阪神8000系(第1編成)

 8000系は阪神電鉄で初めて6両固定編成として登場した形式です。界磁チョッパ制御装置や電気指令式空気ブレーキなどのさまざまな新機軸が導入された8000系は、1984年に試作編成8201Fが登場しました。

 この8201Fは車体は従来のものとほぼ同一で、違うのは前面貫通扉が非常用に限定され幌がなくなったことくらいです。貫通幌をなくしたのは、他形式と連結する必要がなくなったためです。

 試作編成ということもあり8000系の中では異端児的存在ですが、1995年1月に起こった阪神・淡路大震災で8201Fのうち8001、8101、8202の3両が廃車となってしまいました。そのため、8201を方転の上改番し8502として三宮方に連結、第5〜12編成に属する8523以下3連と組んで運用されることとなりました。以上のような経緯で生まれ変わったこの8523Fは、試作車を含むといったことなどで他の8000系と異なる部分があるため、直通特急の運用には入りません。

阪神8000系(第2〜4編成)

 量産車となる第2編成以降では外観ががらりと変わりました。一番の変更点はなんと言っても前面のデザインですが、そのほかにも内装が寒色系(緑系)から暖色系(灰色系)に変更されたり側窓が二段式から一段下降式に変更されるなどそれまでの阪神車輌とは似ても似つかない車輌となっています。

 第2〜4編成は第1編成やそれ以前の形式に引き続き、冷房装置は分散式が6〜7基となっています。

阪神8000系(第5〜12編成)

 第5編成からは冷房装置が集約分散式4基へと変更されましたが、その他には第2〜4編成と特に違った点はありません。淡々と増備されていきました。

阪神8000系(第13編成〜)

 1991年に製造された第13編成からは多少のモデルチェンジが行われました。外観では側窓が黒枠大型連続窓となって塗り分け線が若干下がり、前面貫通扉にワイパーが増設されました。内装に目を向けると、ドア上部にLEDによる停車駅案内やバケット式ロングシートが採用されるなど、より快適で便利になっています。

 第17編成以降の中間車には車椅子スペースも設置され、バリアフリーにも配慮しています。

ただいま画像準備中につき見られません。ご了承ください。

 第1編成が登場してから18年後の2002年、そろそろ老朽化も見え始めた8000系は転機を迎えました。第2編成8211Fが中間車をセミクロスシートとする更新工事をうけました。同時に塗装も9300系と同じく上部がプレストオレンジ、下部がシルキーベージュに変更され、塗り分け線がさらに下がっています。

 中間車にクロスシートを設置する際、9300系よりも車壁が厚いため通路幅を確保するために窓下が削られました。そのため側窓の一部が開閉不能となりましたが、かわりに妻窓が開閉可能となっています。

製造初年:1984年(昭和59年) 制御方式:界磁チョッパ制御

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