎます。
女性声の練習は、営業車の中でやったそうです。



テレビ放送

テレビは、NHKの海外放送と、ディズニーチャンネルを見ていました。
英語が判らないので、このぐらいしかないのです。
特に、毎日30分間放送されるMr.ビーンを、楽しみにして、見ていました。
だけど、あまり何話も無いようで、結構見たことがある放送に当たります。
そう思うと、サザエさんは凄いよ。



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更新日:2009年5月8日

このコンテンツは、
Satomi on the earthさん、橋本佳美さん、山本蘭さん、
能町みね子さん、咲山里菜さんのHPからお借りした画像を含みます。
はっきり言って不正な引用なのですが、なにとぞ、お目こぼしを・・