HOME > おしゃべりな椅子 > 読書ノート12 『楽しいムーミン一家』 〜自分を見失ってしまった時に〜
ムーミンのDVDがとても優しくて素敵なので、ご紹介します。 ― 2013. 8. 15
☆ 星占いの記事やエッセイなどで人気の石井ゆかりさんが、五つのお話をセレクトし、解説も!
すこし疲れたり迷ったりしているかたに、ぜひ見てほしいDVDです。
石井さんの解説も、しっとり. . . 心に染み入ってきます。
以下、◆ 「自己肯定感」をとりもどすこと、の中から一部を引用します。
いじめられすぎて姿が消えてしまった、なんて、いかにも童話らしい、荒唐無稽な設定です。でも、私たちの心は、この現象に深いリアリティを感じます。「自分がこの世にいていいと思えない」「自分なんか消えてしまえばいいのに!」という絶望を感じている人は、現代の日本にはちっとも珍しくありません。
最近しばしば目にする「自己肯定感」という言葉が、この物語、この物語から浮かび上がります。自分が自分でいていい、と思えないことの悲しさ、辛さが、目に見えないニンニの「気配」に鮮やかに描かれています。
そんなニンニが自分の「姿」を取り戻した最後のきっかけは、なんと「怒り」でした。それも、自分が傷つけられたための怒りではない、自分の大切な人を守ろうとする怒りでした。
ムーミン一家に、特にムーミンママに、心から優しくされた体験。
そこに生まれた、ムーミンママへの信頼と愛情。
私たちは他人に大切にされて初めて、「自分が自分であっていい」と思い、誰かを大切にする気持ちを持って初めて、強くなれる生き物なのだと思います。 (引用ここまで)
以上。
6話収録のうちの、「姿の見えないお友達」「笑顔が戻ったニンニ」についての解説の一部ですが、
ほかのお話も、みんなすがすがしく、何度でも見たい作品です。
■1990年日本 ■本編約125分 ■6話収録
■収録内容
「姿の見えないお友達」
「笑顔が戻ったニンニ」
「浜で見つけた難破船」
「壊れたパパの大事な椅子」
「 寂しそうなパパ」
『楽しいムーミン一家』
◆ 「自分を見失ってしまった時に」
同じシリーズの姉妹たち
◆ 「愛の意味が解らなくなった夜に」
◆ 「他者とのつながりに悩む心に」
◆ 「悲しみの雨の降る日に」
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