HOME > おしゃべりな椅子 > 読書ノート11 『イエスの言葉 ケセン語訳』
― 2007. 6. 24
頼りなぐ、望みなぐ、心細い人ァ、幸せだ。
ケセン語とは、岩手県気仙地方のことば。
被災地の医師がふるさとの言葉で聖書を訳した。
いま、悲しみや失意の中にいる人に、ぜひ読んでほしい一冊。
疲れた心がほっと温まるような、お腹の底のほうから励まされるような、不思議ななにかが、きっと見つかると思うから。
「頼りなぐ、望みなぐ、心細い人ァ、幸せだ。」
ほんとうに。
わたし自身も、頼りなぐ、心細い人で、よかった、とつくづく思う。
著者の山浦玄嗣さんの解釈には、「あれ? そうかなあ. . . 」と思う部分もあるけれど、だからこそ力強く、より多くの人に届く言葉になっている気がする。
「ヒトラーもジョージ・W・ブッシュもキリスト教徒だったではないか」という人や、「神様があいさつに来てくれたら信じるよ(笑)」という人たち. . .
つまりは、すべての不可知論者や、自分は無神論者であると豪語する人たちにも、ぜひとも読んでほしい。
「野辺の葬送(おくり)に泣いでる人ァ幸せだ。その人達ァ慰めらィる。」
ケセン語で語られるイエスのことばが、からだに染み入る。
音楽のように. . . 。
『イエスの言葉 ケセン語訳』
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