ガレージシャンソン歌手 山田晃士の
『嗚呼、泥沼回顧録』
其の六拾壱
見返り美人



師走。
誰もが後ろを振り返る季節。
二〇〇六年、あなたは”見返り美人”に成り得たであろうか。

私は毎年この時期になると、
後悔の念を抱き、そしてひとつひとつを諦めるようにしている。
多くを求めて、潔く諦める〜これが私の信念だ。
嗚呼、無駄ばかりの人生だ。無駄むだムダ。

二〇〇六年は区切りの年であった。
所属事務所からの離脱。
ガレージシャンソンショーの活動休止。
時折こんな一年がやって来る。


区切り をつけた後には、
よだれで枕を湿らすような虚無な季節が訪れる。
もぬけの殻、ナマケモノの本領発揮。
駄目人間が人生を棒に振るってヤツさ。

だがしかし、四十にして惑わず、
今の私は唄いたくて仕方が無い。
他にやる事など無い。
よりシンプルに、より赤裸々に、
余分なモノを排除して”唄うたい”を全うする。
二〇〇七年、自分にどんな唄がうたえるのか、
愉しみでしょうが無いんだ。
柄じゃ無いのだが…。

皆様、良いお年を。
御機嫌よう。


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