ガレージシャンソン歌手山田晃士の
『嗚呼、泥沼回顧録』
其の参拾八

〜籠の鶏



二千五年睦月。
元旦起床は午後七時。
初夢見れず。
姫始めならず。
昼さがりの美酒に溺れる。
お年玉あげずもらえず。
靴履かず。
年賀状は返事のみ。
電話にも出ず。
怠惰怠惰怠惰。
不様不様不様。
BGMは『夜が明けたら』。
私が最も私になる時。

今年も相変わらずの幕開けだ。
誰からも見向きもされない。
まずは籠を壊そうか。
そうしないと唄えないからな。
そうしないと飛べないからな。


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