阪神春日野道駅・武庫川線見学

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 2002年8月2日、鉄道研究部はホーム幅が異様に狭いことで有名な春日野道駅と、2000年10月1日からワンマン化された武庫川線を見学に行きました。春日野道駅は三宮から梅田よりの1つ目の駅で、ホームの幅は何と2.6mしかありません。武庫川線は武庫川〜武庫川団地前間1.7kmの路線で、朝夕は東鳴尾で列車行き違いをおこない最大で1時間に6本、昼間は1編成のみのシャトル運転で1時間に3本運転されています。

狭い春日野道のホーム 春日野道駅の出口(ホームの岩屋寄りの端)から撮った写真です。この写真で、ホームがいかに狭いかがおわかりになると思います。島式ホームの幅は何と2.6mです。阪神電鉄の電車は全て幅が2.8mなので、ホームは車輌の幅よりも狭いことになります。写真のように、手を広げると大体ホームの端から端くらいまで届いてしまいます。

 ホームの点字タイルも場所がないので幅の狭いものになっていて、写真では分かりづらいかもしれませんがホームの中央には手すりがあります。またトンネルの壁の部分には列車の接近を知らせるLED表示器がついていて、接近時には踏切の警報音が鳴るなどかなりの安全対策が施されています。

(写真に写っている人物は鉄道研究部の後輩です。)

普通梅田行き到着 梅田行きの普通列車が到着しました。この駅の待合室は当然ホームにはおけないので、1つ上の地下1階の改札前にあります。ここでは列車到着の少し前に「〜方面行き電車がまいります。ホームへお越し下さい」と行ったユニークな放送が入ります。

 トンネル内なので列車の通過時だけではなく、接近時にも猛烈な風が吹きます。特に階段付近は凄くて、1階上の改札にまで吹き込んできます。利点は夏でも冷房がいらないことくらいで、この狭いホームでの突風は危ないことこの上ありません。

 この駅はホームが狭く危険であり、また風対策として通過列車は必ず警笛を鳴らし、駅付近は45km/h制限となっています。ダイヤにも気を配られており同時に両側を通過しないように設定されていますが、ラッシュ時などはどうしても回避できない場合があります。

拡張工事の看板 春日野道駅の改札付近や駅周辺にはこの様な看板が出ています。平成18年3月完成予定で、この駅を狭い島式ホーム1面2線から、広い相対式ホーム2面2線にしてしまおうという計画で、既に準備工事が始まっています。完成時には現在のホームは取り壊され、両側に新しく上下線別々のホームが出来ます。同時に改札も増やし、バリアフリー化も行なってしまおうという工事です。この工事が完成すると前述の速度制限45km/hは撤廃され、通過列車に気を遣わなくてすむようになりダイヤ上の制約もなくなります。

地上の工事の様子
 地上での準備工事はこの様な感じになっています。上は結構な観戦道路が走っているので、工事の速度が落ちるのでしょう。完成まで異常に時間がかかるのは、このことも関係していると思われます。

 写真には写っていませんが現在の駅舎への入り口はホーム同様大変小さく目立ちません。まあこの駅自体元は地下化時に廃止にする予定だったのが、地元の要望などで急遽存続となりトンネルの設計変更をして無理矢理あの空間にホームを造ったのですから仕方がないといえばそれまでです。しかしこのままではいけないと言うことで、ついに阪神も重い腰を上げ駅全体のリニューアルにふみきりました。

武庫川駅 武庫川駅のほぼ全景です。この駅はホームのほとんど全てが武庫川の上にあるとても珍しい駅です(同じく阪神電鉄の芦屋もホームの下は川ですが、川幅が狭くホームの半分程度しかありません)。平成13年3月のダイヤ改正から今まで一部だった急行列車が全てこの駅に止まることとなり、大変便利になりました。停車駅が増えたという批判も大いにありますが、利用客は結構多いので成功だと言っていいのではないでしょうか。

 この駅から武庫川線が分岐しており、阪神本線とは武庫川駅から三宮寄りにある連絡線を使用して行き来することが出来ます。

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