ガレージシャンソン歌手 山田晃士の
『嗚呼、泥沼回顧録』
其の弐拾壱

真夏の火遊び〜

嗚呼、 愉しや火遊び。
夏は様々な”火遊び”を愉しみたい。

まずは『花火』
線香花火。
パチパチパチ...
小さくちまちまとはじけながらあっという間にポトリ。
う〜ん儚いなあ。我々の人生の様だ...。
ねずみ花火。
シュルシュルシュル...
どこまでも私の後を執拗に追いかけて来る。
それはまるで過去に冒してしまった過ちの様だ...。
ヘビ花火。
ニュルニュルニュル...
ただのびてゆくだけ。 輝きも音もない。色は真っ黒。
私の中で栄えてゆく悪徳の様だ...。
ロケットやドラゴンなんてやらない。

それから『焚き火』
河原のキャンプサイトで薪を積み上げ火を灯す。
オレンジ色の炎。
二時間・三時間...いくらでも眺めていられる。
嗚呼、偉大なる虚無。
勧誘も布教もない宗教の様だ...。

そして『情事』
導火線に火が灯いたら
あれよあれよと燃え尽きて
一切合切を失いかねない、恐ろしい火遊び。
支払われるべき代償の様だ...。

さあ皆さん、”火遊び”を愉しみましょう。
但しどの”火遊び”にしても
火事にならぬ様、くれぐれも後始末には御用心の程を。
では、御機嫌よう。

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