ガレージシャンソン歌手山田晃士の
『嗚呼、泥沼回顧録』
其の参拾四

〜魔法から秘密へ



今年の夏は一度も海へ行かなかったなあ。
もう何年行ってないんだろう...。
ガレージシャンソン歌手もその昔は 週1、2のペースで
葉山の一色海岸に行っていたのだよ。バンド仲間達と。
リハ終わってファミレスで時間つぶして
そのまま横浜横須賀道路飛ばしてLET'S GO!!!
ビールをケースで買い込んで明け方到着。
全員長髪。後ろ姿は性別不明。全員酔っぱらい。
ラジカセからはハードロック。真っ昼間から花火開始。
周囲の呆れた視線もなんのその。「花火を見て下さい!!!」
御用邸警備の警官がいつも我々の事を警戒してピリピリしてた。
海の家でカレー食べて「ねえ、これボンカレー?」
ラーメン食べて「ねえ、これ出前一丁?」
焼そば食べて「ねえ、これペヤング?」
怒ってたなあ、お店の人。
でもきっとそうだよ、特にカレーは。800円也。

帰りに温泉に立ち寄った時なんて
日焼けしてるからもう痛くて痛くて。
勝手に水でうめちゃって、ぬる〜くしちゃって。
後から入ってきた他の客が
「なんだこりゃ?プールじゃねえんだ!」
って宿の人に文句言ってた。
申し訳なかったなあ。ごめんなさい。
全ては”夏”という魔法のせい。
そしてその魔法は”若さ&莫迦さ”にだけ効果があるらしい。
簡単に言えば”若気の至り”ってやつ。
ちなみにその頃の仲間の一人は泥沼楽団のギタリスト西尾君で〜す。
夏の”魔法”が醒めてしまった最近の私と言えば
夏の”秘密”が増えてゆくばかりです。

嗚呼、思い出は眩しく輝くのね。遠く離れる程 に...。
御機嫌よう。


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